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【QUEEN和訳】3/3 Was It All Worth It 和訳(オレの人生はこれでよかったか?)実質的遺作~これまでのクイーンの終焉と新たなる段階へ~完結編

邦題は「素晴らしきロックンロール・ライフ」。

クイーンの歴史から言うと、

クイーンは最初はロックンロールだった。

前回までの記事はこちら⤵️


解説2

それでは内容について解説していく。

この曲は、フレディがほぼ作り、メンバーも詩と曲を提供して作ったと言われる(wikiより)。

つまりクイーン公認の歴史について、フレディが音頭をとり作ったということ(前アルバムの一曲目「ワン・ビジョン」みたいに)。


まずはボラプとの類似性についてから始めたい。

ボラプとの類似性

1975年リリースの楽曲「ボヘミアン・ラプソディ(ボラプ)」は、

フレディ・マーキュリーが作詞者クレジット。

クイーンの代表作の一つだ。


構成

ボラプの構成は、

・アカペラ・コーラス
・バラード
・オペラ
・ハード・ロック

で、

1.アカペラ
2.バラード
3.オペラ風
4.ハード・ロック
5.バラード

の順になる。

0’00” アカペラがいきなりスタート
0’55” Mama~の歌い出し
1’55” バラード2番歌い出し
3分すぎ ギター・ソロから転調、オペラ調に移行
4分すぎ ロック・パートに移行
4’55” Ooh yeah x 2(転換期)
5’55” 終わり

では、この曲(was it all worth it )はどうか?

この曲の構成

・シンセサイザー
・ロック・パート
・ギターソロ
・シンセサイザー・オーケストラ

で、

1.シンセ
2.ロック・パート
3.ギターソロ→シンセ・オーケストラ
4.ロック・パート
5.シンセ

だ。

ボラプは3つの異なる曲をつなげたと言われ、冒頭に付加したアカペラ・コーラスを含め、異なるスタイルの曲が次々と現れ、最後にバラードにもどる。つまり、4種類のスタイルと5場面。

この曲は、
ロックがメインで、
前後にシンセサイザーのフレーズが入り、
真ん中に、ギターソロとともに、シンセサイザーで作られたオーケストラを隠している。

ラプソディ(自由詩)というよりは、入れ子構造🪆。

ボラプは中間にオペラ風パートが入るのが特徴で、メインのバラードに挟まれるが、

この曲は、シンセサイザー(ピアノの電子キーボード版)で表現されたオーケストラが特徴。

シンセのオーケストラは、フレディのソロアルバムのタイトル曲「Mr.バッド・ガイ」で初めて行われたと思われる。

つまり、シンセでオーケストラを表現したのが、ハイライトだと思った。


時間配分

さらに、時間配分について、

ボラプは計5分55秒の曲だが、

ラスト1分で陽転し、バラードが再び始まり終わる。


この曲は全部で5’45”で、

5分00秒ちょうどでタイトルの問いかけ(俺、または俺たちの人生に果たして意味はあったのか?)の答えが叫ばれる。

時間配分を意識しているところも、フレディの曲の傾向と言えると思う。



では歌詞の内容の解説。

解説3

ボラプの詩は、こう始まる。

Is this the real life-
Is this just fantasy-
Caught in a landslide-
No escape from reality-

ボヘミアン・ラプソディ
作詞フレディ・マーキュリー

これってほんとにおこってるの(げんじつ)?
ただのファンタジー(ゆめ)?
なだれのようにあしもとからくずれてゆき、
これ以上、げんじつとうひ、できない


この曲は

What is there left for me to do in this life,
Did I achieve what I had set in my sights,
Am I a happy man, or is this sinking sand,
Was it all worth it, was it all worth it,

で始まる。

どちらもlife(人生)の話題からイントロが始まる。

Sinking Sandは頭文字一致。

フレディのソロアルバムの最後の曲で、このアルバム中で最も気に入っているというlove me like there’s no tomorrow 「明日なき愛」にも同じ表現があるので、彼特有の表現だとわかる。

