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融通無碍(ゆうずうむげ)松下幸之助の教えとモノを使い続ける。循環型経済ともったいないの精神。

融通無碍(ゆうずうむげ)

 パナソニックデザイン本部主催の「使い続ける展」が京都建仁寺両足院で開催されており見学にいきました。
「融通無碍(ゆうずうむげ)MUGE」がこの「使い続ける展」のテーマです。
 松下幸之助さんの「素直な心」の働きのひとつに融通無碍という言葉を示されています。
 素直な心というものは、融通無碍の働きである心、ものごとに対して臨機応変、自由自在に取り組むことのできる心、ひとつのものの見方にとらわれるのではなく、自由自在にものを見る、考え方も変えてより良く対処する。
素直な心を持てば、どんな困難に直面しても融通無碍に対処し、自らの歩みを進めていくと説いています。

 融通無碍とは、すべてのものが関わり合って調和することを表します。

 融通(ゆうずう)とは、滞りなく通じること、必要に応じて自在に処理することとされます。仏教用語で、別々のものがとけあって一体になることを表します。
 金銭を融通すると言いますが、こまったときに金銭を貸借する、やりくりすることを指します。
 反対に
 融通が利かないと言われるのは、頑固でマニュアル通りしか対応してくれない、気が利かない、お金に余裕がないことを意味します。

 融通無碍の対義語は、四角四面、自由度が低い、柔軟性に欠けると言われます。

 無碍(むげ)とは、とらわれないこと、何にもとらわれることがない、差しさわりがない、障害がない、妨げられない、自由であることを指します。
 碍(かい、げ)は進行を邪魔して止めることで、無(む)がつくことで邪魔や束縛といった障害がなく、とらわれない意味になります。

 ものづくりの会社の世界的代表であるパナソニックさんが考える循環型経済(サーキュラーエコノミー)を、古都京都での「使い続ける展」で融通無碍をテーマにデザインした空間の展示をされています。
 シンプルに機能を削ぎ落して、自然と融合するもの、融通、一体化するもの、人工物と自然を融和させたデザインの展示物が、両足院の床の間に置かれています。
 解体再生された素材そのものの単品、ビーズ状まで解体されたものが自然のゆらぎとともに変化しているアートが綺麗に思いました。
 無碍(むげ)、邪魔なものがない素材そのものビーズ状までとことん解体されたものがアートに変わっていました。
                <パナソニックHP・PHP総研HP他参考>

 では循環型経済とはなんでしょう

循環型経済(サーキュラーエコノミー)

 循環型経済は、従来の大量生産、大量消費が人々の暮らしを豊かにするという考え方が、資源の制約や環境汚染の問題で限界を迎えており、持続可能な経済社会への転換を意味します。
 日本では人口減少が問題視されていますが、世界で見るとまだまだ人口は増加しており、それは豊かな社会の実現にはまだモノづくりが必要であることを意味してます。
 持続可能な社会の実現とは、環境破壊するモノづくりをやめるということではないはずです。資源の枯渇と環境汚染を回避しながら、経済を廻す。
 最小の資源で最大の価値を生み出す資源生産性が問われます。循環型経済は、モノを使い続ける、つくり直す、つくり替え、つくり変え、使い切る。
すべてのモノを資源とみる、つまり世の中のゴミをなくすことにもつながります。
 このようにモノを資源に経済を廻す社会を循環型経済と呼ばれます。

 では、循環型経済を実現するのに、一般の消費者として何ができるのでしょうか
 

もったいない

 それは「もったいない」の精神ではないでしょうか
 モノを大切に扱う、長く使う、愛着を持つ、ゴミを極力出さないなど日常生活の中で改めることはたくさんあります。
 もったいないは、漢字で勿体ないと書きます。本来あるべき姿である勿体(もったい)がない状態、モノが持つ本来の価値をなくしてしまうことが惜しい、ものごとはすべて繋がっていてモノを無駄にすることは、自分の命を削ることにも繋がる、モノの形が残っている限り最後まで使うという意味が込められています。
 「MOTTAINAI」はノーベル平和賞を受賞されたケニア出身女性環境保護活動家のワンガリ・マータイさんが2005年に来日した際に環境を守る世界共通の言語として広めました。
 昔から言われている日本の精神が、20年前に世界に広がり、今またSDGs、循環型経済で言われています。

 私は読まなくなった本は、必ず古本屋に持っていきます。本を捨てるという気になりません。最近店舗数が減って気になるのですがBOOK OFFは気軽に持っていけるので重宝しています。他にもリサイクルショップでは、家電や衣類、食器など多くのモノが売れます。
 身の回りの些細なこと、もったいない精神で循環型社会の実現に寄与する。使わなくなったモノに素直な心で感謝をし、次に必要としているヒトに渡す、引き継いでいくことが、人々の生活と心の豊かさにつながります。



 

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