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インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第5回 イーディス・ネズビット『砂の妖精』

【久保田早紀 - 異邦人】

おねがいゴルシどん!

 インリン「この本は英国児童文学ね」
 アーモンドアイ「はい、日本のTVアニメ『おねがいサミアどん』の原作になった小説で、英国の作家イーディス・ネズビットさんの代表作『砂の妖精』(福音館文庫)です」
 インリン「主人公の兄弟姉妹たちはネズビットさんの子供たちと同じく、男の子3人に女の子2人ね」
 アモアイ「英語圏なので、『お兄ちゃん』『お姉ちゃん』という呼び方はしませんので、読んでいるうちに兄弟姉妹たちの年齢順が分かりにくくなりますね」
 インリン「末っ子はほぼ赤ちゃんなので、実質的に兄2人と姉2人が主人公だけど、何だか『ドラえもん』の原点みたいな教訓的な話だと思う」
 アモアイ「うーん、『ドラえもん』を通り越して『笑ゥせぇるすまん』みたいな話だと評価する人までいます。ましてや、タイトルにある砂の妖精であるサミアドの名前の由来が堕天使シェミハザらしいというのが意外です」
 インリン「ただより高いものはない?」
 アモアイ「…確かに、サミアドさんが重大な見返りを求めないのは、かえって不気味ですね」
 インリン「最後に兄弟姉妹たちが資本主義的な私利私欲に基づかない願い事をするのが良いね」
 アモアイ「確かにのび太君は私利私欲系の願い事が多いですけど、それなりの報いを受けていますね」
 インリン「そういえば、ドラえもんの道具はだいたい危険だけど、どんな薬でも劇薬になり得るというものなんだ」
 アモアイ「それは人間社会における様々なイデオロギーにも言えますね」

【中森明菜 - SAND BEIGE -砂漠へ-】




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