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【フレディ追悼企画】①/3ドント・ストップ・ミー・ナウ~こころからだじゅう、じゆう~【Queen和訳】

はじめに

本日、11月24日は、バンド「クイーン」のボーカリスト、フレディ・マーキュリーの命日です。

特に今年は、没後30年となる節目の年です。

人生を生き抜くたくさんの遺産を残してくれたことに敬意を表し、この特別な日に何かしたいと思っていました。

そこで、フレディが作詞者クレジットの私の大好きな曲で、新たな和訳に挑戦しました。

Queenの7作目のアルバム「Jazz(ジャズ)」(1978年)から「Don't Stop Me Now(ドント・ストップ・ミー・ナウ)」を和訳し、解釈を自分なりにします。


最近、この曲がリクルートのCMで使われていたので、追悼記念にしようと決めました。

3回にわたってお送りします。


もともとこの曲は、私の好きなQueenの曲のトップ3、4には入る曲です。

出会いは子供の頃、たぶんCMで流れました。

ナインティナインの岡村さんとかがブレイク・ダンスしてた清涼飲料水のCMなのか、それとも他で聞いたのか。

なのでおそらくサビの15秒ほどしか聞いていませんでしたが、すぐに好きになりました。

その後、10年以上前に(2000年代後半)母がQueenにハマって、グレーテスト・ヒッツ(Greatest Hits:以下グレヒツ)を購入したので、すべて聞くことができました。

初めてすべて聞いたときは、イントロが意外に頽廃的(たいはいてき:デカダンス)な感じで驚きましたが、すべて聞いてもやはり好きなままでした。

むしろかっこいい。


この曲の概要を説明しておきます。

概要

収録アルバム:「Jazz(ジャズ)」(1978年:7作目)

曲の位置:12曲目/13曲

作詞者クレジット:フレディ・マーキュリー

曲の時間:3分29秒


サビを聴いてわかるように、ノリノリな曲です。

意外にイントロ(はじまり)及びアウトロ(終わり)はバラード的。


あまり気づかなかったが、実はピアノ曲で、レコード版はギターソロ以外ギターがほぼない。

後にギターを追加したバージョン(with long-lost guitarsと、映画「ボラプ」のエンド・クレジットで使用された「revisited」、同一?)もある。


映画でも流れていたようにPVがあり、1979年1月26日のベルギーのブリュッセルにて、ライブ前に撮影したとのこと。その日のインタビューやドキュメンタリーもある。同日、イギリスにてシングル・リリースもされている。


当時から、イギリスや英語圏では、フレディ達の流すイメージ(お金持ちで派手なパーティー好き)と、歌詞の一部から想像される生々しさにより、あまり公然と好きと言えないようでした。(しかも当時のイギリスは不況)

うらはらに、非英語圏では当時から人気で、近年は英語圏でも若い世代にも人気のある曲のようです。

時代を超えて愛されてきています。


といいつつ、歌詞をツッコんでいきますが、楽しんでいきましょう。


詩全様

"Don't Stop Me Now"
Written by Freddie Mercury

Tonight I'm gonna have myself a real good time
I feel alive
And the world I'll turn it inside out yeah
I'm floating around in ecstasy
So Don't stop me now
Don't stop me
'cause I'm having a good time
Having a good time
I'm a shooting star leaping through the sky
Like a tiger defying the laws of gravity
I'm a racing car passing by like Lady Godiva
I'm gonna go, go, go, there's no stopping me
I'm burning through the sky yeah
200 degrees that's why they call me Mr. Fahrenheit
I'm travelling at the speed of light
I wanna make a supersonic man out of you


Don't stop me now
I'm having such a good time
I'm having a ball
Don't stop me now
If you wanna have a good time
Just give me a call
Don't stop me now
'cause I'm having a good time
Don't stop me now
Yes I'm having a good time
I don't wanna stop at all yeah

