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Study24.「人参は芯が細い方が味が濃い」は本当か。皮・肉・芯どこがおいしいのか。

幅広く料理に使えて、栄養価が高く甘くておいしい。家庭料理には欠かせない「ニンジン」が今回のテーマです。
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この時期雪が多く気温も低い豊栄町では畑にある野菜が極端に少なくなります。そんな時に、保存性のあるニンジンは家庭料理の大きな味方です。

ニンジンをテーマにする初日の今日は、まずはニンジンの構造を知り、「皮・肉・芯どこがおいしいのか」を探ります。そして同時に、「人参は芯が細い方が味が濃いのは本当かどうか」を確認していきます。

まずは解体

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今回選んだニンジンはこの2本。芯の太さによる味比較も行いたかったため、形状が似ていて、茎の切り口のサイズが違う2本を用意しました。ニンジンの種類は同じで、袋は別ですが同じ畑で育ったニンジンとして販売されていたものです。

芯の太さで味の濃さは変わるのか。

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茎の切り口を上から見ると、芯の太さの違いがよく分かります。(写真は人参の並びが左右逆になってしまうため上下を逆転させてあります。ご了承ください)左は芯が細く、右は芯が太いです。芯の太さで比較する理由は、美味しいニンジンの選び方の一つとして「茎を切った後の芯の断面積が小さいものが濃い味わいです(改訂版 野菜検定公式テキスト)」という情報があり、その違いを比較するためです。

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まずニンジンを縦半分に切りました。ニンジンの芯がよく見えます。そして、表面の色が濃く芯に近づくに連れて色が薄くなっていきます。

切り口から葉っぱが生えているのは古いニンジン

味の比較をしていく前に、一つ発見がありました。縦半分に切った時の「茎の付け根の部分」の色の違いです。実はニンジンを購入する際、この2つは違う袋に入っていました。新鮮なニンジンを選ぶ基準に「切り口が緑色のもの」という判断基準を持っていたので、購入した2袋のうち1袋は葉っぱが生えており緑色で新鮮そうに見えたものを選んでいました。

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切り口を拡大して見ると、色の違いが分かります。左は中の方まで緑色ですが、右は色が黒ずんでいます。特に丸で囲んだ部分の色の違いは歴然です。右は葉っぱが生えていたので緑色で新鮮に見えていましたが、実は切ってから時間が経ち改めて葉っぱが生えてきてしまってるのだと判明しました。

「鮮度の見分け方」についてはひとつ学びを得ることができましたが、「この程度の鮮度の違いで味に大きな違いが出るのか」が一番重要な点です。味の違いがないのに鮮度が少し落ちた人参がスーパーで嫌われてしまうことは個人的には悲しいことだからです。

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前置きが長くなりましたが、生のまま味を比較していきます。それぞれ「皮」「肉」「芯」と食べ分けます。※本来「人参の皮」はとても薄く水で洗浄する際にほどんど剥けてしまっている物が多いですが、今回は分かりやすく一番外側の部分を「皮」と呼ぶことにします。

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まずは部位ごとの違いを表にまとめたものをご覧ください。結果から言うと「肉」が一番甘みが強く美味しく感じました。そして、芯の太さが違うA・Bで味の大きな違いは実感することはできませんでした。しかし、部位によって「食感」若干の「香り」の違いがあったので詳しく説明していきます。

肉が一番甘さを感じる。

まずは一番気になる甘さですが、A・B共に「肉」は甘みが強く美味しく感じます。「皮」は甘みをあまり感じず、「芯」はぼやっとした甘さはありますが「おいしい」とは感じませんでした。

中心ほど水分が多く、食感が柔らかくなる。

外側の「皮」は水分量が少なく生のままだと「固いな」と感じます。「肉」程よい食感があり、「芯」は水分量が多く柔らかく外側の部位に比べると「シャキシャキ」に近い食感です。

皮は少し青臭い?

最後に「香り」ですが、Aの芯が細いニンジンの「皮」のみ、若干の青臭さを感じました。他の部位では、ほとんど香りは感じませんでした。

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芯の太さで味は、、

「芯の太さでニンジンの味の濃さに違いが出るのか」については、思うような違いを見つけることができませんでした。唯一感じた違いは、『Aの芯が細いニンジンの「皮」のみ、若干の青臭さを感じた』という点です。しかし、これも個体差があるように思え、芯の太さによる違いとは判断しかねます。

葉っぱが生えたからと言って諦める必要はない。

この記事の前半で「切り口から葉っぱが生えているのは古いニンジン」という説明をしましたが、この程度の鮮度の違いで味の大きな差は感じませんでした。新しい葉っぱが生えてしまったニンジンを見ても決して「君は鮮度が落ちて美味しくないのね」とは思わずに、「まだまだ美味しくなるよ」とニンジンを信じ美味しく料理にしてもらえたらと思います。


今日はまず、ニンジンと向き合ってみる第一回目でした。続いては料理に使うのにニンジンをどう扱っていったらいいのか、というテーマになっていきます。次の記事も、お楽しみに。
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