これはlandslide(なだれのような地滑り)に捕まって、という表現に対応すると考えた。

どちらも、足元の土(sand, land)が崩れて足元から危うくなる感じ。


そして、ロックなギターフレーズとともに物語が始まっていく。

ボラプはピアノ・フレーズとともにプアー・ボーイのものがたり(バラード)が始まる。

Yeah, now hear my story,
let me tell you about it,

We bought a drum kit,
blew my own trumpet,
Played the circuit,
thought we were perfect,

詩は、ボラプと構成的に類似し、前身の大作といわれる「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」のイントロの次の部分に似る。


これから女王の支配する殺戮の世界が展開するが、「それについて全て話させてほしい、世界もそう望んでる、暫し選ぶ時間を欲しい」という詩がある。

You've never seen nothing like it no never in your life
Like going up to heaven and then coming back alive

Let me tell you all about it -
And the world will so allow it
Ooh give me a little time to choose

Water babies singing in a lily-pool delight
Blue powder monkeys praying in the dead of night

マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン

あなたはそのようなものを見たことがありません、あなたの人生で決してありません
天国に行ってから生き返るようなものです
それについてすべてお話ししましょう-
そして世界はそれを許すでしょう
ああ、私に選ぶ時間を少し与えてください
睡蓮の池で喜びに歌う水の子(みずのこ)たち
草木も眠る真夜中に祈る浮浪児たち・・・

さらに、上記の太字(英字)の通り、その後語られるストーリーも頭文字が結構一致。

偶然?それとも?


実はマーチ・オブ・ザ・BQとも、最初から似ている。

この曲は、最初に問題提起がされる。

What is there left for me to do in this life,
Did I achieve what I had set in my sights,
Am I a happy man, or is this sinking sand,
Was it all worth it, was it all worth it,

オレはやり残しはないか?
ゴールは達成したか?
幸せか、ぬか喜びか?
人生に価値はあったのか?

ブラック・クイーンでも、疑問詞文から始まる。

Do you mean it
Do you mean it
Do you mean it
Why don't you mean it
Why do I follow you and where do you go

マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン

本気なの?x 3
本気になったらどうなの?
なぜ私はあなたについていくのかな...
ねぇ、あなたはどこに向かうの...

これも、リーダーである女王(クイーン)に、メンバーやファンがついて行っていいのか、という壮大なテーマが描かれると解している。



とにかく、クイーンのストーリーを語ってくれるという。

ぜひ聞きたいところだ。

ここから、クイーンの歴史が語られる。


しかし、ここは語ると長くなるので

エッセンスだけ軽く語ることにして、省きたい。


エッセンス

ファンにとってはうれしい部分で、ブライアンは、イースターエッグ探しのように楽しんで、という。


すべて主語はwe(俺たち)で語られる。


最初の部分は、結成直後、レコード会社?(トライデントのことらしい)を吟味してやっと見つけるも、その契約内容に今後苦しむところ。


2番からお金の話が入るのもフレディ特有。

ボラプのアルバム(オペラ座の夜)ではかなり借金し(イギリスで当時史上最高額のアルバム作成費)、一か八かの勝負にでる。


コーラス部は、ロックンロールしたぜ!という話。

親を泣かすようなミュージシャン生活や、記者(マスコミ)との戦い。

「身も心も捧げた」という表現もフレディっぽいし、これは音楽や遺産(人類の)に関してだろう。


謎の詩、3番

シンセ・オーケストラを経て、

3番は、出だしから意味不明。


バリ(インドネシアのリゾート)に行き、

神とダリを見た(see)。


追悼のオマージュを歌詞やイメージに混ぜることの多いフレディ及びクイーンだが(エルビス、レノン、ジム・クラウチなど多数)、

死ぬ前ギリギリも多い。

バイセコーのジョン・ウェインや、オペラ座などのアルバム名のマルクス兄弟のグルーチョさんなど。

亡くなる1年前くらいに取り上げる。これは引導か。

ダリも?


サルバドール・ダリは、スペインはバルセロナ・カタルーニャ地方の画家。1904-1989年死去。20世紀の偉人の一人。

時計の垂れ下がるシュル・レアリズム(超現実主義)の絵が有名、チュッパチャプスの包装デザインなどポップ作品でも知られる。

ダリに会ったのだろうか?パリでなく、バリで?