I'm a rocket ship on my way to Mars
On a collision course
I am a satellite
I'm out of control
I'm a s*x machine ready to reload
Like an atom bomb about to oh oh oh oh oh explode
I'm burning through the sky yeah
200 degrees that's why they call me Mr. Fahrenheit
I'm travelling at the speed of light
I wanna make a supersonic woman of you

Don't stop me, don't stop me, don't stop me hey hey hey
Don't stop me, don't stop me oo oo oo (I like it)
Don't stop me, don't stop me
Have a good time, good time
Don't stop me, don't stop me

Burning through the sky yeah
200 degrees that's why they call me Mr. Fahrenheit
Hey I'm travelling at the speed of light
I wanna make a supersonic man out of you

Don't stop me now
I'm having such a good time
I'm having a ball
Don't stop me now
If you wanna have a good time
Just give me a call
Don't stop me now
'cause I'm having a good time
Don't stop me now
Yes I'm having a good time
I don't wanna stop at all

(直訳+手直し)

今夜、本当に楽しい時間を過ごすつもりです
生きてるってカンジ
そして世界、私はそれを裏返しにします
私は恍惚の中に浮かんでいます
だから、今私を止めないでください
私を止めないで
楽しい時間を過ごしているから
楽しんでる

私は流れ星
空を駆け抜ける、虎のように
重力法則は無視
私はレーシング・カー
目にもとまらぬ速さで通り過ぎる
ゴダイバ(ゴディバ)夫人のように
私は行く、行く、行くつもりです、私を止めるものはありません

私は空を染めて燃えている
200度。だから彼らは私を「華氏(かし)」と呼んでいます
私は光速ですすんでいる
あなたから超音速人間を引き出したい

(コーラス)
今私を止めないで
私はこんなに楽しい時間を過ごしています
大いに楽しんでいます
今私を止めないで
あなたも楽しい時間を過ごしたいなら
ただ、電話をください
今私を止めないで
楽しい時間を過ごしているから
今私を止めないで
そう、楽しい時間を過ごしています
絶対にやめたくない

私はロケット船
火星に向かう途中 衝突は必至
私は衛星
私は制御不能です
私は超絶マシーン
リロードする準備ができている
原子爆弾のように、あああ、爆発する

私は空をかけめぐって燃えている
200度。だから彼らは私を「華氏(かし)」と呼んでいます
私は光速ですすんでいる
あなたから超音速レディを引き出したい

私を止めないでください、私を止めないでください、私を止めないでください
私を止めないでください、私を止めないでください(私はそれが好きです)
私を止めないで、私を止めないで
楽しい時間をお過ごしください
私を止めないで、私を止めないで

空を染めて燃えている
200度。だから彼らは私を華氏と呼んでいます
私は光速ですすんでいる
あなたから超音速人間を引き出したい

(コーラス)繰り返し

お子さんも見るかもしれないので一部歌詞を伏字にしています。


まずは太字の解釈です。


イントロ

[Intro]
Tonight I'm gonna have myself a real good time
I feel alive
And the world I'll turn it inside out yeah
I'm floating around in ecstasy
So Don't stop me now
Don't stop me
'cause I'm having a good time
Having a good time

今夜(tonight)」、楽しむようです。キーワードです。

曲がかかって、最初の一言がこれです。

舞台は「夜」。昼でなく。ライブも夜ですね。


Jazz評

イントロの解説の前に、この収録アルバム「JAZZ」について。

このjazzというアルバム自体、コンセプトはの生活の楽しみ(ナイト・ライフ)のようです。

ロジャーさんのFun Itは、have a good time tonightが繰り返され、サビは二人の声が重なります。

(funs for) freeというフレーズもある。


フレディのLet Me Entertain youは、この曲と同じようなコンセプトで、今度は楽しませる側。ライブ(ショウ)のことを言っています。

フレディはライブで軽くMCもしていますが、ショウのMCのように語ります。

こちらはこの曲の何倍もきわどい部分を思います。めまいを起こすような言葉遊びの連続です。シングルにもなっていません。

ショウなので当然、夜が舞台。最後にタイトルと同じセリフの後に、"through night(tonight?)”と聞こえます。


先行シングル、メイ氏の「Fat Bottomed Girls」も最初のフレーズにtonightが出てくるし、内容もムーラン・ルージュのよう。

両A面のフレディの「Bycecle Race」もFat Bottomed GirlsがPVでは裸で自転車に乗るので、昼かもしれませんが、メジャーよりはマイナーより。映画もテーマの一つだと思いますが、当時は夜見るのが一般的ではないでしょうか。


