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《連続投稿452日目》オーバーアーバニゼーション~一つしかないモノへの人気集中~

 日経電子版の記事【「住みたい街」の条件とは(点照)】では、「住みたい街ランキング2020関東版(駅別)」で、武蔵小杉が前年9位から20位へと大きく順位を下げた事がリポートされています。



 武蔵小杉と言えば、2019年10月の台風19号でタワーマンションが浸水被害を受けた事が思い起こされますが、記事では、ランキング急落の真の原因は、人口急増⇨駅・電車の混雑激化⇨朝の通勤ラッシュ時にJR武蔵小杉駅の改札口前に長蛇の列ができる様子などの報道・深刻化する待機児童の問題など、急激な都市化にあると読み解いています。

 モノであれ、サービスであれ、はたまた、この記事の事例のように「住まう」という生活そのものに関わるコトであれ、(必ずしも全ての人にとってではありませんが)人気のある事は好ましい事です――人は人気のあるものに憧れ、また、人は何とかして人気のあるものを生み出そうとする――。



 しかし、よくよく考えてみると、その人気が集中しすぎる事が、かえって様々な弊害を生み出し、ブランド価値を毀損してしまうのではないか?
――特に、世の中に一つしかないモノへの人気集中の場合は――。

 今はコロナの問題でインバウンドの激減という状態になってしまっていますが、例えばオーバーツーリズム(観光公害)などは、一つしかないモノ=特定の観光地への人気の集中がもたらす様々な弊害の典型です。観光地にとっては、人気の出る事はありがたい事ですが、その施策を誤れば、あるいは、何も手を打たずにいれば、プラスよりもマイナスの影響の方が大きくなっていってしまう……



 では、一体どうすれば良いのか、一つ参考になるかも知れないのが、同じ一つしかないモノでも、俳優などの芸能界のケースです。

 一概には言えないかも知れませんが、タレントにとっては人気が出れば出るほど好ましい訳で、しかも、人気が集中しても大丈夫なシステムが存在している――

▶人気集中を捌くシステム

(1)『チケット制』・・・チケット等で人数を制限する事で大人数に対応
           する。

(2)『メディア化』・・・映画・テレビ・雑誌・書籍・SNSなど、多層・
           複層のレイヤーで露出する事で大人数に対応する。

(3)『バーチャル化』・・・無数の人数に対応できるバーチャル空間で
            活動する。

(4)『時差戦略』・・・例えばマチネーなどのように、時間を区切って
          複数の興行を行い大人数に対応する。
                            など



 一見当たり前のようなこれらのシステムがあるおかげで、一人のタレントへの人気集中が破綻せずに成立している事が分かります。

 過剰な都市化、オーバー+アーバニゼーション、『オーバーアーバニゼーション』(*造語です)を回避しつつ、街の人気を担保する手段は、きっとあるはずです。



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