Study12.ゴボウの皮はどこまで剥くべきか。(部位ごとの味の違い)
今日のテーマは太くて釣竿のように長い「ゴボウ」です。写真に納まらないため3つに切ってしまいましたが、80㎝もあるゴボウが売っています。加熱した時の香ばしい香りや、しっかりした歯応えのある食感で私たちを楽しませてくれます。
ゴボウは「皮の方が香りがいい」と言われますが、「皮を包丁の背で削ぐ」という下処理を勧める情報が多いように思います。ゴボウのどこがおいしいのか?を確かめ、自信を持って下処理をするために、そしておいしい部分を丸ごと味わえるように、部分ごとの味や風味の違いを比較していきます。
テーマ
ゴボウの部位ごとの味の違いを比較し、下処理方法・使用部位の確立につなげていきます。
皮を残すため優しく洗う
まず、ゴボウを土だけ洗い流すためにきれいなタワシで優しくこすり洗いします。(上:洗った後 下:洗う前)ゴボウは乾燥に弱いので泥付きの方が長持ちし鮮度も保たれます。
皮の味を確かめるため削ぎ落とさないように丁寧に洗います。泥だけ落ちて、皮に傷もついていないゴボウの色は上写真くらいの色です。
ゴボウの外側から5つの部位に分けます。全てピーラーで剥いていきます。アク抜きについては、そのままの味を確かめるため一切行いません。
フライパンにオリーブオイルを温め、ゴボウを入れて3分ほどしんなりするまで炒め、水を加えて3分煮込み塩を加え、ミキサーで攪拌してペースト状にします。ペーストにしたものが下記写真です。
それぞれの味・香り・舌触りの違いを下記表にまとめました。
香りについては、ペーストにした後は全体的にほどんど感じることができませんでした。通常野菜をペーストにすると、口に含んだときに香りを感じることが多いです。一方で、フライパンで炒めている時、ミキサーで攪拌している時は香ばしい香が立ち上っていました。
❶皮の部分はコクがとても強く、美味しく感じましたが、後味に癖があるようにも感じました。
❷身の部分は「甘い!」と嬉しくなるほど甘みを感じ口当たりもなめらかでした。
❸身の内側の黒い部分は❷よりは劣るものの甘みを感じ、若干繊維のざらつきが気になるものの口当たりなめらかでした。
❹・❺芯の部分は甘みは少なく、繊維のざらつきが気になりました。
皮の部分にはコクがある。
つい擦りすぎて削ってしまうゴボウの皮の部分には、コクがあり癖に感じる成分も多く含まれているようでした。癖と感じる成分をアク抜きで上手く調整して使うことで、ゴボウの旨味をしっかり料理に含ませることができそうです。
身の部分は甘みが強く水分も適度にありシンプルに美味しい部分でした。芯の部分は、水分が少なく繊維が硬く感じるので、切り方によって繊維が気にならないように扱っていく必要があります。
とにかくゴボウは優しく洗う。
今回ゴボウの皮の部分に美味しさが詰まっていることがわかりました。泥もゴボウも茶色なので、土が残っているのではと心配になりゴリゴリと洗ってしまいがちですが、ぜひ優しく洗うようにしてみてください。
そして、味の違いも見えてきたのでソースやピューレにゴボウを使用する際の参考にしていきたいと思います。
余談。ゴボウは焦がさない。
実験の途中、❷身の部分をフライパンで炒める際、炒めすぎて焦がしてしまいました。濃い狐色になる程度だったのでコクが出て美味しいのでは?と想定したのですが、ペーストにしたところ最後に焦げの苦味を感じてしまいました。「ゴボウは焦がさない」この点にも注意して扱っていただければと思います。
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