メイ氏のドリーマーズ・ボールも、ballは舞踏会なので、


トリを飾るロジャー氏の「モア・オブ・ザット・ジャズ」もジャズなので演奏するのはおそらく。そもそもこのアルバムがジャズだし。

この曲も狂気とけだるさとかっこいい。

ボブ・フォッシーのミュージカル「シカゴ」の「オール・ザット・ジャズ」に関係が?ライザ・ミネリも歌っていました。フォッシーといえば映画の初制作が「スウィート・チャリティ」では、フレディの十八番「グッド・スペンダー」が歌われます。


13曲中、ディーコンさんの「In Only Seven Days」以外は光の曲はないです。

1曲目からアラビア語。マイナーすぎる。むしろロック。

ディーコンさんの「うちひしがれて」も、後半が豹変して、過去のマネージメントを呪っているような曲だし、メイ氏の「デッド・オン・タイム」は「お前はもう死んでいる」と雷と雨で終える。

去りがたき家はビートルズの「シーズ・リービング・ホーム」的な別れの曲。取りようによってはポジティブにもネガティブにもとれる。

フレディの「ジェラシー」は嫉妬だし。中東風のギターに(アコギ?)ピアノが美しい。


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Jazz評から、イントロ解説に戻ります。

とにかく、私のイメージでは、このアルバムは「」がテーマ。

特に彼らのメインであるライブ生活。

「レット・ミー・エンターテイン・ユー」ではないが、ロック・アラカルトな作り。夜やショウをテーマにいろいろな曲が取り揃えてあり、私たちを楽しませる。

フランスやヨーロッパ、中東の香りもするが、アメリカチックなところもあり、アメリカ路線だったようだ。しかし当時アメリカでこの「ジャズ」はあまり評価されなかったらしい。(次の「ゲーム」が大ヒットする。伏線だったのか。)

アメリカ人にとって、なんでこれがジャズ?ロックというより、エンターテイメント・ショー?なぜ男4人で女王(単数)?と疑問だらけだったという。そしてヌード(自転車)PVもアメリカ人は意外に(形式的には)お固かったからダメだったらしい。(DVD「輝ける日々」より)


とにかく、夜と楽しみ。


たった1行(tonight~)でこんなに脱線してしまった。しかし大事なテーマであると思う。


I feel alive

は歌い方に特徴あり。

(あーぃ・フィーラ、)らー、あ、あ、あーぃv

と伸ばすが、こんな歌い方はあまりしないのではないか。特に英語圏のロックスターは。日本人には歌いやすい。

※追記20201/11/27 映画「ロッキー・ホラー・ピクチャー・ショー」のティム・カリーが最後に歌う「I'm Going Home」(作詞:リチャード・オブライエン)では、

「Smile, and that will mean I may

と歌うとき、最後のmay(メイ)を、「メーエーエーイ」と伸ばしていた。このようにミュージカルなどの音楽的要素が強い曲やジャズっぽい曲ではみられるのではないか。追記終了。※


aとiという母音と、子音も、LとF(VはFの有声音)の2つくらいしか存在しない。すばらしい。

たった3単語で深い意味がある。

「生きてるって実感できる。」

これもバンドのテーマと思う。

難しい勉強して理論をこね繰り回してお金を稼ぐより、今を生きて楽しみを我慢しない。

人からモラルがないといわれても、その道(ナイト・ライフで快楽を得る、そして提供する、音楽を作って生活する)を進んでいく。

そのお手本を見せているよう。

そしてそれは正しかったと証明された。

実際、フレディにとっても、ナイト・ライフから多くの友好関係を結び、果ては王族とも付き合い、王族のようになってしまったので、有益だったと思われる。亡命からロンドンで反対されつつ音楽の世界に身を投じ、「クイーン」としてはたった20年の間に功績を残し続けた。病気も得てしまったが。彼のすることにはいつも意志と道理があるというわけか。

