100点満点と、99点の差は、1点じゃない。
100点満点と、99点の差は、1点じゃない。
俺は、いつだってアイツに勝てなかった。
どれだけ努力をしても常に上をいきやがる。
アイツはいつも凛としていた。
その堂々とした姿を見て、尊敬する者も多い。
『俺だって悪くないだろ、だって99点じゃねえか。』
『優秀過ぎる程と言ってもいい。』
『2位だってスゲェんだぜ?』
なのに何で誰も俺に目を向けない。
『何故アイツばかりに注目する?』
『何でこんなに頑張ったのに、心はこんなに虚しいんだ?』
『笑えよ、俺!誇れよ、俺!』
『俺は沢山頑張りました!』
こんなこと言っても何の意味もない。
完璧じゃなかった俺は、失敗者だ。
皆から賞賛してもらうためには、1番であることが絶対条件だった。
それを満たせなかった、つまりそれは失敗だ。
努力が足らなかったとしか言えない。
限られた期間・限られた時間で全てをこなす。
それを果たせなかった。
『俺は、負けたんだな。うん。』
世界は、結果を求めている。
過程など誰も褒め称えやしない。
1番で在りたいのならば、完璧になるしかない。
『その為には手段は選ばねえ。』
『どんなに世間から糾弾されるような行いだとしても、俺は絶対に1番になる。』
『そうすりゃ、アイツもきっと俺を見直すだろ。』
『楽しみだ、アイツの悔しがる顔が。』
『ははははは。』
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父さん、母さん、俺、1番になったよ。
なあ、みてくれよ。
アイツを俺は越えたんだぜ?
もう俺を邪魔する奴はいねえ。
ははははは。
見ろよ!!!
俺はやったぞ!1番だ!!!
おい、返事をしろよ。
お前がずっと無言だから、俺が独り言を話してるみてえじゃねえか。
残念ながらお前は0点。
俺は...いや話す必要もねえか。
もう比べることもねえんだからな。
俺の勝ちだ。
ははははは。
ははははは。
ははははは。
うん?
何で俺は泣いてんだ??
完璧じゃなかったから??
1番になったのにか?!
もう比べることが出来ないから??
おいおいおい!
バカかよ。
俺は勝ったんだぜ、、、?
サポートが嬉しいと言うよりも、君という1人の人間に楽しんでもらえたことを実感できることが何より嬉しいです。