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「一人で抱え込む」は、「自分の人生を生きる」に似ている。


わたしがかつてできなかったことを、
できた方がよかったのに、と思ってた。
できた環境があればよかったのに、と思ってた。


だから、
あの時のわたしと同じ状況の人たちが、
そうできるようにと支援したり、
できるような環境を整えようとしたりする。


でもそれってね、完全に、わたしの「エゴ」。


わたしは、子育て中の女性が何かと「抱え込みすぎ」だと考えてる。
一人で抱え込むことの辛さ。
その辛さをあえて味わわなくてもいいのでは、なんて思ったりして。

だって本当に、ひどく辛かったから。

でも、
そんなわたしがいたから「今」がある、なんてことを平気で言ったりするわけ。



矛盾してるよね。
結局それだと、そういう苦労っていうか、思いっきり落ちた経験があるからこそ、みたいな、よくある話になっちゃうのよね。わたしの支援の動機なんて。


なんかね、もやもやしてたんだ。


「子育て中の女性」をサポートしてるつもりでいるけどさ。
そんなのぜんぜん上っ面。


過去の自分を正当化したいだけだったんだ。




だから、
いろいろ抱え込んでしまいがちな女性に、
「抱え込込まなくていい」なんて、言えない。


だってね、そんなの無理だもん。

どうしたって母親だし、妻だし。
その存在は、誰かにとってたった一人に違いなくて。
すり替えようのない、唯一無二の存在で、
そんな役割を一生懸命抱え込んで全うしようと頑張っている人に対して。

「抱え込まなくていい」なんて、言えるはずない。



子どもがね、教えてくれたことがある。
辛くて悔しくて、唇噛みしめて悔しがっているときに、
差し伸べるわたしの手を払って言った言葉。

「ほっといて。」


机に突っ伏して
背中を震わせる彼女の背中を抱きしめて、
大丈夫だよ、と言いたいと思うのは、

わたしの「エゴ」。



きっとね、いろいろ抱え込んだその先に、
大きな飛躍が待ってるのよ。


必ず、乗り越える。
絶対、大丈夫。
遠くからそう信じて、ただ見守ってる。



子どもがそうであるように、
大人もそういうときがあるんだと思う。

ただ、いろんな情報や選択があるだけに、
「抱え込まなくていいのでは」という思いとの狭間でまた葛藤することになる。



女性がライフイベントをこなしていこうとすると。

いろいろ抱え込んで、
いろんなことに気を遣わなきゃいけないから、
なかなか責任あるポジションでのマネジメントや連携プレー、対人、対企業の折衝が難しかったりする。
バリバリ仕事してればしてるほどに、
産休育休明けには浦島太郎。

アップデートできたとしても、
子育て中の仕事は、両足沼地に突っ込んでる感じ。
焦れば焦るほど、足が抜けなくなるのよ。

とにかく自分の時間が無くて、余裕が無くて。

誰かのフォローをするなんてもってのほか、
自分のフォローを誰かにお願いする立場。


初めから分かってて、
いつか沼地から出る時の飛躍の為に、
その期間は「自己啓発」に注力し、
知見を広げ、育児から多くを学ぶんだ、と、
マインドセットするのがいいかもしれない。


どこかに所属せず、
誰かに気を遣わなくていい自己完結型の仕事とかは、
しんどいけど、やっぱり子育てとの相性がいいんだと思う。


隙間時間の仕事。
できるときに前倒し。
子どもの病気で納品遅れ。
夜泣きがひどくてペースが乱れる・・・

誰かに管理されていなければ、
細かい報告を誰かにしなくて済む。
スイマセン、って言わなくていい。
報告する時間さえもったいない。


スタンドアローンはリスクだけど、
リスクのない働き方なんて、そもそもないし。
それは子育て中に限られるリスクでもないわけで。
リスクのない人生なんて、どこにもない。


自分でリスクを負うからこそ、
人や仕事との関わり方は真剣だし、本気だし、全力。

そう、
真剣で、本気で、全力で、ウソのない自分をさらけ出して生きることそのものが、リスクヘッジ。


わたしに何かあったら、きっと誰かがわたしの後をカバーする。
ただそれだけ。

世の中、私にしかできないことなんて、ないからな。
わたしがいなくなっても、当たり前のように世界はあり続けるんだから。


ちっぽけな自分であることそのものも、
リスクヘッジ。


そんなことに気付いた、秋の夜長。


「一人で頑張ろうと抱え込む人」の、なんと素晴らしきかな。
それは「自分の人生を生きると決める」、に似ている気がする。

他の誰でもない、自分の人生。
自分が抱え込まずして、いったい誰が抱え込むのだろう。


そんな人の頑張りを、
むやみやたらに励まさず、
むやみやたらに「大丈夫だよ」なんて言わない。
ただ静かにそっと、見守りたい。

そして、「一人で抱え込んで頑張っている人」と、その「抱え込む方法」を一緒に考えるキャリアコンサルタントでありたい。



よくよく考えた結論は、
「一人で抱え込む」のも、そうそう悪くないな、ってこと。

これまでの経験で、なんとか自分の役割に気づくことができました。与えられた役割を全力で全うするため、「わくわく」と「ドキドキ」のど真ん中を走ります。 サポートでの勇気づけ、素直に嬉しいです\(^o^)/