ロジャーさんなども色んなロックスターとの写真が残っているし、楽しみながら、バンドを生きながらえさせる多くを得ていったに違いない。


And the world I'll turn it inside out yeah
I'm floating around in ecstasy

ここは映画「ロッキー・ホラー・ショー(1975年、映画版)」を思い浮かべてみた。

(こうとみんなが決めつけてしまっている)世界をひっくり返し、プールに浮かぶ。lost in meaning...

「バイシクル・レース」にもホット・ドッグやバイト!、フランケンにバイセコーなどそれらしい単語があり、疑っている。詳しくは以前の記事を参照してください。

因みに「inside out」は、内側をひっくり返して表に出すこと。本性を見せるようなときにも使う。

同じような構造の「upside down」は上下をさかさまにすること。曲の「メイド・イン・ヘヴン」などにもでてきました。


(キーフレーズ)

So Don't stop me now
Don't stop me
'cause I'm having a good time
Having a good time

「止めないで」X2回はゆっくり。

Having a good time X2回は速くなっていく。


これも大きなテーマの2つ。サビにもなっている。

というかサビの一部。

今は止めないで、は今後の他曲でも繰り返されるテーマの一つ。

死後にリリースされた「メイド・イン・ヘヴン(1995)」という15作目の最後のアルバムにも、「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」という頽廃的な美しいピアノ曲がある。

とても短い詩の中で、(No-one’s gonna) stop me nowと繰り返す。

1980年4月のレコーディングということで、公的に口ヒゲのフレディに変わる直前かと思う。

つまりジャズと同じく、最後のひげ無し姿。(とても大事)

まるでお願いだから止めてと言っているような。save me(助けて)というような。

ちなみにひげがあるないで、フレディの歌い方とスタイルが激変するので、ただの見た目の変化と思わずに、とても大事なことなのです。「ゲーム」のアルバムの中に2人は混在しており、聞いただけで、どっちのフレディかわかるほどです。

エレガント路線からソウル・ファンク系に行きます。そのうちダンディで時にワイルド、時にセクシーでかわいいおじさまに変わっていきます。


とにかく、ソロアルバムにもあるように、「誰もが俺を恐れている、オレはバッド・ガイ」というように変わっていきます。

ひげなし初期のテーマは「自由にして、解放して」、だったと思います。「いつか自由になってやる。」

それが、今は止めてくれるな(おっかさん)、誰も止められない、やっと自由だ、(お願い止めて)、に変わっていくのです。


男らしいひげ姿になる前に、最後の頽廃美を楽しもうとしているのかもしれません。

後年、メンバーにも、「あの時止めないでくれなくてありがとう」と言っているのはこのことかと思います。メンバーは心配で、死にそうで、止めたかったかもしれません。頭がよく、優しいので。

ひげ前は、エレガントでミステリアス、かわいく、時にやんちゃなboy役でしたが、ヒゲ後は隠していたボス性をあらわにしていきます。映画のサントラという大役(フラッシュ・ゴードンなど)をやったり、当時危険な南米にも行きました。


ひげで脱線しておりますが、この時期は「止めないで」、でした。

多くの犠牲を払って快楽に身を投じ、芸術を生み出しました。

そして、短いかもしれないけれど、濃くて、誰もがうらやむ人生を送れたかと思います。


ここまでがイントロです。


詩1番(verse 1)

I'm a shooting star leaping through the sky
Like a tiger defying the laws of gravity
I'm a racing car passing by like Lady Godiva
I'm gonna go, go, go, there's no stopping me

