見出し画像

「エーリヒ・ケストナー ~消された名前~」(仮)準備稿 その3

出演者募集中・オーディション情報はこちら。
http://www.inzou.com/workshop.html

作:鈴木アツト

2020年7月1日版 準備稿
※戯曲の内容は、公演時には変わる可能性があります。

〇ヴェルナー・ブーレ(男):ケストナーの同級生。後に映画監督。
ヴェルナー・ブーレ役での、応募が少ないため、ヴェルナー役のための、課題台詞を公開致します。

第3場 1933年11月13日・ベルリン

(第2場から)四年後。同じケストナーのアパート。
ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)が、ドイツの政権をとって、約十ヶ月が経っている。

≪物語の途中からを紹介します。≫

レニ あなたは来てくれるの?

   間。

ヴェルナー 皮肉だね。これが、君から返ってきた初めての手紙なのに。
レニ ごめんなさい。私、忙しくて、返事書けなくて。
ヴェルナー いいんだよ。物書きでもなんでもない素人の感想だ。返事を書くほどじゃない。
レニ 、、、
ヴェルナー 銀幕の君から目が離せない。現実の君とは目が合うだけで緊張しちゃうんだけど、、、「モンブランの嵐」「白銀の乱舞」そして、初めて監督もした「青の光」。全部好きだ。
レニ ありがとう。
ヴェルナー 特に「青の光」が良かった。君が演じた村娘のユンタ。街から来た、彼女に恋をする男。二人は、満月の晩に山頂から放たれる青い光の秘密を知って、、、
レニ ロマンティックだったでしょ?
ヴェルナー うん。とっても。
レニ 嬉しいわ、見てもらえて。
ヴェルナー 他に方法はなかったのかな?
レニ 、、、何を言いたいの?
ヴェルナー 君が「青の光」で、すごく苦しんだってのを聞いたんだ。監督になろうとして、資金を集めて、脚本も書いて、主演もして、、、でも、ヒットしなかったから。

※レニ・リーフェンシュタールの台詞を読む必要はありません。
※台詞をプリントアウトしたものを持ちながら、喋っていただいて構いません。

   

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?