砂上の法廷2

「砂上の法廷」

原題:The Whole Truth
監督:コートニー・ハント
製作国:アメリカ
製作年・上映時間:2016年 94min
キャスト:キアヌ・リーヴス、レネィー・ゼルウィガー、ガブリエル・バッソ

 製作国を問わずキャステイングを見ただけで犯人、あらすじ等が解ることがある。反対に俳優が持つ公約数的印象を逆手に取ることも同じようにある。
 冒頭、法廷で静かにというより悩み肩を落とし一人座っているキアヌのシーンから始まる。実はこのシーンで映画は全て語られていた。どこまでもタフな人物が居る一方、内とは違う演じることのギャップを苦しむ人物も居る。この映画の彼は後者だ。映画評の中にはR・ゼルウィガーが熱演とあったが寧ろ息子役G・バッソの方が台詞の少なさに関係なく弁護士役キアヌの十分に張り合っていた。台詞が少ない分、小さな所作もよく見て欲しいところ。
 物的証拠を積み上げていく映画ではない。アメリカ法廷の元の色に関係なく「黒でも白」と弁護することに釈然としない派にはこの手の映画に面白さを見出すことは難しいだろう。「嘘」をキーワードに展開する。
 2014年の「ジョン・ウィック」、キアヌの為に用意されたような映画でキアヌ全開だった。この映画と比較すると静と動になる。「砂上の法廷」キアヌだから演じられた弁護士に見えこれはこれでありだと納得。
 最近では珍しく94分とコンパクトにまとまった作品、一切無駄はない。寧ろ観客が勝手に想像し埋めていく空間の差が最後清算される。
 *UPの写真はキアヌが好きな人には好きな人には伝わる一枚。privateでもバイク好きな彼が、バイクで法廷へ向かうシーン。
★★★☆
 

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