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人の弱みにつけ込む汚い国、ニッポン。

2022年のコメント
 この「福島、元気?」というパンフレットは、2018年、数か月台湾に滞在してたときに手にしたものです。台湾では、テレビでも、女性ニュースキャスターが福島を訪れて、原発の現地取材や市場で海産物まで食べてみせるといったような特集番組がありました。
 一方で、当時はまだ、東北や関東が産地のものは輸入が制限されていたし、荷上げ次に測定して基準を超えているとのことで、返品されるような事態もありました。しかし、今では、その制限もなくなりました。
 日本は原発事故の責任逃れや過小評価、放射能汚染隠しなど、取り返しのつかないことをやり続けています。このパンフレットのやり切れなさは、他国とその国民を、このように利用するニッポンという国の卑劣さです。
 タイトルの写真は、台中市内のスーパーの中にあるダイソー。2018年当時の価格は日本円だと180円くらいで、100均じゃなかった。

2018年4月24日
一見人道的? 壮大な人体実験。罪深い原子力ロビーとその仲間たち。

 みなさん、この地図変だと思いませんか?
 これは、おそらく(記載がない)昨年11月に台湾・台北で、1週間にわたり無料公開されたドキュメンタリー映画のリーフレットです。この地図には、大熊町も、双葉町も、そして、東京電力福島第一原子力発電所も、ありません。映画のタイトルが「福島元気?」——台湾の観測の目。福島の現地物語を見る——というにもかかわらずです。

 この映画は台湾の若者で構成された6チームが、福島各地を訪れ、取材した記録のようですが、リーフレットの主な記載事項には、「核电站事故」(原発事故)の文字は見当たりません。
 「福島,元気?」とのタイトルの冒頭は、「2011年發生的福島事件、至今已六個年頭…」(2011年に発生した福島事件、今もう6年数…)です。
 これだけの人数が、、台湾から福島へ取材に行って、映画を製作して、無料公開するって、財源はどこからででいるのか? このプロジェクトと復興予算との関連は、分かりませんが、日本が海外へのこのような働きかけに、予算を組んでいることは、確かです。
 復興庁なるサイトを見れば、欺瞞に満ちたおぞましいこの国の、世界最大の原子力発電所事故隠しに、いかに力を注いでいるかが分かろうというものです。

 そして、台灣……。
 日本がその歴史に深く関わってきたこの中華民国という国は、一筋縄ではいかない複雑な政治状況下にある中で、人びとは健気に生きている。
 現政権は、大陸、すなわち中華人民共和国に対して、独立志向が強い政権と聞いている。また、ここに生きる人びとにとって、いちばんの脅威は、大陸中国だと、何人かの台湾人から聞いた。その現政権が、ある意味での弱みとも言える対大陸中国政策の中で、安倍政権との関係をそれなりに強めたいと思うのは、分かる。問題は、いわばその弱みにつけこんで、福島原発事故はもう解決しただの、放射能の汚染はたいしたことないだのと、エセ復興アピールに、台湾の若者を利用していることにある。
 このリーフレットのドキュメンタリーをはじめ、台湾の大学に、東北・福島への復興ボランティアとしてのツアープロジェクトを提案したり、東北の農・海産物などの輸入制限を撤廃させる方向へと導こうとしている。
 台灣の人びとの親日感情や若者の日本に対するある種の憧れを利用していることが、なんともおぞましく、やりきれない。


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