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awai ことばとこころの図書室をはじめます -あたらしい贈りもののかたちを一緒につくってみませんか?-

もうずいぶん前になるけれど、ふらりと訪れた美術館の展示でこんなメッセージを見た。

世界の果ての海辺の丘に大きな楽器が据え付けられてある場所がある。
その楽器は風に吹かれて、鯨の声で歌を奏でる。

その場所を訪れる人はいないけれど、世界のどこかにそんな場所があると思うだけでなんだかちょっと素敵な感じがしませんか?

正確に何が書かれていたか覚えているわけじゃないし、もしかしたら全然違うことが書かれていたかもしれない。

だけれどもそのときからわたしの中には「風が吹くたびに鯨の歌が聞こえる場所」が生きている。

たとえ訪れることがないとしても、そんな場所があると思えることが、ふとしたときに心の中にふわりと余白をつくりだしてくれる。



わたしは今、awai(あわい)という場を開催しています。

「あわい」というのは「あいだ」という意味です。

人と人のあいだ、言葉と言葉にならないもののあいだには大切なものがある。

そんな想いから、対話や関係性について深める取り組みを行なってきました。

「場」と言っても、約5年前に欧州に渡って以降、ずっとオンラインで、出会った人と時間をともにしてきています。

オンラインであっても、今ここにあるいのちといのちが出会う、そんな時間になってほしいという願いを持ってきました。


昨年の4月からは、オランダ人のパートナーとともに旅を始めました。

小さなスーツケースと小さなバックパックに詰められるだけの荷物を持ち、いろいろな国や場所で暮らす中で、自分にとって本当に大切なものが何かに気づいた今、わたしが自分だけのために必要なものや手に入れたいものはそう多くはありません。

世界の美しさに出会い、その中で心地よく穏やかな時間を大切な人とともに過ごしていくためにもちろんお金は大事で、取り組みを通していただいたお金はそのために大切に使わせていただいています。

同時に、わたしの旅はわたしひとりのものではなく、きっと関わるみなさんの心の旅でもあるんじゃないかと、そんなことを思っています。


そんな中、小さな幸せの総量が増えるようなお礼や贈りものの形がつくれるといいなということを考えるようになりました。


「風が鯨の歌を奏でる場所」のようなに、どこかにそっとあって、そんな場所があると思うだけで、やさしい気持ちや楽しみな気持ちになれるような場所をつくることができたらいいな。

すてきだなと思う本や言葉たちをそっと置いておいて、訪れた人が本や言葉たちに出会うことができる場所がつくれるといいな。


そんな想いが浮かび上がり、つながりあって、「お礼や贈りものに本をいただいて、図書室をつくろう」というイメージが湧いてきました。

訪れた人が、静かに、自分にとって大切なものに出会うことができる場所。

あなたの贈りものでそんな場所ができると思うと、なんだかちょっと素敵な感じがしませんか?



そんな取り組みの第一歩として、書棚の一部をお借りすることにしました。

「ぜひどうぞ」とあたたかく場をひらいてくださったのは、羊毛照明作家であり、「灯りと対話」の取り組みを行なっている嶋浦顕嶺(しまうらあきお)さんです。


やわらかなひつじのいのちに包まれたあかりのように、あたたかでゆったりとそこにいるあきおさんのアトリエの一角にそっと本を置かせてもらう。

アトリエを訪れる人がそっと手にとって本をひらく。

それがわたしの知っている人であっても知らない人であっても、そんな時間がそこにあると思うと、なんだかとっても幸せだなあ。

本をお贈りくださった方もきっとなんだかちょっと幸せで、いつか訪れてみたいなという場所があるのもきっとなんだかちょっと幸せじゃないかなあ。

そんなことを考えてすでにとっても幸せな気持ちになっています。


あきおさんのアトリエはこちら▼

あきおさんの取り組みはこちら▼



小さな頃から本が大好きでしたが、中でも好きなのが、ことばに関する本です。

「こんなことばがあるんだ」と知るだけで、いつもとはちょっと違ったものが目に留まるようになる。

季節や感覚の変化に気づくことができるようになる。

ことばで表現できないものもたくさんあるけれど、ことばの世界が広がることは人生が色鮮やかになることで、ことばを大切にすることは、いのちを大切にすることじゃないかとそんなことを思っています。

