元ギフテッドによる自助研究①ADHD・ASD特性について

私は軽度ADHD・ASDあり、睡眠障害あり、心理的虐待による複雑性PTSDに悩まされながら必死で生き抜いてきた元ギフテッド、現研修医である。

生きづらさをマイナス属性と捉えることもできるけれど、同じ生きづらさを抱えて生きている人はこの社会に確かに存在する。
その助けになると考えたら生きづらさは原石でもあるのではないか。
私の生きづらさを、原石の詰め合わせからきらきら輝く宝石箱にできるように日々を積み上げてゆきたい。

これまで行ってきた自己対処を数回に分けてまとめます。
今回はADHD特性、ASD特性について。



ADHD特性(不注意優位型)の対処

学生時代

・忘れ物をする→宿題は全て学校で済ませて、教科書、ノート類は全て置いて帰る

・授業に集中できない→授業はスローペースすぎて集中できず気が散る。集中できない上、気が散る原因が固定化されていないから集中できないのであって、それならほどよく気が散るコントロール可能な課題を自分で与えれば良い。
授業を聞きながら宿題をするとほどよく両方に集中することができる。

・学期の終わりに計画的にものを持って帰れず最終日に地獄を見る→どうしようもないので最終日キャリーケースを家から持ってきて力技で全部持って帰る

・夏休みの宿題で面倒なものだけ後回しにする→後回ししてしまうことを逆に利用し、「みんながどんな自由研究をしているかを研究しました」などをテーマにする

・お箸をよく忘れる→ロッカーに割り箸を大量に備蓄しておき、「みんなのお箸倉庫」として運用

社会人時代

・鍵やスマホを忘れる→通勤カバンの取手に鍵・定期・職員証を一体化させたパスケースをくくりつけておく。鍵の定位置を通勤カバンの中にする。スマホは目覚めた瞬間通勤カバンに放り込む(それでも2週に1度は忘れる)

・提出書類を忘れる→後回しにすると忘れるので手元に渡った瞬間にやる

・まんべんなくスクリーニングすべきところを見落とす→必ずチェックすべきルーティン項目、場合に応じてチェックすべき項目をリスト化し、そのリストを見ながらスクリーニングする

・ポストに手紙を投函するのを忘れる→スマホのロック画面にToDoを貼り付けておき、意識する回数を増やす。(なおそれでもよく忘れる)

・食品や洗剤のストック数がわからない→消耗品は全て在庫数がよく見える形で保管。中身が見えない引き出しは道具収納にのみ使う。

・朝、なにをすればいいのかわからず起きられない→モーニングルーティンを洗い出し、ルーチンタイマーで読み上げてもらう

・朝、体が動かず起きられない→YouTubeで「布団の中 ヨガ」で検索。ヨガで体を温める

・後片付けが嫌いだから片付けられない→なるべく片付けずにすむ仕組みを作る。くっつかないホイルや食洗機など。

・定位置不定だから片付けられない→モノを買う時にどこを定位置にするかまで考えてから買う。生活動線に沿った定位置を考える。

・集合予定時刻に家を出がち→まず無理なスケジュールを立てない。次に、休日は家事を含めると家を出る準備に70分程度かかるので、それを含めルーチンタイマーで逐一指示してもらう。

・夜、時間が無限にあるような気がしてだらだらしてしまう→「寝よう」と思って寝る準備に取り掛かってから実際に眠るまでに2時間かかることを理解する。寝るまでに残されているのが実質何時間であるのかを正しく把握する。

ASD特性の対処

学生時代

・冗談にむきになる→わかりにくい冗談を言うタイプの子とつきあわない。心許せる友になりそうな人がいないなら、とにかく将来に備えて粛々と勉強、読書。

・嫌いな教科はやる気が出ない→嫌いなことに取り組むには活性化エネルギーが必要。
嫌な教科に取り組むのは、嬉しいことがあった、あるいは怒りで心が煮えたぎっている時にする。

社会人時代

・目的のある会話は支障なくできるが、雑談が苦手→雑談の目的は情報収集ではなく、「言語を介したヒト-ヒト間の毛繕い」であることを理解する。

・雑談における正しい応答→相手の会話から想起された己の体験をすぐに話してしまいがちだがそれは不正解。意識的に自分の思考を相手の話した体験に限定させ、それ単体に対しての相手の感情の予測と、自分の感情の動きを伝える。己の体験の話をするならその後。

・電話でパニックになる→電話をかける際、受ける際の第一声を定型分として暗記すると落ち着いて応答できる。

・聴覚過敏→防音性の高い家に住む。それが叶わない場合、ホワイトノイズとして激しめの音楽を流す+ノイズキャンセリングイヤホン

・触覚過敏→4度刻みくらいで気温に対応できるよう、気温ベースで服をたくさん持っている。服を買う前に必ず試着し、タグがチクチクしないかなど確認。

・味覚過敏→これは私の場合必ずしもマイナスに働くわけではなく、レストランで食べた美味しいものの味の成分を分析して(和音を分析して構成要素の単音を把握するようなもの。これは鰹出汁と昆布出汁をベースに鶏ガラを加えたな、など)自宅で再現したりするのに役立っている

・「やる意味ある?」と思うとやる気がなくなり、パフォーマンスが低下する→行動の成果がわかりやすい仕事をする。医療とか、福祉とか。


次回、睡眠障害と心理的虐待に続きます

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