Study86_7.旨味を最大限に引き出した「ひらきなめこ」の唐揚げをつくるには(揚げる時の衣は何つける?編3)
これまでに行った「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから
Study86_1.下調べ編
Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編
Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2
Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編
Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編
Study86_6.揚げる時の衣は何つける?編2
今回もひらきなめこの揚げ実験を行っていきます。前回からの変更はこちら。
この点を踏まえ、本日はこちらの6種類の衣を試していきます!
今回の初お目見えは「きな粉」です。これまでずっと「大豆粉」を一押しに試してきたのですが、まだ馴染みがない方もいるかも知れないと考え追加しています。
基本的な粉のつけ方は前回と同様に、ひらきなめこを一瞬水にさらし、水切りはほぼせずに粉をまぶします。「片栗粉」だけは前回を踏まえひらきなめこを水にさらさずにそのまま粉をまぶし、手で振りながら余計な粉を丁寧に落とします。今回も、それぞれの付けた様子を載せておきます。
今回も、ひらきなめこは全て冷凍した状態のもの。油の温度は水で溶いた衣が3秒ほどで上がってくる程度(170〜180℃)で、2分(前回より30秒長い)揚げます。実験を重ねるごとに揚げ時間を伸びているのですが(1分15秒〜2分へ)。衣が上がり切らないとカリッと仕上がらないため、少しずつ伸ばし最適を探しています。揚げたものがこちらです。
一番食感がよかったのは「片栗粉」
前回少し失敗してしまった「片栗粉」ですが、つけ方を改善したところ一番食感がよくなりました*箸で持った感じもしっかりしています。歯応えが一番よく、ここにきて最終候補に上がってきました。
「大豆粉」+「米粉」で食感がさらによくなった
ガリガリ食感が気に入っている「大豆粉」ですが、衣のつけにくさが課題でした。今回「米粉」と混ぜたところつきにくさは改善し、さらに食感がアップしておいしくすることができました*歯応えのよさだけでいうと「片栗粉」が一番という結果になったので、どう選んでいくか悩みどころです。
「きな粉」は剥がれるし、油が汚れるしおすすめでない
一番衝撃的だったのは「きな粉」です。油に入れた瞬間「きな粉」が剥がれ落ちて泡がブクブク立ち吹き出してしまうのではないかと少し焦るほどでした。揚げた後の油も剥がれ落ちたきな粉が加熱されて茶色く底にたまり汚れてしまいました。手に入れやすいかも、という期待があえなく散りました。完成後の見た目も、ほぼ素揚げ状態になってしまいました。ただ、食感は素揚げに近いですがほんの少しざらざらするので、表面にきな粉が残っている舌触りがします。素揚げで起こる、ひらきなめこが縮んでしまう現象は防いでいるようでした。また、素揚げや薄衣の時は毎回感じるのですが、ジューシーさはなくなってしまいますが、衣が薄い分ひらきなめこ自体の旨味は一番感じられるようでした。
「きな粉」に「米粉」を加えれば軽い仕上がりでおいしい
単体だと使用が厳しそうだった「きな粉」ですが、「米粉」と混ざるとサクッと軽い衣に仕上がりました。「米粉」単体よりも「きな粉」が混ざった分歯応えが軽い仕上がりになっています。ですが、こちらも揚げている最中に衣が剥げてくる様子も見えたので、現実的には難しいとう判断となりそうです…
「米粉」は相変わらず軽さもありながらよい食感です。噛んだ時しっかりと衣の歯応えがあります。
どれを選ぶか悩ましい
ここまでくると、「きな粉以外」はどれも良い仕上がりなので、判断は好みや求める方向性によってくる段階に入ってきました。どうしてもちょっと変わった歯応えがありお気に入りでい続ける「大豆粉+米粉」。ここにきて食感が一番よいと分かった「片栗粉」。サクッと軽い「米粉」。悩ましい問題です。
一番安全に揚げられるのは「片栗粉」?
ここまで回数を重ねてきて気づいたのは「片栗粉」は油はねが少ない、ということです。だいたいは20秒〜50秒程度で激しくジュワジュワ音をたて始め油が跳ねるので、その間はフタをします。それが「片栗粉」では起きにくいのです。料理には安全性も大切なポイントなので、一つのポイントとして頭に置いておきたい内容です。
続いては、改めて「冷凍」と「生」を比べていきます。煮込む実験で「冷凍」の方が圧倒的に旨味がありおいしいと判断したのですが、「揚げ」では試してきませんでした。むしろ揚げてしまうと判断がつかなくなってしまうのではないか、とも予想しています。どの衣が良いのか?をさらに試しながらも、揚げる場合は「冷凍」と「生」どちらがいいのか?違いは出るのか?を確認していきたいと思います。次回もお楽しみに*
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