アンディ・ウォーホールにはクイーンは激写されたが、歴史上の偉人にまた会ったのか?

オペラ・ディーバのモンセラート・カバリェもフレディは共にオペラアルバムを出したが、彼女もバルセロナ出身。


神を見たとは何か?so good(ソゥ・グッドゥ)と、saw God(ソー・ゴッドゥ)のもじり?

バリで神とダリを見て、とても(so)神秘的で超現実主義的だという。

現実主義的はsurrealistic で、so realistic とも聞こえる。

現実とファンタジーの対立も、ボラプのイントロとして有名だ。


詩の2番の最後

ここで3番の詩の直前を振り返る。

ギターソロとシンセパートを挟むので、30秒ほど前だが、コーラス(サビ)がある。

コーラスの最後は毎回違う。

1番目は「この何十年も」といななく。

3番目はこの曲タイトルの答え。


2番目の、
when the ハリー・バリー'ズ・ダン”hurly-burly‘s done”は、

シェークスピアはマクベスの第2の魔女のセリフ。本来は、

when the battle’s lost and won(ワン)と続く。

この大騒ぎが終わったとき、この戦いが決着したとき。

前述2番の最初のお金のくだりも、won or lostが出てくる。we didn’t matter if we won or we lost(勝ち負けはどうでも良かった)。


ハリー・バリーから、バリやダリが韻を踏む可能性はある。時間的には遠いけど、詩は直前だ。

このセリフは、イギリス人や教養がない人じゃないとわかりにくい。

変なエフェクトみたいなのがかかって歌われる。

何か意味深だ。


すべてが終わったとき、フレディやメンバーが当時隠さざるを得なかった謎が次々と明らかになる。

これはフレディのやがてすぐに訪れる死を暗示する。


すべてが終わったとき、復活できれば、伝説となれる。

これはクイーンの音楽が本物かどうか、時が証明するということを表す。


3番のコーラス

その後またコーラスが入り、最後は

ロックンロール・ライフについては、

This never ending fight
(この決して終わらない闘い)

を生きた、

に詩が変わった。


これも、伝説のチャンピオンの

And we’ll keep on fighting -
Till the end -

そして私たちは戦い続けるでしょうー
最期までー

この誓いの反映か。

これもweが主語(詩部分は一人称だが)。

Championsはみんな(we)で、
losers(負け犬)の時間はないという。

とてもユーモラスだ。


タイトルの答え

最後は5分ぴったりに、このタイトルの問いの答え。

とてもポジティブなものだ。

Yes, it was a worthwhile experience,

(とても価値のある経験だった、アハハハ!)


最後はギターフレーズのあとに神秘的なシンセで終わり、余韻を残す。ボラプの最後みたいに。

「まだ終わってないぞ」、みたいな。

To be continued 的な最後だ。

(実際に次作アルバムが最後となる)


これがこの歌のエッセンスのみだ。


あとは長くなるので割愛したいが、

ファンのお気に入りというのがよくわかる詩になっている。


あとは、2番の途中で入るシンセのフレーズは、

マーチ・オブ・ザ・ブラックQの最初や、デスオントゥレッグズの最初のピアノ・フレーズとよく似たものが表れたり、

歌詞もkill やvicious など、苛烈。

シド・ヴィシャス(ピストルズ)ともめたのは1977年の世界に捧ぐのレコーディング中。

この後、間に前述の呪いのピアノ・フレーズが入るのは、ここで、若フレディ(白)と、

ヒゲのダンディ・フレディ(黒人)に別れるからか?