こころについて探究したいこともまだまだたくさんあります。

どんな考え方も一つの「見方」に過ぎないけれど、だからこそ豊かで多様な「見方」の選択肢を持っていきたい。


ことばやこころに関連した本との出会いが、それを手にした人が自分にとって大切なものに出会う機会になるといいなと思っています。

オランダまで大切に持っていった本たち▼

声に出して読みたくなる谷川俊太郎さんの詩集
こちらも言葉の響きを味わいたくなる擬音語・擬態語の本
自然のあり方に生き方が重なります
こちらは河合隼雄さんの『こころの対話』の単行本

我が家の小さな書棚の本の中には、ブックカバーが外してあるものも多くあります。

たくさんの本たちの中で手に取ってもらおうと外では一生懸命だった本たち。

よそ行きの上着を脱ぐと、思わぬ素顔が現れて嬉しくなるときがあります。


ここでは、そのままでいいんだよ。

本たちもなんだかほっとしたように、書棚にそっと座ります。

静かな書棚に向き合えば、今の自分を後押ししようと呼びかけてくれる小さな声が聴こえてきます。

2020年5月3日のFacebookの投稿より


というわけであたらしい贈りもののかたちとして「awai ことばとこころの図書室」をまずは書棚の一角からはじめてみたいと思います。


■取り組みの概要
・awaiの取り組みの一部について、ご希望の方に参加費やお礼の形として「本の贈りもの」を選択いただけるようにします。
・お贈りいただいた本はあきおさんのアトリエの書棚に置いていただきます。
・書棚の本はアトリエを訪れた方に自由に手に取ったり、ご自宅に持ち帰って読んでいただいたりできます。

*いずれは郵送での貸し出しもできるようにしたいなと思っています。

■ご参加いただける方
・awai Labにご参加いただいている方

*awai Labは、awaiの共同探究会や個人向けセッションをご活用いただいた方にご参加いただける、実験と実践のためのコミュニティです。
*本の閲覧や貸し出しはあきおさんのアトリエを訪れた方、どなたにも行っていただけます。

■取り組みの流れ
・awaiの講座や対話会等にご参加後、ご希望に応じてお贈りいただく本をリスト(amazonほしいものリスト)の中から選び、ご注文ください。

・お贈りいただいた本が誰かの何かのきっかけになるかもしれません。

取り組みの流れのイメージはこちら

awaiの講座や対話会に参加する

贈りものとして本を選ぶ

本があきおさんのアトリエに届く

誰かがその本に出会う

「awai ことばとこころの図書室にそっと置きたい本たち」はこちら▼

*基本的には紙の本のみもしくは紙の本で手に取りたい本を選んでいます。
*リストは随時更新いたします。
*すてきな本・おすすめの本は他にもまだまだありますが、オランダに置いてある本はリストから外しています。いずれオランダからも本を送り、書棚に置きたいなと思っています。
*お贈りいただいた本は随時awai Lab(コミュニティ)内にてご紹介いたします。
*本の感想等をシェアするジャーナルの取り組みもできたらいいなと思っています。

■その他のご案内

・あきおさんのアトリエはどなたでも訪れていただくことができ、アトリエを訪れた肩はどなたでも本を手に取っていただけますが、あきおさんの取り組みやつくるお時間をともに大切にしていただけると嬉しいです。



awaiでは他にも「小さな幸せの循環が起こる贈りもの」として、贈りものの選択肢をご用意しています。

たとえば…

①ペイフォワードギフト(学びの循環)
あなたの中に生まれた想いや力ひらめきを次は誰かのためにご活用ください。

②ライフメッセージギフト(言葉の循環)
あなたの中に生まれたものや体験したことをメッセージという形で教えてください。

③ビジョンサポートギフト(祝福の循環)
想いを形にするために必要なものをお贈りください。


まずはいくつかのちょっとした取り組みで活用していきたいなと思っています。取り組みごとに選んでいただけるギフトの形をご紹介していますので、一緒に「小さな幸せが循環する実験」を楽しんでいただけると嬉しいです。



awai ではこんなふうに、「こんなことができたら素敵だな」「やってみたいな」と思うことを実験・実践をする仲間を募集しています。

「ともにいのちを生きる」ことをご一緒するのを楽しみにしています。


最新の取り組み等はこちら▼




おまけ

昨年、パートナーのお姉さんの住む海辺の小さな街を訪れました。

そのとき散歩をした砂浜に、なんと「風が鯨の歌を奏でる楽器」があったんです!

人知れず、奏でられる鯨の歌が、今もわたしの中に響いています。



このページをご覧くださってありがとうございます。あなたの心の底にあるものと何かつながることがあれば嬉しいです。言葉と言葉にならないものたちに静かに向き合い続けるために、贈りものは心と体を整えることに役立てさせていただきます。