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技術同人誌「R MarkdownユーザーのためのPandoc's Markdown」の表紙デザイン

技術同人誌「R MarkdownユーザーのためのPandoc's Markdown」を書きました.表紙デザインに随分悩まされたのでデザイン過程をまとめておきます.次作のためにもアドバイスなどあれば是非コメント下さい.

なお,本はBooth.pmにてPDF (44ページ) を500円にて販売しております.ご興味おありの方は上記のリンクからご購入頂ければ幸いです.

原案: コントラスト低・タイトル目立たず

初案では題名の最後に「再入門」がついていたので,入口を連想させる写真を使うことにしました.Google Photoで自分が過去に撮った「門」や「扉」の写真を検索すると,チェコの田舎で撮った新ゴシック様式の城の扉が出てきて気に入ったので採用しました.陰影の感じが気に入ったので,題名から「再入門」が抜けてもこの画像で行くくことにしました.

そこへタイトルやキャッチコピーをつけた原案が以下です.ツレにはコントラストが悪い,タイトルが目立たないと駄目押しされました.たしかに.

そこで文字を白抜きにしてみたのですがやはりぱっとせず,どうしようか悩みながら下記のQiita記事を眺めました.

第2案: タイトルの重要なところだけ大きく

上述のQiitaの記事で紹介されている例の多くは長いタイトルの中でフォントサイズやフォントそのものを変えているいることに気付きました.記事内では言及されてなかったテクニックに気付いて舞い上がって実践した結果がこちら.

「R Markdownユーザーのための」という前置きなどは本題の「Pandoc's Markdown」に目が惹かれた人だけが気付けばいいのです.

第3案: 色でもタイトルの一部でもいらないものは削ぐ

そしてスライド作りでも経験してきたデザインの要領を思い出します.何を目立たせたいのか,何がいらないのかはっきりさせることです.

もっと削ろうと.まず「再入門」を削りました.内容としては基本的なところも網羅したつもりですので,「再入門」と書かなければ初入門の人も読んでくれるかも知れません.「Pandoc's Markdown」が黄土色のボックスの中央だけではなく,下端まで占有するようになり,目を惹くようになりました.

次に「R Markdownユーザーのための」のウェイトをHeavyからBoldに落としました.「Pandoc's Markdown」の存在が際立ちました.

そして全体的なコントラストを上げるべく画像をグレースケールにしました.傾いた日射しの陰影感も増してGoodです.

画像をグレースケールにしたきっかけは「PRINTING IN RELATION TO GRAPHIC ART」という本です.私が執筆に利用していたツールの利用例として眺めていたところ,色を減らすのもいいと気付きました.

微調整1: 白抜きな「ザ」の濁点が読み難いので直す

以上で,だいたいのデザインは終わりなのですが,白抜きにすると「ザ」の濁点が読み難いことが気になりました (Before).

そこで,Inkscapeでオブジェクトをパスに変換し,濁点の白いところのサイズを大きくしました (After).「サ」の部分と枠線の幅が変わってしまうので,違和感のない範囲を追求したつもりです.

微調整2: 著者名の書式を再考する

第2案ではタイトル最下部に小さく「再入門」がいたおかげで,タイトルの入ったボックスの片隅に著者名をお邪魔させる余裕がありました.

しかし,最終案では「再入門」が消え,著者名の起きどころがなくなりました.

どこにどう配置しようか長く悩みました.タイトルもキャッチコピーも黄土色のボックスを背景としているので,著者名も同じにしようと最初は思いました.

しかしそれでは背景レベルで同じウェイトのものが3箇所に散らばり,どうにも焦点が定まらないことが気になりました.

では背景はいらないのだろうかと削ってみるも,そうすると著者名が背景に溶け過ぎてイマイチです.

最終的に背景はなくし,縁取りを黒から黄土色に変えることで,色合いとしては統一しつつ,著者名が溶け込み過ぎないようにしてみました.

最終案

こうしてできたのが以下の表紙です.

おまけ: Boothで売るならタイトルは真ん中がいい

Boothでは商品のサンプル画像を複数登録でき,1枚目に登録したものがBooth内での商品一覧時の画像や,TwitterなどSNSで共有した時の見出し画像になります.画像は表示領域に合わせて中央部をトリミングされる.例えばTwitter Card ValidatorでTwitter上での表示を確認してみると以下のようになりました.見事にタイトルが表示領域外になっています.

今のところBoothではトリミング領域を選べないので,宣伝効果のある表紙を意識するならタイトルは表紙中央部に持ってくるのがよさそうです.

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