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釣り方を教えるか魚をあたえるか

 少し前のガーラマンションのCMで、尾野真千子さん演じる女性が印象に残りました。
 ある釣り堀で、尾野さんと並んで釣りをしている男性が「今日もつれていませんね~」と問いかけます。すると尾野さんは「そんな私に魚をくれるか、釣り方を教えるか」と応えます。
 男性は「長い目で見れば・・・釣り方?」と尋ねます。
 最後は「魚くれへん」と尾野さんが言うのですが、
 このCMの「釣り方を教えるか、魚をあげるか」という話を聞いたことがあるでしょうか?

 老子の格言に「授人以魚、不如授人以魚」「魚を与えるのでなく釣り方を教えよ」という言葉があります。
 人に魚を与えればその日の食料になるが、釣り方を教えると一生食べていけるようになるということを教えています。
 簡単に答えを教えるのではなく、自ら考え答えにたどり着くように導く、
自らたどり着いたやり方で大きな自信が生まれ、他のさまざまな問題にぶつかった際も自らで切り抜けられるということです。
 
 この話は、魚を与えるのは問題の答えを教える。釣り方を教えるのは、問題を解決する方法を教えるということですが、今求められているのは、問題解決力より問題発見力であるとも言われます。

 問題解決は、今ある問題から答えを出すスキルで、見えている範囲でしか考えないという問題を含んでいます。
 問題意識、見えていないものから何が真の問題かを考える力です。

 変化が激しく価値観も多様している社会で、見えている問題の答えばかり探していても、その答えを見つけた時には世の中はすでに先の問題に向かっていると言われます。

 ではどうやって、問題を発見するかですが、何よりも現状に満足しない、あたりまえと思っていることを疑うことです。あたりまえだと思っていたことが、明日には当たり前でなくなる時代だからです。現状に満足しない、疑う批判的指向を持つことです。

 現状を疑わない=思考停止=ゆでガエルになります。
 それって本当?
 そのことの本質は?
 そもそも何が問題なのか・・・等
 問う力が試されます。

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