ここからは比喩に比喩を重ねていきます。

自分を形容する一番目は「スター」です。

ロックスター。

彼のあこがれが「スター」でした。


その前にちょっと、この曲の大事な面について他にもお伝えしたいです。


エクスタシーとか、何とかマシーンとか、かなり肉体的な単語が耳に残ります。ゴダイバ婦人や、同アルバムの「バイセコー・レース」は裸だし。

のっけから、「今夜楽しむ、とめないで」だし、「アライブ」の発音は怪しいし。

つまり、英語圏の人や非英語圏においても、何となく肉体的だと思います。

英語で肉体的は、physical。メンタルやスピリチュアル(精神的)の逆です。

フィジカルのもう一つの意味は、「物理の、自然科学の」、という形容詞。

physicsで物理学。メイ氏がかつて修士を持ち、ディーコンさんも先行していました。各人はエレキギターやアンプまで作ります。

つまり、物理用語がちりばめられているのです。

これはフレディの洒落と思います。

いかにも肉欲的な単語やイメージと、物理をかけている。

あとはメイ氏の行きたかった、天文物理学(2007年あたりに博士号をとります)。

スターのほか、あとでロケット、火星なども出てきます。

マーキュリーも水星だし、フレディの考えたバンドロゴもメンバーの星座です。

占星術は信じてないと言っていましたが、9/5おとめ座の守護星は水星。

ヘルメス(マーキュリー)思想も怪しいと思っていますが。


このようにたびたび物理が出てきます。

快楽と、科学的な目線。

これが、この曲をいやらしいだけではない、芸術にしてしまうのかもしれません。

物理、チェックしてみてください。


解釈に戻ります。

スターがスカイを飛んでいます。

トラのように。


トラはフレディが好きなネコ科。ネコの王様のようです。

ライオンが王なら、女王かも。

ロジャーさんの息子さんや娘さんのうち何人かは、フレディがゴッドファザーになっています。

ルーファス・タイガーさんとタイガー・リリーさん。トラ好きですね。

タイガー・リリーといえばピーターパン。リリーはフレディが好きな花と思われます。

フレディが「魔法をといて僕を解放して」と歌う「リリー・オブ・ザ・バレー」はドイツスズランのことだけど、たぶん谷のユリとあえて思っていたと思う。フランスのバルザックの小説と同じ「谷間のユリ」という邦題。

ザンドラ・ローズさんデザインの白鷺ルックも、もとは日本のユリをスケッチしてウエディングドレスにしたとのこと。日本のユリは白くて大きくて、西洋人はすごいと思うらしいですね。よく宗教画で聖人が持っていたりしますね。


とにかく、トラのように高跳びしているスターが自分だと。

トラはインド、アジアあたりが原産。見たことあるのかな。

黄色くて、流れ星っぽい気もします(オレンジ?)。温度によって、黄色い恒星もありますね。

シマシマが激しいコントラストを奏し、ゴージャスな毛皮を持ちますね。

跳躍力もあります。


そして、それが重力法則を無視しているという。星(スター)に続き、2個目の物理ワード

世界の法則を無視している、という意味につながります。

つまり、物理法則は世界の決まり事、自然科学を表したものとはいえ、同時に人の作り出した固定観念にすぎないことを意味する。肉体世界はスピリチュアルやソウルを重視して楽しみを肯定する。しかし、自然自体(宇宙や光)は人知を超えている。説明するとややこしい。


I'm a racing car passing by like Lady Godiva
I'm gonna go, go, go, there's no stopping me

レーシングカーのたとえがまさか、ゴダイバ夫人(ベルギーのゴディバ)。

イギリスの有名な昔の実話。

かつて勇気を持った夫人が、民を守るため裸で馬に乗った。

これがバイセコー・レースの女性たちだと思う。

ある意味クイーンです。

女性目線。


レーシング自転車でなく、カーですが、このアルバム自体が車好きなジョン(ジョナサン)ハリス氏にささげられているのであえてかも。バイセコーレースにもイギ車ロールス・ロイスが登場。

ロジャーさんが「I'm In Love With My Car」をうたった人物。スマイル時代から3人をサポートしており、5人目のクイーンともいわれ、エンジニアで、メイ氏の大学の同級生だったかで、中退。この時は病気になってしまいました。結果的にバンドを去るわけです。ジャズのアルバムジャケットにもQueenという字が5個書かれています。

