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ブラジル人に言われて刺さった言葉

日本人が当たり前に思っていることも、海外の人からみるとおかしいと映る物が多くあります。昔「そこが変だよ日本人」という番組もありましたが、外国人におかしいと指摘されても、日本にしか住んでいないとピンとこないこともあります。

僕は高校生の時にブラジル時渡った影響もあって、日本もブラジルも良いところも悪いところも知っているつもりです。それでも、外国人と接していると「そうか、なるほどな」と思うことが今でもよくあります。これは文化や習慣、ひいては国の成り立ち等によって起こる違いなので、どちらが良いとか悪いという問題ではなくて、どちらが自分にとって心地よいかということだと思います。

大学院の修士課程を修了して京都でフリーターを1年やった後に実家のある東京に帰って来てからの話です。

夢を追いかけ教職課程へ

当時僕はブラジルと関わる仕事や、ポルトガル語を使える仕事を探していました。正社員として働きたいと思っていました。しかし、東京でもそのような仕事はなかなか無く、アルバイトをしながら過ごしていました。運良くアルバイトでNHKのポルトガル語ラジオ放送のアシスタントや、在日ブラジル商工会議所の事務局で働くことができていました。

そんな時に小学校の教員免許が通信教育で取得できるということを知り、2年間の通信教育を受けました。なぜ、その時に小学校の先生になりたかったかと言うと、前にブログにも書きましたが、ブラジルに学校を創る夢があったので、まずは初等教育とはどんなものなのか、実際に先生になってみて現場を知ることも必要だと思い、小学校の教職課程を専攻したのでした。

民主主義はどのように教育されるのかを知りたくて

 それに加え当時一つ気になっていたこともありました。それはブラジルのような民主主義がどのように醸成されるのかを知りたくて、それにはまず日本の民主主義がどのように教育されるのかということを知りたいと思ったことも大きな要因でした。なぜなら帰国後日本人を見ていて民主主義を感じたことがなかったからです。

結論から言うと、日本の教育はやはり民主主義を生み出すような教育は行っていないということが確認できました。

民主主義はそのコミュニティに属しているすべての人が意見を持って発言をするという事が前提になければなりません。100人居たら100通りの声があって、その中で声を拾い上げていくというのが民主主義のあるべき姿です。

しかし、日本の小学校では「みんな一緒に」というのがスローガンのように使われていました。それは教師が管理しやすいようにシステム化しているのですが、飛び出す個性をできるだけ均等にならし、みんな一緒に同じことをしましょう。という調子でした。

一方で日本の優れているところは、手続きは民主主義的なプロセスを経て行われるところです。これは成熟した国家として誇れる部分だと思います。

そんな現場を見て、「僕だったらこんな風にしたい」とか、「こうすればもっと伸びる子もいる」と考えたものでした。

日本の教育はある面で優れている

そんな折、一人のブラジル人女性と友だちになりました。彼女は日本に長く住んでいて、フランス人との間に子供が居て、離婚をしていましたが、前夫とも子供ともうまく付き合っていました。彼女の娘さんは当時4歳でそろそろ小学校に上がる年齢でした。

そんな彼女と話をしている時に、「子供の学校はどうするの?」と尋ねました。すると彼女は「日本の学校に入れたくない。できればフランス系の学校の方がいいわ」と言いました。僕がすかさず「なぜ?」と聞くと彼女は答えました。

日本の小学校は”従うこと”を学ばせるからよ

彼女はそう言うと、僕が小学校の現場で見て感じた色々なことを代弁するように日本の教育について語ってくれました。

今の日本がこれだけ秩序があって平和な国として成り立っているのも、全て初等教育の賜だと僕は思っています。この日本がもし個性際立った人ばかりの国だったら今のような日本は無いでしょう。

ただ彼女は自分の娘を彼女の思う没個性的な人間にはしたくないという思いがあり、そのような結論に至ったのでした。

より輝く日本を思い描いて

出る杭は打たれる。

日本では当たり前のように使われている言葉ですが、外国人には理解されにくい言葉です。僕の違うブラジル人の女の子の友達は、日本の学校で相当苦労したようでした。それは、彼女自身が日本的なやり方に合わせられないのと、周りがそんな彼女を叩くのとで、辛い学校生活過ごしたようです。

ただ、現在ではインターネットの普及のおかげで、youtubeやその他のSNSなどでそういった尖った個性の人が活躍できる環境も以前より整ってきていると感じます。もっと自由に表現したり、個性をアピールすることができるようになり、救われている人も多いと思います。

これからは日本の良さを残しつつ、個性豊かな人材がもっと活躍できる社会になっていけば、もっともっと素晴らしい国になっていくと思います。大好きな日本がもっと輝くことを祈りながら。。。


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