歌い出しが3分ピタリなのも怪しい。


もう長くなるのでやめよう。


まとめ

この曲はやはり軽いノリで扱ってはならなかったと反省。

数ヶ月かかってしまった。

フレディの詩の力作の最後の作品だと思う。

ここからロックンロールな路線のクイーンはなくなり、ロックはブライアンとロジャーに任せ、

次作アルバム「イニュエンド」の自身の曲は、スタイルにとらわれず、心のおもむくままに作詞作曲したと思われる(デライラ、狂気への序曲、Don't Try So Hardやさらに次作のWinter's Taleなど)。

いい意味で力が抜けた。


この曲は最後のクイーン(フレディ存命中の)の締めくくりの曲と言えると思う。

Queen - Was It All Worth It (Official Lyric Video)


和訳


Was It All Worth It
Written by QUEEN 

What is there left for me to do in this life,
Did I achieve what I had set in my sights,
Am I a happy man, or is this sinking sand,
Was it all worth it, was it all worth it,
Yeah, now hear my story, let me tell you about it,
We bought a drum kit, blew my own trumpet,
Played the circuit, thought we were perfect,
Was it all worth it, giving all my heart and soul and
Staying up all night, was it all worth it,
Living breathing rock 'n' roll, a godforsaken life,
Was it all worth it, was it all worth it all these years,
Put down our money, without counting the cost,
It didn't matter if we won - if we lost,
Yes we were vicious, yes we could kill,
Yes we were hungry, yes we were brill,
We served a purpose, like a bloody circus,
We were so dandy we love you madly,
Was it all worth it, was it all worth it,
Living breathing rock 'n' roll, this godforsaken life,
Was it all worth it, was it all worth it
When the hurly burly's done-
We went to Bali, saw God and Dali,
So mystic, surrealistic,
Was it all worth it, giving all my heart and soul,
Staying up all night, was it all worth it,
Living breathing rock 'n' roll this never ending fight,
Was it all worth it, was it all worth it,
Yes, it was a worthwhile experience, 
It was worth it.

1、
私に何が残っているのか、
この人生でやるべきことは?
(ゴールに)設定したものを達成したのか?

私は幸せな男(ひと)なのか?
それとも、これ(幸せに見える周りの環境)は(実は)沈みゆく砂(Sinking Sand)なのか?

それらはすべてそれだけの価値があったのか?
それらはすべてそれだけの価値があったのか? 

さぁ、私のストーリー(話)を聞いてくれ
それについてぜひ話させてくれないか

私たちはドラム・セットを買いました
(各々が)自分のトランペットを吹きました (自惚れた:イギリス的)
サーキット(円形場or巡行ツアー)でプレイ(演奏)した
「オレたちは完璧だ」と思いながら

[コーラス]
それはすべてそれだけの価値があったのか?
心(ハート)と魂(ソウル)、私のすべてを捧げて、
そして、オール(・ナイト:徹夜)して。
それはすべてそれだけの価値があったのか?
生きた、呼吸してた、ロックン・ロール生活を、
神に見捨てられたような生活を
それはすべてそれだけの価値があったのか?
それはすべてそれだけの価値があったのか?
この20年・・・

2、
私たちのお金をペイしました コスト(莫大な)を計算せずに
勝ち負けは私たちには関係なかった
はい、私たちは獰猛でした
はい、私たちは(観客を)「殺す」ことができました
はい、私たちはハングリー(貪欲)でした
はい、私たちは最高でした、HAHAHA

(間奏)

私たちは(みなさんの)目的を果たしました
血まみれの(素晴らしい:イギリス的)サーカスのように
私たちはとてもダンディでした
私たちはあなた(達)を狂おしいほど愛しています

それはすべてそれだけの価値があったのか?
ロックンロールな、神に見捨てられた人生を呼吸して
それはすべてそれだけの価値があったのか?
それはすべてそれだけの価値があったのか?
この大騒ぎ(ハリー・バリー)が終わった後も・・・(そう言い切れるのか?)

3、

私たちはバリー(インドネシアの島)に行きました
神と(サルバドール・)ダリーを目の当たりにした
とても神秘的で
超・現実主義的(シュル・レアリズム)

それはすべてそれだけの価値があったのか?
全身全霊をかけ、一晩中起きて
それはすべてそれだけの価値があったのか?
生きた、呼吸したロックンロール・ライフを、
この決して終わらない(ネバー・エンディング)戦いの日々を

それはすべてそれだけの価値があったのか?
それはすべてそれだけの価値があったのか?

あぁ、それは価値のある経験だった、はははは

それだけの価値があったぞ!


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