Study15.ゴボウポタージュを美味しくする方法。
これまでの実験により、ゴボウには強いコクがあることが分かってきました。そのコクを引き出すには、ゴボウをペースト状にして繊維を壊し成分を表に引き出していくことが重要です。
そこで、そのコクを存分に味わうためにペーストにするまでの工程を改めて比較していきます。
ゴボウをポタージュにするとき、最適な工程を探る
比較した方法は下記の通りです。
A:炒めてから、煮込んでペーストにする。
B:煮込んでペーストにする。
どちらも煮込みますが、Aは煮込む前に油で炒める、という工程を挟みます。
ゴボウを繊維を立つ方向に細切りにします。そして、同時に加熱をスタートしAは炒める工程から、Bは200mlの水から煮込んでいきます。Aは大さじ1の米油と共に炒め、Bにも後から同量の米油を入れます。
5分たったらAにもBと同量の200mlの水を入れ煮込んでいきます。
Aに水を加えてすぐのタイミングでもAの方が煮汁の色が濃いことが分かります。(Aを炒める際、ゴボウは焦がしていません。)また、Bはゴボウのアクが泡立つほどに出ていることが分かり、鍋淵にもくっついています。
加熱を始めてから10分後、両者の煮汁の色が全く違うことが分かります。また、香りも全く違いました。Aはゴボウの香ばしい香りがしてきますが、Bはお米を炊いている時のような香りがしてゴボウの香ばしい香りがしてきません。
ここから煮汁が完全になくなるまで煮込みます。
※途中、先に煮込み始めたBの煮汁がなくなったので100mlの水を足しています。
煮込んだゴボウにひとつまみの塩・豆乳200mlを加え(炒める工程がなく米油が入っていないBには米油大さじ1も加えます)、ミキサーで攪拌します。
見た目に大きな違いはありませんが、若干Aの炒めてから煮込んだ方が黄色がかった色に見えます。
味に大きな違い
味の比較をしてみると、口に入れた瞬間から全く味が違うことが分かります。Aは強いコクを感じ、素直に「おいしい」と感じることができます。また、コクがある影響か甘みも強いように感じました。Bは遠くに若干の甘みはあるものの水っぽさがかなり強く到底「おいしい」とは言えない味がします。
ゴボウのうまみを引き出すには、炒めて煮込む
はっきりと分かるほどに味の違いを感じる実験となりました。ポタージュだけではなく、ソースなどに使う際もぜひ「必ず炒めてから、煮込む」工程を挟むことをお勧めします。
ここからポタージュを完成させるまでは、次の実験Study15.ゴボウポタージュを美味しくする方法2に続きます。
ゴボウに関する下記実験も、合わせてご覧ください。
Study12.ゴボウの皮はどこまで剥くべきか。(部位ごとの味の違い)
Study13.ゴボウを和え物でもりもり食べるのに向いている切り方。
Study14.豊栄の郷土料理を再現してみる。(ゴボウ編)
最後までお読みいただきありがとうございます。頂いたサポートは「野菜のおいしい食べ方がもっと世の中に溢れるため」の活動や勉強のために使わせていただきますね。