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Study27.キャロットラペを美味しくする切り方。

今日のテーマは「キャロットラペ」です。好きで何度も作ってきたのですが、知らなかったことがひとつ。「ラペ」とはフランス語で「〜をおろす」という意味だということ。大きめのチーズおろし器でおろしていくので、「おろしニンジン(=キャロットラペ)」という名前なんですね。

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3種類で比較。

今回は3種類の切り方で、美味しさを比較していきます。本場のラペに近づけるため「おろし器」を使う方法。良く見かける「細切り」。たまにお店などで見かける「薄切り(今回は「ピーラー」を使用)」です。

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細切りは、輪切りにしてから細切りにしていきます。

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ピーラーは、サイズ調整のためニンジンに切れ目を入れてから削っていきます。

美味しさは一長一短。

それぞれ切ってから水気を良く絞り、ドレッシングと和えてから5分後に試食します。ドレッシングにはオリーブオイル・酢・粒マスタード・砂糖・塩・クミンパウダーを使用します。「これが一番おいしい」ではなく、それぞれの良さが感じられる結果となりました。

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あえて、繊維を壊しながら切るのも美味しさへの秘訣。

和えた後にすぐ食べる場合、「おろし器」が格段に味の馴染みが良いです。味に関しても「甘み」を強く感じました。おろした後に絞る工程で水気が出たのは「おろし器」のみで、「細切り」「ピーラー」はほどんど水気が出ませんでした。このことから、「おろし器」はニンジンの繊維を壊しながら切っていることがわかります。料理をする際、「野菜の繊維は壊さないように」することをおすすめする情報はよく耳にしましたが、和物の場合、そして繊維を壊しても辛みなどの成分が出ない野菜の場合は「あえて壊す」というのも美味しくする方法なのだと新しい発見でした。

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食感を楽しめるのは「細切り」

食感については、「細切り」「ピーラー」が美味しく感じました。「細切り」はシャキシャキした食感がよくテンポよく食べ続けることができます。「ピーラー」は「細切り」よりも口の中でニンジンの存在感を感じます。「おろし器」は食べやすさはありますが、フワフワとしており食感には少しかけるように感じました。

塩揉みすると食感が更に良くなる。

食感の美味しさはありますが味の馴染みがよくない「細切り」と「ピーラー」に関して、味の馴染みを改善するため「塩揉み」を試みました。すると、味の馴染みよりも両者とも食感が「コリコリ」寄りに変化し、食感が良くなりました。目的だった味の馴染みについては、塩揉みの塩味を強く感じ味が少し変化してしまいました(塩揉みしたあと水で洗う工程も経ています)。ドレッシングを作る際、塩揉み分の塩分量も調整が必要です。

塩揉みしなかったものを半日置いてみたところ、全体的に味の馴染みが良くなっていました。時間に余裕がある場合、塩揉みせずに時間をおく、という選択をとるのもひとつの方法です。

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好みで選ぶしかない。

本場と同じ「おろし器」を使う場合、味の馴染みが格段によく甘みも感じるため、とてもおいしいキャロットラペになりました。しかし、食感を大切にしたい場合「細切り」「ピーラー」を選びたくなります。ここからはもう、「好みによって選ぶしかない」という結論です。食感の料理が好きな私の場合、食感を優先して「細切り」「ピーラー」を優先させてなるべく和えてからの時間をおくことが多くなる気がしています。いろんな方の意見を聞いてみたくなった今回の実験、是非皆さんも自分の好みを探しに実験してみてください。

ドレッシングの分量
オリーブオイル(大さじ2)・酢(大さじ1)・粒マスタード(小さじ1)砂糖(小さじ1/4)・塩(小さじ1/2)・クミンパウダー(少々)

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ニンジンに関する下記実験も、合わせてご覧ください。
→Study24.「人参は芯が細い方が味が濃い」は本当か。皮・肉・芯どこがおいしいのか。
→Study25.人参をおいしいポタージュにするには、炒めてから煮るか、煮るだけか。
→Study26.人参をおいしいポタージュにするに、何の野菜と組み合わせるか。



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