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《連続投稿531日目》アフターコロナにも通用するオンライン試食会のポテンシャル

 日経電子版の記事【シャトレーゼがリモート試食会 コロナで集合難しく】では、コロナ危機によって会場に人を集める従来のやり方での試食会(=消費者の生の声を聞ける貴重な顧客接点)が難しい中で、ブロガーなどに宛てて事前に商品を送り、後日ウェブ会議によって試食会を開催する、という興味深い施策が紹介されています。



 この記事のタイトルを見た時、最初に感じたのは、「一体どうやってリモートで試食するんだ?」というものでしたが、何のことはない、試食する商品は事前に送るのでした。

 記事によると、事前に送るだけあって、一つ大切な注意点があって、それは、あくまでオンライン試食会が開かれている場で食べる、というものです。その理由、あるいは注意点を記事などから整理してみると――

▶オンライン試食会の注意点

① 一口目の顔の表情・印象が大切。

② 食べ進めるにつれ表情がどのように変わっていくか(嬉しい驚きの
 表情になるのか、がっかりした表情になるのか、など)。

③ 試食した直後の感想、感じたことの言語化が重要。

④ 時間が経ってからでは、言語化は難しく、精度も落ちる

⑤ オンライン試食会には小さな画面という限界もあって、必ずしも
 試食者のリアクション(ボディーランゲージ・顔色など)という貴重な
 情報をすべて吸い上げられる訳ではない


⑥ 他の参加者との共感を形成しにくいとも取れるし、逆に、他の参加者に
 影響されることのない素の見解が聞けそう
だとも言える。

                              など



 このような注意点、制約があるとは言え、記事を読み進むにつれ感じたのは、このようなオンライン試食会の施策には、アフターコロナにも通ずるポテンシャルがあるのではないか、という事です――

▶アフターコロナにも通用するオンライン試食会の
                  ポテンシャル

① 地方の食品メーカーが全国区を目指す時など、遠い首都圏の消費者を
 オンライン試食会に招待するような(先着順で募集、など)施策として。

② 遠くの消費者、全国の消費者が気軽に集まれる

③ 直接対面していない事で、率直な意見が飛び出すかも知れない。

④ 参加者同士が影響しあってしまい、付和雷同して斬新な意見が出て
 こないような状況を回避
できる。

⑤ 世の中には、強いこだわりがあっても、同時に出不精な人もいるはず。
 今まで吸い上げられていなかったそういうタイプの人達からも意見を
 吸い上げられる(従来のような試食会を遠慮していたような人達にも
 裾野が広がり、フィードバックの精度が向上する
)。

                              など



 昨今のオンライン化の広がりによって、私達は、オンライン化の限界と同時に、その思わぬ効用(一つだけ例を挙げるなら、ウェブ面接では、質問の技術次第で、第一印象や外見に影響されない受験者の真の姿、内面が浮き彫りになる場合が)にも気付かされつつあります。
 重要な事は、オンライン化とリアルな施策との融合によって効果を最大化する事なのではないでしょうか。



(追記:ウェブ面接については、下記の拙稿で考察しています。)



(付記:2020年5月19日、皆様のおかげをもちまして、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。下記の拙稿で振り返りをしています。)




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