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パリ・オリンピックを見てクイーンをおもいだした

はじめに

パリ・オリンピックの開会式は日本時間の真夜中に行われ、朝起きてハイライトを見た。

たくさんのハリウッドセレブや大富豪たちもおとずれたという。


なんと最初にガガ様が。

そして、バスティーユ牢獄のような建造物の中にマリー=アントワネットが現れ、坂本眞一氏のイノサンのような美しくもグロテスクな演出。フランスの国歌かル・マルセイエーズ?の歌詞は実際に血なまぐさいので、フランスの子供たちは慣れているのか?
どうか心の傷になりませんように。

走るパンキッシュなペガサスに騎士の演出や、

雨の中のセーヌ川のクルーズ船に

アメリカのテニス、セリーヌウィリアムズやカールルイス?やフェデラー?など4人のオリンピックレジェンドたち。

聖火ランナーたちは多すぎてもう誰だかわからない。

日本製のトーチは雨の中消えないでいてよかった。

最後の聖火台に火をつける役は、柔道と何かの選手は有色人種。


注目のシンガーは、サプライズだったが、世界的歌姫セリーヌ・ディオン。

カナダ出身だが、フランス語圏で、フレディもよく引用するエディット・ピアフの歌唱で有名な「愛の賛歌」を熱唱。あなた―の燃える手で、私を抱きしめて・・・

主人をなくし、闘病後(中?)とは思えぬパワフルさだ。


野外の開会式はオリンピック初だが、

その聖火台は、史上初の「浮く」演出。

なんと「気球」。


気球の謎

最近、NHK教育の番組「世界サブカルチャー史」のサイバーパンク編においてちょうどそのことについて論じられていたのでまとめる。


この気球は、1783年フランスで、世界で初めての熱気球での有人飛行の成功が反映されているらしい。

そして、SFの父ともいわれるフランスのジュール・ヴェルヌは「月世界旅行(1865-70)」を発表する。ヴェルヌは同じく気球で旅する「80日間世界一周」や「海底二万マイル」「15少年漂流記」などの作者。

バック・トゥ・ザ・フューチャーの科学者ドクも、ヴェルヌが縁で、3において、西部開拓時代の彼女と結婚する。


1902年には、ジョルジュ・メリエス監督が、ヴェルヌの原作を元のひとつに「月世界旅行」という映画を作る。宇宙船が月の目に突き刺さるシーンでよく知られている(顔はメリエス自身だという)。

アメリカでの「映画」自体の発明から7年後。映画を見るや、メリエスはリュミエール兄弟にカメラを要求したらしい。

「SF」というものが、いかに「映画」と結びついているかを示すという。


2011年公開の「ヒューゴの不思議な発明(HUGO)」という子供むけ映画があるが、マーティン・スコセッシ監督作。

スコセッシといえばハリウッドの著名な監督だが、イタリア・マフィアの描写の多い映画が有名(タクシードライバー、ギャングオブNYなど)。NYのイタリア移民出身だそうだ。

2000年以降のスコセッシ映画の製作に名を連ねているのが、グレアム・キング

キング氏はイギリス人。
何が関わっているのかわからないが、たしか、「キミ、クイーンのファンだったよね?」といわれて映画に呼ばれたらしい。

2010年のブライアンのインタビューの時点で、キング氏がボヘミアン・ラプソディの製作に関わる案が出されており、ブライアン・シンガー監督の降板後も映画を支えたという。


ヒューゴの映画は1930年代のパリのモンパルナス駅が舞台。

パパ・ジョルジュが出てきたり、オートマータが出てきたり、最後にはメリエス監督の「月世界旅行」が出てきて、フィナーレだったような。


クイーンファンならご存じかも、ロジャー作詞の「ヘヴン・フォー・エヴリワン」のMV(クイーン・バージョン)でもこの映像がつかわれている。(いつこの映像がつけられたのだろう??)


