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留学で英語はどれぐらい伸びる?留学前の英語力は?留学の期間は?

この質問、よく聞かれます。
私がこれまで日本とカナダでの英語指導と留学アドバイザーをしてきた中で
体感からの平均をお伝えします。
(あくまで私個人の所感であり、個人差もあるという前提でお読みください。)


留学前の英語力は?

★高校留学時(高1〜2):英検3級〜準2級レベル

高校留学をする生徒でカナダで卒業予定の場合、高校一年生の夏に来る子がほとんどです。
(こちらの学校は9月スタート)
カナダの高校入学時の英語力は、日本の学校で中3まで勉強しているので、
英検は大体3級ぐらい。(できる子は2級を持っていることもあります。)

「留学するぐらいだから、かなりの英語力だろう」と思われるかも知れないけれど、実際は、全くそうではありません。
むしろ、学校での英語の評定は3(5段階評価)もかなりいます。

私は最初、「こんな英語力で現地の高校でやってけるのか?」と驚きました。
文法知識も、びっくりするぐらい、中途半端。
高1だった頃の自分の方がよっぽど英語できたな〜。(ボソ)

もちろん、文法は中学3年までに習った内容はほぼ身についているのが理想です。
その後の伸びや苦労が全く違ってくるので。

ちなみに現地の高校では、留学生はネイティブの高校生と同じ国語(英語: English 10)を最初から受けるわけではなく、
入学前に英語テストを受け、「留学生向け英語(ELL)」クラス(レベルは4段階)に入れられます。
ELLの一番上のクラスをパス(修了)すると、次の学期ではEnglish 10が受けられます。
日本から来た子はだいたい下から2-3つ目のクラスに振り分けられますね。
(英語が得意で最初からEnglish 10を履修できる子もいますが、少ないです。)

★大学留学時:英検2級、準1級, TOEFL iBT 60-70

日本の大学から海外の大学に1年留学する場合です。

日本で普通に英語を学んでおり、英語レッスンなどを受けている場合は英検準1級を持っていることもありますね。
大学受験の際に英検準1級保持で優遇されたりもします。
そこからの留学となるので、上記ぐらいかと。

TOEFLについては、私の母校の交換留学の条件にTOEFL 70以上というのがあったと思います。
留学先の大学により必要スコアは違いますが、70点台だと名門と言われる大学に留学できます。
(余談:私はスペイン留学だったので、そういうのはありませんでした)
TOEICはビジネス英語なので、留学するならTOEFLやIELTS(アカデミック)のスコアが基準になります。

帰国時の英語力は?

★高校1年間の留学の場合:英検2級

高校1年や2年で来て、1年後に帰る場合。
英語で授業をうけ、友達やホストファミリーと普段から英語で話し、
英語環境で過ごしたら、リスニングとスピーキングの力がつきます。
相手の言っていることは大体わかるし、受け答えもできるようになる。
発音も良くなっていますね。

とはいえ、ボキャブラリはまだまだです。高校2−3年ぐらいのレベルで、
日本の生徒とあまり変わらないと思います。
留学終了時に英検準1級が受かったら“Great” 「がんばったね!!」レベル。
でも難しいのが現実です。
文法についても、日本でしっかり学んでいる子の方が網羅できているかも知れません。

特に留学時の日本の高校で英語の評定が3-4の子は、帰国時に英語力を比べた時も日本で英語が得意な子の方がまだ上。

手前味噌で恐縮ですが、私が高3の時も、1年の海外留学から帰ってきた子と同じクラスになりましたが、英語のレベルは自分とあまり変わらないか、自分の方が上だと思いました。
私の高校時代の英語レベルはというと、高2で英検2級取得、受験でのセンター入試英語は196/200点満点。留学経験は一切ナシです。

このように、1年の留学では、日本で学ぶ子と比べ、突出するほど伸びるわけではありません。
帰国後、特に英語を続ける意識をしなければ、将来的に差はほぼありません。

一方で、留学の目的は、語学だけではありませんよね。
国際色豊かなクラスメイトや友達を過ごし、日本と異なる文化と価値観に触れるのは
日本では得難い経験だし、1年留学の目的としても十分だと思います。

★高校卒業留学(3年間)の場合:
英検準1級(2級), TOEFL iBT80-100, TOEIC 600-800点台,
IELTS 5.0-6.5

「えっ、3年間いて、これだけ?」と思われるかもしれません。
正直、2〜3年の留学の場合は、どこまで伸びるか、本当にピンキリです。
優秀な子は本当に伸びるし、「本当に3年もいたの??」という子も。

元々の英語力、頭の良さ、普段の過ごし方(人間関係、英語にどれだけ浸っているか)、高校で履修する授業、勉強時間、努力の度合い(意識)などで、
大差が出ます。

私が教えていた生徒の具体例を挙げると、留学開始の頃に英検準2級ぐらいで、
高校を卒業する時にはTOEFL iBTは98点でした。
とても努力家で、学校の成績も最終学年の履修教科は全て90%(100%満点。オールA)、名門UBC(ブリティッシュコロンビア大学)に合格しています。
(ちなみにUBCは、その生徒の学部の場合、 TOEFL iBTは82点が足切りライン)

