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白山に呼ばれて①雲海とホワイトロード

今年の私のキャンプは無事終了。
これから雪が降るまでは「ハイキングに行こう」と決めていた。

前から行ってみたかった「白山ホワイトロード」(旧・白山スーパー林道)をドライブしてみたい。合掌造りで有名な飛騨の白川郷から、石川県の白山市に抜ける有料道路だ。

調べてみると、ちょうど紅葉がはじまったようだし、途中、初心者でも登れるトレッキングコースもあるらしい。この時期には、運が良ければ早朝に雲海が見えることもあり、有料道路は朝七時から開門しているという。

あまりに良い条件がそろっている。
人生は短い。
いつまでも自由に出かけられるわけじゃない。

思い立ったらすぐに出かけよう!

◇◇◇

実は、ちょっと前からなんとなく「白山方面に行ってみたい」と思っていた。私の実家のある岐阜県飛騨地方は、乗鞍、穂高、上高地など国内有数の山岳観光地を有している。東京から長野県の峠を越えて実家に来ている私にとって、山といえば北アルプスなのだが、どういうわけかこの夏の終わり頃「白山方面に行こう」と思うようになった。

なんとなくそんな気がするだけ、はっきりとした理由はない。

今日は雨だった。予報を見ると明日は晴れるらしい。雨が降った翌日に晴れると雲海が見える確率が高くなる。これはなんとしてでも七時の開門にはゲートの近くで待機していなければ。

というわけで、朝四時に起きてリュックサックに飲み物と行動食とタオルとクマ鈴を入れ、トレッキングポールを車に放り込んで、まだ暗いうちに出発した。

◇◇◇

ゲートに到着したのは開門十分前、平日なので駐車場で待っていたのは車二台だけ。彼らは連れを待っているらしく、開門しても動かなかった。私は一番乗りで白山ホワイトロードへと入っていった。

道幅の狭い山岳道路を運転しながら、景色をながめるのは至難の業だ。ちらっと横目で早朝の山の風景を見て「うわぁー、すごーい!」と叫びながら、すばやく前方に向き直ってハンドルを握りしめ、車を走行車線中央に戻す。当然その間にビューポイントからは遠ざかってしまう。朝一番乗りしたおかげで後続車もなく、のろのろ運転でなんとか景色を見ながら運転した。

もちろん観光客のために、見晴らしのいい場所には駐車スペースがあり、展望デッキもある。一度通ったことがあれば「もっと先によく見える場所がある」とわかるのだろうが、初めてなので素晴らしい景色をよく見ないまま通過することに心は焦る。

山の中腹を過ぎたあたりで突然雲海が現れると、もう我慢できずに路肩に停車して外に出た。

雲海


◇◇◇

紅葉にはまだ少し早かったが、それでも、雲海を見ることができたし、途中、三方岩岳まで往復一時間半ばかりの軽いトレッキングもできた。

早い紅葉3

◇◇◇

そして白山を見た。
なんだか、とてもひかれた。
胸にぐっとくる。
白山を見て思った。

「山に呼ばれているって、こういう感覚なのかもね」

次の私の休日に、もう少し白山周辺を探訪してみようと思う。


白山


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