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7年前、親切にしてもらったのは私だった。

今日もnoteにお越しいただきありがとうございます!


今夜は、アップし損ねた母の日の振り返りを少々。

あの日、地元のケーキ屋さんがとても賑わっていました。

男性が多くてびっくり。


「みんな、ちゃんと感謝を伝えるんだな~」

と思うと幸せ(笑)な気持ちに。

母の日って、いいですね。


ところで


デイサービスをオープンして間もない頃。

私は介護の資格を取るため、

実技として高齢者施設に研修へ行きました。



その時に出会った「しのさん」。



今でも忘れられません。

しのさんは、認知症が強く出ているため

施設の入居者さんと馴染めず、

時々いじめられてしまう方でした。



お食事も、いじわるをする人と

離した席にするなど、配慮が必要でした。



「しのさん、しっかり見守りしないと

いじめられてしまう。」と思っていると・・・



しのさんが私を見て、

大きく手招きをしたんです

(えっ、私)



急いでしのさんに駆け寄り

「はい。しのさん!」

と返事をしたところ

しのさんは私を自分の隣の席に座らせ、

手をしっかり握りました。



そして、「何か」一生懸命話をしてくれました。



なぜ「何か」という表現なのか。

それは

しのさんは認知症で言語にも支障が出ており、

何を言っているか職員でもわからないからです。



それでも・・・

「はい。はい!しのさん!」と

私も笑顔で一生懸命応えました。



しのさんは、私の姿が見えなくなると、

また手招きをします。

まるで、孫でもよぶような優しい表情で。



そして、必ず私を

自分の隣の席に座らせるのでした。


(しのさんは、仲間もできず淋しいんだな。

だから、私を手元におきたいんだな。)

そう、思っていました。

つい先日までは・・・。



しかし、あれから7年。

自分が介護経験を積んだからなのでしょうか。

お風呂上り、急に降ってきたように

「あ!違う」という衝撃に襲われました。



自分が淋しいからじゃない。

しのさんは、

「私を心配してたんだ」

ということに気づいたんです。



研修の日。

私はとても不安な気持ちでいました。

職員さんから

「入居者さまと自由に交流してください。

何か遊びやゲームに誘ってみてください。」

と言われましたが、

当時介護経験はゼロ。

急に施設にきて、

どう振舞っていいか分からず

不安そうな顔をしていたのです。




だから

面倒見の良い優しいしのさんは、

私を呼んだ。



手招きして。

「こっちにおいで。」

「大丈夫、そんなに不安な顔しなくても」

「ここに座りなさい」

「ここでは、こう過ごせばいいからね。」



手を取って、きっと そんなことを私に

一生懸命教えてくれていたのでしょう。

当時の私はそれすら受信できず・・・

しのさんの優しい気持ちを感じるとるどころか

「淋しいから、私を呼んでる」と

勘違していました。



人の気持ちを受信する力が、

本当に弱かった。



しのさんに大変失礼なことをしたと

7年経った今、心から反省しています。

「親切にしてもらったのは私だった」


7年後に気づいた事実。



ごめんなさい。

しのさん、あの時はありがとうございました!

今でもお元気ですか?



私は、だいぶ逞しくなりましたよ

また、お会いしたいな。


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