キング氏がクイーンファンだということ、SF映画の祖メリエスの月世界旅行と、SFの祖ジュールヴェルヌと、SFを生んだイギリスの産業革命。

そこには、18世紀後半以降、パリとイギリス、ひいてはイギリス人が移ったアメリカを結ぶきずなが見て取れるようだ。

パリは王政を否定し、アメリカも。

映画(映像)と音楽とテクノロジー。

現在・過去・未来のようだ。


とにかく、オリンピック開会式史上初の、
空飛ぶ熱気球の聖火台。


そこには、SFの始まりと宇宙への未来があるのかもしれない。


頭がごちゃごちゃになったので整理する。


年表

1783:仏で熱気球有人飛行成功

1865-70:仏でジュール・ベルヌ「月世界旅行」執筆
1895:アメリカで初の映画開発
1902:フランスでジョルジュ・メリエス監督の映画「月世界旅行」公開

1973:英でクイーンがデビュー
1986-87:ヘヴン・フォー・エヴリワン録音(1985映画「ハイランダー」に間に合わず)
1991:フレディ(45)亡くなる
1992:バルセロナ・オリンピック
1995:クイーンの新アルバム「メイド・イン・ヘヴン」先行シングル「ヘヴン・フォー・エヴリワン」
2010:ブライアン・メイが映画「ボラプ」にグレアム・キングが関わることを明かす
2011:映画「ヒューゴ」(米スコセッシ監督、製作は英グレアム・キング、舞台はパリ)公開
2018:「ボヘミアンラプソディ」完成・公開(ブライアン・シンガー監督、製作キング)


とにかく私の頭ではヘヴンフォー・・・が流れ続けている。

ロジャーの歌詞では息子や娘に対する温かい目線と、優しく歌う子供のいないフレディの歌声。

愛、次世代の平和への願い、弱者の悲しみと怒り。


オリンピックについて

オリンピックの理念も素晴らしい。

平和の祭典だ。


しかし、なかには採点・判定などで哀しい思いをした選手もいると思う。

メダルの数なんてどうでもいい。

4年に一度しかないものなんだから。


複雑な思いでTVを見ながら、繰り返される歴史という点に着目したい。

Another hero, another mindless crime
Behind the curtain, in the pantomime
Hold the line, does anybody want to take it anymore

"The Show Must Go On" by QUEEN

また新たに、「オータニ」のようなヒーローが現れたニュース
一方で、また一つ、心も凍る「犯罪」が行われている
舞台のカーテンの裏側で、声もないパントマイムの演技の下で
(いったい何が起こっているか知っているのか?)。
このままを続ける?
誰がこれ以上引き継ぎたいものか...

「(それでも)ショーは行わなければならない」


ご存じ「The Show Must Go On(ショー・マスト・ゴー・オン)」の一説だ。

ショー(舞台、幕、式典、人生)は、心は悲しくても笑顔を張り付けて行われる。

後世の人のために。


パリはとてもセンスが良く、東京オリンピックの引継ぎの時からもうかっこよさは群を抜いていた。


世界中からセレブが見に来て、歴史の証人となろうとしている。

多額のお金も動くだろう。


そこには権力も。


歴史に目をそらさずに。

戦前から日本人の悲願である体格差も、

一国民としての責任からも

自由になるといいのに。


判定などに不満があるときもあるが、

応援など、パリが日本びいきなのもなんとなく感じられた。

少しずつ歴史は変わっていく。


歴史の証人となりつつ、

記憶とともに

私も何か表現して残していければいいと思う。


とはいえ、まだまだ楽しみも残るオリンピック。


気球や演出、会場などを見て、クイーンやヨーロッパの歴史、人生ドラマなど、
いろんなことを思うのでした。


お読みいただきありがとうございました。


参考資料:

Queen - Heaven For Everyone (Official Video)


Celine Dion - The Show Must Go On (Queen Cover) (Billboard Music Awards, May 2016)


Lyrics:
Empty spaces, what are we living for? Abandoned places, I guess we know the score, on and on
Does anybody know what we are looking for? Another hero, another mindless crime
Behind the curtain, in the pantomime
Hold the line
Does anybody want to take it anymore?

The show must go on
The show must go on,
yeah Inside my heart is breaking
My makeup may be flaking
But my smile, still, stays on

Whatever happens,
I'll leave it all to chance
Another heartache,
another failed romance, on and on
Does anybody know what we are living for?
I guess I'm learning
I must be warmer now
I'll soon be turning, round the corner now
Outside the dawn is breaking
But inside in the dark I'm aching to be free

The show must go on The show must go on Inside my heart is breaking My makeup may be flaking But my smile, still, stays on

My soul is painted like the wings of butterflies
Fairy tales of yesterday, grow but never die
I can fly, my friends

The show must go on The show must go on

I'll face it with a grin
I'm never giving in
On with the show

I'll top the bill
I'll overkill
I have to find the will to carry on
On with the show
Show
Show must go on

(Queen)

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