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元気じゃなくても、出来ること

6月、私は生きている事だけで精一杯だった。

息子の具合が悪くなり、私の具合も悪くなり、仕事をしている場合ではなくなり、家事も儘ならず、ただ生きる事に徹していた。

身体的にも、物理的にも、身動きが取れない状態に陥って初めて、生きている事だけに集中出来るのだと知った。

健康で健全な日常を送っている時には、考えるに足らないどうでも良い事にエネルギーを費やしてみたり、無駄な消費や行動を試みて、自己嫌悪に陥ったりしているが、動けない身体を何とか動かしていると、そんな無駄が削ぎ落とされて、ある意味理想的な生活が送れたりする。

最低限の事しか出来ないし、それ以外の欲なんて何処かへ姿を隠してしまう。

生きるために食べて、生きるために眠り、息子の世話をする為に鎮痛剤を飲む毎日。

結果2Kg体重が減った。

正確には筋肉量が落ちた。

寝たきり生活1ヶ月で、これまでの貯筋がゼロになった。

身体の中の何かが足りなくて、フラフラしている。

一回り小さくなった自分の姿にプーケットで寝ていた貧素な野良犬を重ねる。

息子の熱は上がったり下がったりを繰り返して、咳もタンが絡んで終わりのない道を進んでいる。

ただの風邪に一家全滅。

引きこもりすぎて、頑張り方を忘れてしまった感じ。

頭が痛い、歯が痛い、足が痛い、お腹が痛い、息子から浴びせられる痛みのオンパレード。

元気は何処へ行けば手に入りますか?

色んなものを失った後に、猛烈な暑さが襲いかかってきて、更に家から出ない日々が続く。

このまま夏休み突入か、、、。

このまま秋まで引き籠もるか、、、。

不必要なやるべきことは排除して、生きるために無用な筋肉は削ぎ落とされ、段々と『生きる』に必要な物だけになっていくのだな。

欲も楽しみも、やる気も好奇心も全て健康の上に成り立っている。

元気が無くても、病気になっても、やりたいと思うことは、きっと死ぬまで続けられる事だろう。






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