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大好きな砂漠の街

インド・ラジャスターン州の一番西。
ゴールデンルートと呼ばれる都市からは外されているが、”キャメルサファリ”が人気の都市「ジャイサルメール」。

おそらくこの街に来る多くの人の目的は”キャメルサファリ”。
ラクダに乗って、砂漠を巡るツアーである。
私もその一人だった。

しかし、この”キャメルサファリ”。
ガイドブックによると、女性の一人参加はとても危険。
ツアーガイドと二人っきりになりレイプされるという事例が過去にあるという。

私がインドに来るにあたり一番不安に感じていたのも、この”レイプ”である。

ジャイサルメールに来るまでに、キャメルサファリ友達を探して、もし見つからなかったらジャイサルメールには行かないでおこうとも考えていた。

そして、ジャイサルメールに行く寸前になってもキャメルサファリ友達は見つからなかった。しかし私はジャイサルメールに行った。とりあえず行った。キャメルサファリは諦めて。

多くの日本人バックパッカーは「トーキョー・パレス」というゲストハウスを使っていたが、私はBooking.comで見つけた最安値の宿に泊まった。キャメルサファリを諦めた私にとっては、宿に日本人がいることが大前提ではなかったから。

そして到着した最安値の宿では、キャメルサファリの勧誘が待っていた。
「韓国人が何人かキャメルサファリに参加するからそのツアーに参加しないか?」という誘いだった。
すっかりキャメルサファリを諦めて気持ちが覚めていたので、考える時間が欲しいということで時間をもらった。

しかし、せっかくこの地に来て、のちに後悔してももったいないと思い、若干値段は高かったがキャメルサファリに最終的には参加した。親切な韓国人のご夫妻と、一人旅の若者二人が一緒で何の問題もなく楽しかった。

なんとなく選んだ最安値の宿だったが、オーナーは若干セクハラ気味だがいい人でスタッフも親切にしてくれた。オーナーからは、街に繰り出す前にあることを言われた。
「もし、街を歩いていて”一緒にどこかに行こう”って言ってもついていったらダメだよ。前にこの宿に泊まった子がついて行って、二人きりかと思ったらたくさんの男が現れて集団でレイプされて、ボロボロの服で泣きながら帰ってきたことがあった」と話した。

キャメルサファリの後、初めてジャイサルメールの街に繰り出した。
土色の建物が並びゴールデンシティと呼ばれるこの街には、昔の貴族や富豪の邸宅が残っている。その建物は「ハーヴェリ」と呼ばれ、細かな彫刻で埋め尽くされている。ジャイサルメールの駅も、中にあるベンチもハーヴェリ風のデザイン。不謹慎かもしれないがこの街のお墓のデザインすら芸術的でかわいい。そして繁華街から少し外れたところには砂漠のオアシス・ガディサール湖があって、そこでぼーっとした時間も心地よかった。

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このガディサール湖に行く前に、たくさんの男性に話かけられた。
宿のオーナーが言っていた、”一緒にどこかに行こう” "暑いからバイクで乗せてってあげるよ"、などというお誘いである。もちろん”お断り”である。

この街の商人達は、商売っ気がない訳ではないが、ほかの都市の人に比べると押しがさほど強くない。「繁忙期だったらこんなにしゃべっている時間はないけど、今の時期はひまだから話そう」と、いろんな店の人とずっと喋っていた。すごくいい距離感で関わりあえる人が多く心地よい街だった。

その中でも一番親切にいろんなことを教えてくれたお土産屋の男性がいる。彼は、砂漠の村からこの街に出稼ぎに来ていると言っていて、「もうすぐディワリーというフェスティバルがあるから、この服を着て僕の村に遊びに来ないか?」と言って、フェスティバルに使うかわいい衣装を見せてくれた。

すごく親切で話には付き合ってくれたが、付いていく訳にはいかない。彼のことはそんなに信頼していいか分からないし、顔もタイプではない。
(万が一何か起きたとしたら、せめて顔ぐらいはタイプの人がいい…)

なんとなく怖くなり、次の都市での予定も控えていたので、駅で切符を買い、翌日に次の街へ移動した。

街も人も大好きな「ジャイサルメール」だが、宿のオーナーが警告していた類いの誘いが多く、レイプの可能性が高い街なのではと感じた。

時間が経って感じたことだが、一番親切にしてくれたお土産屋の男性がレイプ犯の張本人だったりして…と考えてしまったり。

しかし、キャメルサファリの一人参加や、男性からの誘いに乗らなければ、至って平和で魅力的な街。私がインドで一番大好きな街でした。

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※2016年9月22日~27日 インド・ジャイサルメール
「Over30女子バックパックでアジア周遊」

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