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【ベガルタ仙台 選手採点】第20節 V・ファーレン長崎

先週末のヴァンフォーレ甲府戦をもって前半戦が終了。
水曜に天皇杯の徳島ヴォルティス戦を経て、週末には後半戦がスタートです。

前半戦の振り返りは前節のレビューの最後にちょろっと書きましたが、思ったよりかなり良い折り返しだができたと思っております。
この成績をもって、今シーズンのゴールを自動昇格に置くかプレーオフ出場に置くのか、でこの後の戦が変わってきそうですが、私の立ち位置は後者の「プレーオフ出場」において語っていきたいと思います。

そんでもって後半戦です。
初戦の相手はVファーレン長崎。いきなりの強敵相手が後半戦の開幕試合ということで気の抜けない相手。
では、本題へ。


スタメン

ベガルタ仙台

前節のアウェイ甲府戦は1‐1のドロー。郷家に嬉しい初ゴールが出ましたが、トラップミスをアダイウトンに拾われ失点。その後は両チームにチャンスが生まれながらも決めきれず痛み分け。
ミッドウィークの徳島戦はダイナミックな選手の入れ替えして臨むも、後半アディッショナルタイムに失点してしまい敗戦。
悔しい失点が続き、勝ち切れない試合が続いて迎える長崎戦です。

前回の対戦は開幕後、間もない第2節でした。
2‐1で勝利して嬉しい森山体制初勝利を挙げた試合です。
とはいえ、向こうは下平監督が就任して間もない試合で、今シーズン負けたのは仙台に土をつけられたこの1試合だけ。
あのときとは全く別のチームになっていると思うべきなのは周知の事実。
森山監督が試合前のコメントで「自動昇格枠の争いに加われる資格が我々にあるかどうかを問われた試合」といってましたが、まさにその言葉の通りの試合です。
勝つか負けるが今季の後半戦を占う、ベガルタにとっては6ポインターマッチとなる一戦です。

スタメンは前節から変わりなし。
水曜に天皇杯もあったので、アウェイでの消耗を考えてということでしょう。
ただ、天皇杯のパフォーマンスを受けてか、サブに有田が入りました。
前回対戦でゴールを奪った中山の連続ゴールに期待したい。

V・ファーレン長崎

現在2位の長崎。繰り返しになりますが、今季の敗戦は仙台相手に喫した1敗のみ。つまり開幕2節からここまで負けなしで勝ち点を積み上げているということですね。
清水に比べて引き分けが多いですが大崩れもしないという戦いぶり。
首位との勝ち点差は4ありますが、ルヴァンカップを戦っているため、試合数は1つ少ないので、ほとんど首位と同じと考えます。

当然、今節の仙台戦は前回のリベンジに燃えているでしょう。
前半戦で唯一、土をつけられたチームが相手なわけですから、ここを勝って気持ちよく後半戦も駆け上がっていきたいと仙台の地に乗り込んできたはず。

その長崎のメンバーですが、前回対戦とは比べて結構な入れ替わり。
特に前線の1stチョイスがフアンマからエジガル ジュニオに代わっています。前回対戦時のコメントにも残しましたが、『今年の長崎の戦い方ならフアンマよりエジガルのほうが合いそう』とまさにその通りの活躍。
エジガル ジュニオは11得点でJ2得点王になっております。こんな予想は当たらなくていいのに。

さらに中盤のマテウス ジェズスも8得点だし、相棒の加藤大は7アシストでリーグ2位。強力な個の力を持つ外国人を中心としたアタッカーがリーグ2位総得点34を叩き出している攻撃陣を引っ張ります。
守備に目を向けても総失点15はリーグ2位の少なさ。攻撃陣に目が行きがちですが、守備も堅い。リーグでも屈指の安定感・攻守のバランスを擁するチームと言えるでしょう。

そして、ベンチメンバーも豪華。
去年のJ2得点王のフアンマがいるけど、そのフアンマも現在6得点。短い時間でしっかり仕事をしています。そして前回対戦ではキレキレだったドリブラーの松澤もいれば、昨年4ゴール、4アシストの中村慶太も今節から復帰。
そして、元ベガルタ戦士の名倉もベンチ入り。

何だよ、このタレントぞろいの面々。そりゃ2位にいるわけだ。
ただ、この相手を叩かなければJ1への復帰の道はない。怯まず戦うしかない。

前回の対戦詳細(第2節)

戦評

PKで先制を許しながらも、後半郷家の2試合連続ゴールで追いつき、アディショナルタイムに松下の3年ぶりゴールで逆転!これで決まったと思ったのに、ラストプレーでフアンマにゴールを許し、2‐2のドロー。

クソがつくほど悔しい試合でした。もう1週間ほどたちますが、森山監督が帽子をピッチに叩きつけたあのシーンを思い出されるし、サポーターの多くが同じ思いになるでしょう。
それぐらい悔しい。6ポインターマッチを勝てなかったというよりも単純に勝てる試合を落とした。

自分たちのミスが直結した失点でもない。あとワンプレー、なぜあのクロスを跳ね返せなかったのか、という悔しさ。
精度の高いクロスを供給した中村慶太、そのクロスにドンピシャで合わせたフアンマを褒めるしかないので、なおさら。
どこに向けていいのかわからない、このもどかしさを消化できずに1週間を過ごしました。

