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インド時間

ブッダガヤでの出来事は災難だったが、電車の切符は取ってあるので、とりあえずアーグラーには行くことに。せっかくインドに来たのに「タージ・マハル」を見ずして帰ることなんてできない。

ブッダガヤからアーグラー行きの電車は早朝。ということは、それ以前に駅にはついていないと心配だ。

ブッダガヤがあるビハール州は治安が良くないと言われており、ほかの州のインド人曰く"ギャングがいっぱいいる"とのこと。そんな街の暗闇で一人でリキシャに乗るのは怖いなと思っていた。

しかし、宿で知り合っていた韓国国籍の日本人の男の子が偶然にも同じぐらいの時間に逆方向の電車に乗る予定だったため一緒に行くことになった。

前日にリキシャの手配ができなかったため、当日にリキシャを拾う。相場通りの価格ではなかったが、これを逃して電車に乗ることができなかったら元も子もないので乗り込み向かう。降り際にチップを要求されたが、さっさと荷物を持ち立ち去る。

駅に着き、ホームで電車を待つ。定刻になっても電車来ず。先に出発する予定だった韓国国籍の日本人の男の子の電車も遅れている。

となりに座っていたインド人家族の男の子に「電車遅れてる?」と一度聞いたら、遅れのアナウンスが流れるたびに、私達にも情報を教えてくれた。

最終的に私の電車の出発は、2時間15分遅れた。韓国国籍の日本人の男の子の電車はどれぐらい遅れたかは分からない。私の方が先に出発となった。

私が乗る電車は基本的にSL(スリーパー)と言う名の3等車。シーツもエアコンもなし、私はそれで十分だった。

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今回はベッドの上段が私の指定席だ。上段は好きなのだが、窓がなく、景色が見えないし、駅名も見えない点が不安だ。(相変わらず私のスマホのGPSは無反応)

移動中は基本的に睡眠派。今日は早起きしたし、駅でも待ちぼうけだったのでなおさら眠い。本来の予定では夜7時にアーグラーに到着だったが、出発が2時間ほど遅れているので、夜9時には着くだろうと予想し、夜9時に乗客に「アーグラー?」と聞くとまだらしい。しばらくするとガタンと電車が止まったので、「アーグラー?」と聞くと違うらしい。時間は刻々と過ぎていく。

向かっているアーグラーのタージ・マハルはイスラム建築である。したがって、アーグラーにはイスラム教徒が多く住んでいる。

数時間後、イスラム教徒らしき人達が荷物を持ち出した、「アーグラー?」と聞くとそうらしい。やっとアーグラーに到着したのは深夜3時15分。予約時の到着時間より6時間半遅れ。

こんな真夜中に着いても怖くて外に出られない。私は入口に近いホームのベンチでうつ向いていた。(早く朝になって…)と。すると、一人のインド人が「タクシー?!」と話しかけてきた。「ノー。私は朝が来るまで待つ」と答えた。「僕は公式のトゥクトゥクドライバーだから大丈夫だよ。ここは危ないから待合室にいなさい。」と言われた。

言われた待合室は、時折ねずみが駆け回り、(ホームのベンチの方がよかったなー)と思いつつ我慢した。が、駅の入口付近のベンチに移動した。

外は少しずつだが明るくなってきた。しかし、ホステルへ行く前に次の切符を取りたい。だから、ガイドブックを読み、アーグラーでの計画を立てながら窓口が開くのを待っていた。

すると「タクシー!?」といろんなトゥクトゥクドライバーが話しかけてきた。「ノー」と言い続けていると、さっきホームで話しかけてきたドライバーがまた話しかけてきた。「ホテルは決まってるの?」私は「決まっている。でも切符を買ってから行く」と答えた。「まだまだ開かないから1回ホテルに行ったら?」と言われ、金額を聞いたら相場だったし、だいぶ明るくなってきたので一旦ホステルに行くことにした。

トゥクトゥクを降りる前にツアーの提案をされた。
「今日は疲れているから、明日行こうと思っている」というと、「今日は1日何をするの?とりあえず切符を買いに行きたいんでしょ。10時にまたここに迎えに来るからその時に返事をしてくれ」と聞かれ、10時まで寝ることにした。

10時になりホステルの前で待っていると、1人のイギリス人の女の子が現れた。今から切符を買った後にツアーに行くというと、一緒に行きたいとのこと。「私はいいけど、ドライバーは何ていうか分からないから相談してみて」と伝えた。

10時少し過ぎに、ドライバーが迎えに来た。イギリス人の女の子もツアーに行くことになり、まずは駅に切符を買いに行く。切符を買って"安心"かと思い、ドライバーに見せたら「ウェイト・リスト(キャンセル待ち)になっているよ」と言われ、調べたらかなりの人数がキャンセル待ちで乗れる見込みがなかった。

ドライバーは私をツアー会社に連れて行き、「バスで行きなさい」と言う。私は(高いバス代払うぐらいなら、アーグラーでもう一泊してもいいかな。今のホステルきれいだし)と思っていた。しかし、イギリス人の女の子は「そんなに観光する場所ある?時間がもったいないからさっさと移動した方がいいわよ」と言ってバスでの移動を勧めてきた。と、いう訳で私はハイクラスなバスで2日後にバラナシへの移動を決めた。

その後ようやくツアーのスタート。
アーグラー城やイティマド・ウッダウラー廟、スィカンドラー、そして対岸からのタージマハルに行き、ご飯をテイクアウトして終了した。イギリス人の女の子がドライバーに「SIMの買い増しをしたい」と言ったら、それにも快く応じてくれ連れて行ってくれた。

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そして、明日は待望のタージ・マハルへ行く。その移動も同じドライバーにお願いすることにした。

GPSが狂ったスマホで不安だったものの、信頼できるトゥクトゥクドライバーに出会うことができ、私のアーグラーの旅は順調にすすんだ。

私が個人的に思うことだが、トゥクトゥク(リキシャー)のドライバーは若い方が信頼できる。若者は基本的に一攫千金は狙わず、少しずつ儲けを積み重ねる。逆にベテランは、一攫千金という過去の栄光にとらわれ、高い金額を提示することにより信用を失い、客を逃がす。そんな気がする。

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※2016年6月13日~6月14日 ブッダガヤ~アーグラー
「Over30女子バックパックでアジア周遊」

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