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極寒悪路

いよいよキルギスからタジキスタンへ向かう。
相棒は当初2名だったが、急遽宿にいた欧米人も加わり3名に。
4人旅の始まりだ!

と思っていたが、チャーターした4WD車には人間が徐々に増え、最終的に2人が座る席に4人が座るというすし詰め状態。

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タジキスタンの最初の目的地であるムルガブに到着したのは夜22時。
圧死するかと思ったが、空を見上げると満天の星。そして、こんな夜遅くの到着にも関わらず、宿のオーナーはお菓子やちょっとした食べ物を用意してくれて、少しお腹を満たした状態で私達は寝床に着いた。

「くっ…苦しい」と夜中に目が覚めた。(なんで?なんでこの布団はこんなにも重いのか…起き上がれない)そう思ったが、再び目を閉じた。

翌朝、相棒の日本人2人に聞くと同じ症状を感じていたようだ。考えてみたところ、どうやら私達は軽い高山病にかかっていたようである。残り1人の欧米人は無症状でよく眠れたようである。

朝ご飯前に外を1人で散歩した。
昨日は夜の到着だったので、改めて周りを見渡すと、山に囲まれた村と言った感じ。たまに通る車の音と自分の足音ぐらいしか聞こえないほど静かで素朴な場所だった。

朝食を食べて、宿の徒歩圏内のバザールへ。
バザールと言っても、キルギスのものとは比べ物にならないほどのしょぼさ。物資も限られているため、物価も少々高い。しかし、ここより断然栄えているキルギスよりも英語がよく通じることにびっくりした。

さて、ここムルガブは観光地ではなく、あくまで経由地。
タジキスタンのハイライトである「パミール高原」を経由し、「ホーログ」へ向かう。

エメラルドグリーンのような湖に、この季節だからこその黄色っぽく枯れた草、白っぽい砂の色。パミール高原の景色は全体的に淡く優しい色だった。

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この日、運悪く1頭の家畜の山羊が私達の車に当たってしまい命を落とした。相棒の1人が「たかが畜生1頭ぐらい」と言っていたが、畜産を生業とする彼らにとってその1頭はそんな軽い存在ではないはずだ。生きるはずだったその山羊は、すぐに捌かれてその日のご飯になるのであろう。

このような畜産業を営んでいる人々が多い地域、いわゆる田舎で食べるショルバという肉と野菜が入ったスープは、肉の鮮度がよく具沢山で食べ応えもあってすごく美味しい。都会で食べるショルバは、値段が高いうえにまったくお腹が膨れない、そして肉の鮮度も悪い、ということが最終的に分かった。

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※2016年10月25日~26日 タジキスタン入国
「Over30女子バックパックでアジア周遊」

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