サクッと試合を振り返ります。

前半、特にキックオフ直後の長崎の猛攻はさすがの迫力でした。
PKで失った1点で済んでのは林の好セーブにも助けられた、いつもの展開。
前半15分ぐらいまでは首位争いをする長崎の勢いに飲み込まれてしまい、防戦一方でした。
20分過ぎからようやくボールを握れるようになってきた仙台。右サイドのオナイウのスピードを生かしながら攻略を図りますが、中央の守備は堅く跳ね返されてしまう。
この試合、気になったのは左サイドの相良。キレがなく、相手を抜けきれないシーンばかり。前節の甲府戦も同じようなシーンが目についた。
絶好調だったときと比べるとコンディションが落ちてきたのかもしれない。ここをどう乗り切るかが、今後の自身のキャリアが変わりそう。分水嶺ですな。

前半はそのまま0‐1で折り返し。リベンジに燃える長崎に主導権を握られた前半でした。

後半もキックオフ直後に長崎がゴールに迫ってきましたが、そこを乗り切ると徐々に仙台ペースで試合が進みます。
スタジアムもそれに呼応して声援のボルテージが上がっていった55分に同点ゴールが生まれます。
右サイドのオナイウが抜け切る前にあげたアーリークロスに郷家が頭でうまく合わせて同点!2試合連続ゴール。去年はなかなかホームユアスタでゴールを割れなかったですが、今季は2試合目にしてユアスタでゴール。しかもサポーター側。これでスタジアムは爆発しないわけがない。

ここから終盤まで逆転に向かうため、さらに仙台が猛攻を仕掛けます。ただあと少し足りない。長崎GK 原田の好セーブやドンピシャクロスに合わせた名願のシュートはバーをとらえきれず。
そうこうしていれば、長崎もカウンターで仙台ゴールを脅かす。
前半とは攻守が変わった展開で、一進一退の攻防が続きます。

このままドローかと思ったアディショナルタイムにその時はやってきました。ロングボールに中山が頭ですらしたボールは右サイドの有田へ。その有田は中山の足元にボールを折り返し、タイミングが合わず体制が整っていなかった中山はそれをヒールで隣の松下へ。迷わず左足を振り抜いた松下のシュートはサイドネットへ突き刺さり逆転!
相手GKが一歩も動けないぐらいのファインゴールでした。流れも完璧。
しかもゴールに関わったメンバーも天皇杯に出場していた3人だし、ゴールを決めたのが松下。苦しんでいるのはみんな知ってる。いまの戦術は松下のプレースタイルには合わず、出場機会は限られている。そんな松下の頑張りは誰もが知っている。そんな松下が決めたゴールはいつだってエモい。
前回のゴールも試合終了間際の逆転ゴールだったはず。決め方、シチュエーションすべてがエモいのが松下のゴールなのである。

これで勝ったと思った。誰もがそう思った。残された時間はあとわずか。
長崎の攻撃を数回凌げば、勝ち点3だと思ったのに。
ラストワンプレーとなったFKをフアンマに決められてしまった。
多くは語らない。ただ、こう思わずにはいられなかった。
なんでや。。

このゴール直後に笛が鳴り、2‐2のドロー。
大きな勝ち点2を失った。喪失感がデカすぎる。油断していたわけではないが1点を守り切れなかった。
シーズンを振り返った時に、ここで勝っておけばと悔やんでも悔やみきれないゲームとなってしまった。

この悔しさは試合で返すしかない。
決して下を向く必要はない。前を向ける勝ち点1なわけだから。
ということで、次の山形戦でしっかり晴らしてもらいましょう。

最後に長崎の感想を3つ
・攻撃も守備のバランスが良い、単純に強い
・エジガルOUTでフアンマINは本当にズルい
・下平サッカーって守備の切り替え時にルーズな時あるイメージだったけど、切り替え早かった


評価

MOMは松下。短い出場時間でゴールしたパフォーマンスをみれば彼以外いないでしょう。

それ以外も郷家はゴールもそうですが、今節も守備で汗を流してくれたし、同じく短い出場時間でゴールに絡んだ中山、有田も評価したい。
オナイウは縦一辺倒じゃなくてカットインも狙ってくれるとさらに良し。アシストに繋がったアーリークロスの精度は高くなってきてるのでもっと求めたくなってしまう。
守備陣では林は今節も好セーブ連発の平常運転でした。

ちょっと厳しめですが、相良と名願は評価を下げました。
相良は調子の良い時を知ってるのでそれと比べて。名願は2試合連続で決定機で枠をとらえられていない。
いずれも次の山形戦で奮起を期待したい。

GK 33 林 彰洋 6.0
DF 25 真瀬 拓海 5.5
DF 22 小出 悠太 5.5
DF 5 菅田 真啓 5.5
DF 2 髙田 椋汰(90'OUT) 5.5
MF 6 松井 蓮之 5.5
MF 37 長澤 和輝(90'OUT) 5.5
MF 27 オナイウ 情滋(82'OUT) 6.0
MF 14 相良 竜之介(70'OUT) 5.0
MF 11 郷家 友太 6.0
FW 7 中島 元彦(82'OUT) 5.5

MF 24 名願 斗哉(70'IN) 5.0
FW 9 中山 仁斗(82'IN) 6.0
MF 23 有田 恵人(82'IN) 6.0
DF 41 内田 裕斗(90'IN) なし
MF 8 松下 佳貴(90'IN) 6.5

監督 森山 佳郎 6.0
交代選手をうまく使い、一時試合をひっくり返すのに成功。ドローにおわってしまったがマネジメントや雰囲気作りがうまくっているのがわかる試合だった

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