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通院の日を徒然なるままに

 久々の通院だった。
 僕の主治医は淡々とした人で、患者目線では合う合わないが分かれるのかなと思う。僕は気にしないので、初診の頃からこの先生のところへ通い続けている。ところが、最近この先生がちょくちょく笑うのだ。今日も「まあ、マイペースでやっていきましょう」と言いながら、一度笑顔を見せた。

 僕は元から割とマイペースな性格だ。のんびりしているとか自由な人だとか言い方は色々あるけれど、「要はわがままなのだ」と嘗て親戚に言われた。今だって直接言われないだけで、周りからはそう思われているのだろう。直した方が良いなと思ってはいるが、一方でマイペースを推奨される事もある。先日話す機会のあった心理士、カウンセラーにも「あっとさんは別に空気が読める様にならなくてもいい」なんて言われた。「僕は空気が読めなくても良い」って一体どういう意味だよ、と思わなくもないが、聞き返さなかった。

 病院を出て薬局に向かう道で、少し昔のことを思い出した。上京して良かった、と思う。世界が開け、視野も広がった。地元を離れなければ、僕は自分が窮屈な思いをしていたこと自体に気付かなかっただろう。
 都会は冷たい、と言う人が結構いるけれど、僕はそうは思わない。不干渉も優しさの一つだ。都会にだって電車で妊婦の方に席を譲る人はいるし、地方にだってコンビニでやたら店員を怒鳴りつける客はいる。一括りにすること自体が無駄だ。僕は都会の適度な距離感に感謝している。これでいい。これがいい。

 帰りに図書館に寄った。本を返却するだけのつもりが、1時間も居座ってしまった。その上さらに本屋にも寄った。予定より長時間外にいることになったので疲れたけれど、まあ良いかと思う。明日からハードな仕事に入るし、頑張る自分への褒美ということで。

 今日はよく眠れるだろうか。

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