日本のMARCHやそれ以上の難関を目指す場合、また海外大学に進学するなら、
提出スコアとしてはTOEFL iBT 100点以上、IELTS 6.5以上を目指します。
(英語の資格テストはそれぞれ主旨と領域が異なるため、単純に英語力を比較することはできませんが。)

実践レベルについては、卒業する頃には、英語スキルが必要とされるような、いわゆる文系科目を受けてエッセイのライティングやプレゼンも経験しているので、
日本の英語専攻の大学生3-4年ぐらいでしょうか。

そういえばスポーツに打ち込み勉強はからっきし努力しない生徒がいましたが、
彼は部活でネイティブと接していたので、卒業時のTOEICのリスニングは満点でしたね。
 
3年高校に通えば、オーラルのリスニングやスピーキングの基盤ができ、
日本でもこの2つは、周りより抜きん出るのではないかな。
また、アウトプットに比較的強く、ライティングの表現力もつきます。
別の言い方をすれば、これが日本で英語を勉強している人がなかなか敵わないところで、
卒業(3年)留学のメリットと言えます。

大量の英文に慣れており、英文のテキストも(知らない単語があっても)割と抵抗なく読めるはず。
将来、英語で仕事したり、武器にしたいなら、実現の可能性は高いと思います。
日本で英語の成績が3だった子も、日本にいるよりは伸びるでしょう。返り咲きの確率は高いです。(ただし、やはり例外もあります。)

★大学での1年留学

英語関連を専攻する日本の大学生が海外の大学に交換留学した場合、
1年後の英語力はTOEIC 800点台、英検は準1級。
大学院への1年留学後は、TOEIC 900点台いけるかも。

どういう人が、どの期間で留学するのがオススメ?
(留学のメリット)

★高校2-3年間の留学に向いている人:
英語圏の大学に進学したい、将来は海外で英語メインで働きたい、日本の難関大学にAO入試や帰国生枠で有利に受験したい 

海外(英語圏)の大学への進学(卒業)を希望するなら、現地の高校留学・卒業をしないとついていけません。1年生から来ましょう。
仕事は将来、海外でやりたい、という人も。(ワーホリは大丈夫)

英語を武器にしたいのであれば、最低でも2年は必要。
(ただし2年で結果を出すにはかなり猛勉強が必要)

また、慶應大や早稲田、上智などの有名私立大学、一部の国公立大学では、2年以上の留学経験+卒業すると、一般入試ではなく、AO入試、帰国生枠の入試が受けられます。
受験科目も、小論文と英語テストだけ、など一般入試よりはるかに少ないです。
理数系が苦手だったりする人には有利ですよね。
ただし、3年留学すれば簡単に行けるわけではなく、現地高校でのそれなりのコース履修と成績、英語力(TOEFL/IELTS スコア)は必要です。
ただぶっちゃけ、一般入試なら到底、手が届かないと思われる私立大にAOや帰国生枠の入試で合格している留学生は割といます。

★高校・大学1年間の留学に向いている人:
異文化体験をしたい、英語が好き、英語を実践してみたい、大学の推薦入試枠で選抜されたい

多くの人は、経済的にも1年留学が多いと思います。
語学力の向上という点では、1年では完成はしませんが
「留学というものをしてみたい」「海外で過ごしたい」と思うのなら、
1年でも全く無駄ではありません。

留学が「英語がもっと上手くなりたい!」と思うきっかけとなり、
磨きつづければ本当の武器にはできます。
いずれにせよ、どんな言語にしても、1年留学での目標は、語学をマスターするというよりも、異文化の中で暮らす経験が、かけがえのない思い出作り、成長の機会となります。

あ、高校生の場合、日本の高校で良い成績を収めていれば、外国語系の私立大学の推薦入試で選ばれやすいかと。
(入試に関する情報は、各学校や大学に直接お問い合わせください)

留学すると、日本に住むよりも確実に苦労します。笑
大変なこと、楽しいこと、どれも貴重な経験になることと思います。
特に北米の人たちは、「自分は自分(あなたはあなた)」と思っているので
日本より周りを気にせず自分らしく振る舞えるという人もいます。自由度は高いですよ。

最後に。。

英語力をつけるのに、留学は必須ではないとも強調しておきます。
「留学しないと語学で身を立てることができない」というのは、
特に英語に限っては、当てはまらないと思います。
何事も100%はないし、全て自分次第。
(また、それを応援するのが私の仕事でもあります。)

Where there is a will, there is a way. (意志あるところに道あり)
です。

それから、もし留学するなら、来る前に、文法はおさらいしておくと良いですよ。
基盤ができているので、こちらでの苦労が減り、実践力が高まると思います。

上記は全て私個人の知見に基づくため、これが全てではないと思いますが、
参考になれば幸いです!

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