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働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる

初投稿にて投稿する本は、
「働き方2.0 VS 4.0 不条理な社会人人生から自由になれる」です!

社会人二年目になる恩師から紹介された「働き方」に関する一冊。
学生のうちに出会えてよかったなと思える本でした!

働き方1.0~5.0

まず、この本で定義されている働き方は以下の通りです。

働き方1.0「年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行」
働き方2.0「成果主義に基づいたグローバルスタンダード」
働き方3.0「プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型」
働き方4.0「フリーエージェント(ギグエコノミー)」
働き方5.0「機会がすべての仕事を行うユートピア/ディストピア」

日本的慣行(笑)。私たちはまだ働き方1.0に縛られているのに、働き方5.0まで定義されているなんて…。

(私には世界と日本を比較できるほどの知識を持ち合わせていないので、働き方3.0や4.0といったワードにピンときませんでした。)

ただ、何となく働き方5.0が進んでいて、日本は遅れているのだと…そのくらいで読み始めました。

この本の面白さは、日本の働き方ってどうなっていくの?を考える手掛かりとなる、日本特有の働き方ができた仕組みや、欧米の働き方との比較を数字や実例を交えながら説明してくれている点です。

日本型雇用慣行と働き方改革

働き方1.0は人生100年時代に差し掛かった現代において限界を迎えようとしています。それは働き方1.0が人生70~80年時代用に作られた制度だからです。そして、日本ではこの働き方を変えるべく、働き方改革が打ち出されました。
(働き方改革って実際にどうなっているのか詳しく知らなかったので勉強になりました。)

働き方改革は働き方1.0から2.0へ押し上げるための政策で、以下の目的が発表されています。

「働く人々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようになる」

2019年 厚生労働省

そもそも働き方改革とは、深刻な労働不足を危惧して打ち立てられ、「長時間労働の改善」「非正規と正社員の格差改善」「高齢者の就労促進」を課題にしていますが、2020年のアンケート報告では56%の人が「変化を感じられない」と答え、25%の人が「どちらかというと悪い変化があった」と答える結果になっています。

働き方改革は、働き方1.0から2.0へ押し上げる改革にも関わらず、あまり効果がみられていない理由は、働き方1.0から抜けられないシステムが日本に根付いているからです。

本書ではそれを「戸籍」制度から説明しています。
実は戸籍制度は世界で唯一の制度なのだそうです。知らなかった…。

戸籍とは一言で言うと、私たちを「イエ」単位で管理する制度であり、この制度の恩恵を受けるのは「イエ」単位で生活する人たちです。

例えば、サラリーマンの夫と専業主婦の妻がいるとします。
妻は働いていないため、年金保険料を払わないにも関わらず、夫の世帯扶養者として年金を受け取ることができるわけです。

一見、ありがたい制度に思いますが、この妻の年金は働いている人たちがまかなうことを考えると、独身者や共働き世帯にしわ寄せがいくことがわかります。

一億総活躍社会を目指す改革も、働かなくてもお金がもらえる社会では難しいかもしれません。安倍政権はこれを改善しようと試みたようですが、中年の今の制度を変えられたら困るおじさんたちの反発によって挫折したようです。

スウェーデンでは、社会保障を世帯単位で行っていたものを、個人単位で切り替えたところ、女性の就業率は上がったそうです。

日本でも年金などの社会保障を個人単位で管理することで女性の働き方は変わるかもしれませんが、その前に女性の社会進出を拒む今の制度の恩恵を受けているおじさんたちがいるようではまだまだ先の話になりそうです。

また、働き方改革の目玉である「同一労働同一賃金」の原則が日本型雇用では適用されていないことが問題だと橘さんは指摘します。

同一労働同一賃金とは、正規と非正規の格差を是正しよう!というものだと認識していますが、これを完全に成り立たせるには企業の正社員に対する福利厚生をなくす必要があります。残業代も非正規に払わないのであれば正規にも払われません。実際に、「ネオリベラル型」の北欧の国々では日本で見られる福利厚生は一切なく、退職金もないそうです。ですが、これが「リベラル」な社会なのです。

しかし、福利厚生にあやかって生きてきた人たちがたくさんいるわけですから、いきなり福利厚生や退職金はなしだ!自己責任で何とかしろ!と言われるのを嫌がる人が多くいるのは明らかで、改革は進まないようです。

ただ、本書でも強調していますが、日本型雇用形態は、55歳で退職して、10~15年の余年をのんびりすごすために作られたものです。人生100年時代と呼ばれている現代において、この形態が通用しないのは誰でも予想ができます。

最先端の働き方「ギグ」

先進国で主流となっている働き方とは、「組織に所属しない働き方」であり、このような働き方は「ギグ(Gig)」と呼ばれています。働き方4.0です。

ギグが成り立つのは、企業と雇用者にメリットがあるからです。

企業にとって、雇用者の福利厚生を支払わなくていいので人件費削減になりますし、急激に変化する市場に合わせて適切な人員を都度拡充することが可能です。

雇用者にとっては、自らのスキルや関心に合わせて仕事を選択することができ、正当な評価を受けることができるので仕事に対する満足感が上がるといった仕組みです。

もちろんギグ化した世界では、自分の評価がすべてになるので、企業に入っていれば勝手に仕事が下りてくるということはありません。そのような世界では自分の評価がすべてであり、想像するだけで生きづらいと感じてしまいます。

ただ、世界の潮流は、スキルを所持した労働者が欲しい企業と、自分のスキルを活かしたい労働者が増えているようで、この流れは続くようです。

ギグ化が日本で浸透するのはまだまだ先のことだとはいえ、この先どのような働き方をしていけばいいのか…。半ば絶望しながら読み進めていましたが、この答えは簡単でした。

「ずっと働き続ければいいじゃん()

これからの働き方

「長く働く、ずっと働く」

4章 「未来世界」で生き延びる方法

人生100年時代では65歳で退職したとしても、残り35年あります。

平均年金受給額が月14万円というデータがありますが、1か月の生活費を20万円だとすると、年金で足りない分が月に6万円で6万×35年≒2000万円となります。これが俗に言われる「老後2000万円問題」です。

しかし、もし病気にでもかかったのなら貯金は一気に底をつきそうです。

この問題への不安を払しょくするには、資産を増やすことが必要ですが、本書では以下を取り上げています。

➀人的資本を大きくする
➁人的資本を長く運用する
③世帯内の人的資本を増やす

4章 「未来世界」で生き延びる方法

分かりやすく言うと、
「自己啓発で市場価値を高める」
「生涯現役で活躍できる健康体でいる」
「共働きする」です。
たとえ年金をもらえなくなったとしても以上のことを押さえておけば大丈夫だと述べられています。長く働ける環境があるかはまた別の話!

さて、今回はここまでにしたいと思います!
人生設計の根底を覆される面白い内容がつまっていますのでぜひ!

ではまた!


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