カーも、物理っちゃ物理かも(3)速度を競い、メカニックだし。

ヨーロッパでレコーディングされているので、ツールドフランスだけでなく、F1のGPとかも見たのでしょうか。


目にもとまらぬ速さでかけていく夫人。

馬とはいえ、現代のF1(Formula One)にも負けない速度で通過する。

レディの裸なので、目にとまったら、いけません。伝説では、村人が決めた約束を破ったのぞき見トムは目がつぶれました(peeping Tom)。

女性としてはうれしいたとえです。イギリス人にも。


I'm gonna go, go, go, there's no stopping me

これは2番と呼応しますね。go、go、goのところです。

noとも「オゥ」で韻を踏む。

これもキーワードに近いフレーズ。

goしかない、テンションアゲアゲです。


(pre-chrous)

I'm burning through the sky yeah
200 degrees that's why they call me Mr. Fahrenheit
I'm travelling at the speed of light
I wanna make a supersonic man out of you

サビの一個前。

また物理(4)温度について。

オレは空を染めて燃えている。

200度。

これは華氏(かし・ファーレンハイト、F°)というので、日本の摂氏(せし・セルシウス、C°)に換算すると、93.3333・・・°Cだそう。

華氏「°F」は英米で使われている。

体温だとすると、人間の高熱が100°F(37度くらい)といわれるので、その倍以上ということになる。

212度(100°C)で水が沸騰するので、水の沸騰直前とも。液体から気体に状態が変化する温度。飛ぶという意味か。

炎の温度は2000°C以上なので、これは違いそう。

あとは、2という数字にもこだわるのかも。(バイシクル・レース)


英語圏では、Mr.「Far in height」では?という声もある。

手の届かないような遠くの(far)高さ(height)に行ってしまっているという意味か。in the height of ~で「(夏などの)さかりに」、at the height of ~で「絶頂にある」などの言い回しもあります。

高さも物理用語と言えますね。


「華氏」は偶然、氏がついて人の名前みたいになっているが、フレディの場合、偶然とも言い切れない。


I'm travelling at the speed of light
I wanna make a supersonic man out of you

物理5、速度。光速と音速。

マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーンでも、彼のミッションは、「光の速度で愛と喜びを届けること」といっていた。

光は宇宙で一番速いとされている。同じ波の性質を持つ電気(雷やエレキギター、照明)の速度もその1/3~同じくらい。

光の速度は音よりは速い(Light travels faster than sound.)。

音速(sonic)とは、音楽のことだと思う。

supersonic(超音速)は、飛行機の速さなど、航空用語のようだ。

光速で動く自分(たち)の音楽を聴いて、内面にある超音速人間(man)を引き出したいという意味か。

2回目にはちゃんと女性(woman)も出してくれます。

もしかして、「バイシクル・レース」にも出てきた単語、superman(超人)をもじっている?

superは「超える」という接頭語。物理っぽい。


travelには、物理用語で光などの速度で移動することを表すが、ライブで全米やヨーロッパ、日本など世界中を旅することも入っていると思う。デッドオンタイムはその忙しさを皮肉するような歌。かなりフレディが早口。ストーンコールドクレイジー以来の芸です。


ここまでが1/3です。

内容的にはあとの歌詞は繰り返しなので、訳は半分以上終わってはいます。


今までをまとめると、

まとめ

自分(達)の、楽しい生活(特に今夜)をうたっている。

それはライブ(夜)に来てくれた観客や、レコードを買ってくれたみんな、聞いてくれた人々にも分け与えたい。分かち合いたい。

生を肯定する歌。

性と物理(physical)をかけていて、人知を超えた自然現象を並べ立て、肯定している。

歌詞和訳すると、性に気をとられてしまいがちですが、物理にも注目していきましょう。

とても深い世界に連れていかれます。


次は、サビ(Chorus)から始まります。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

次回もお楽しみに。




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