ジャーナリズムの一手法~体験取材の迫真力~

 ブログなどのオウンドメディアを実体験すると分かることがあります。

誰だって、見てくれる人(view数)、フォロワーが多い方が張り合いがあるので、それなりの努力をするのですが、最初のうちは、いくら『コンテンツ』を投稿しても、工夫しても、view数もフォロワー数も限りなくゼロに近い日々が続きます。考えてみれば、当たり前の事で、素人、一般の人がブログを作っても、ブログの存在自体誰も知らない訳です。

そこで、遅まきながら、ブログを知ってもらうための『営業活動』が必要だと気付いて、出来る事、例えば、SNS連携だとか、自分が素敵だなと思ったブログなどに『いいね』したり、フォローしたり、友人にブログを始めたと伝えたりと、自分のブログの存在を知ってもらう事で、少しずつ、少しずつview数、フォロワー数が伸びていく。

ただし、この数字の伸びは、ある段階に達すると頭打ちとなります。いわゆるキャズムというやつです。こまめに投稿を続けている限り、数字が減ることもない代わり、増えもしない。実力のレベルに達した、と表現できるかも知れません。

このキャズムをブレークスルーしてインフルエンサー、パワーブロガーの域に達するには、豊かな経験に基づいてさらに磨き上げられたコンテンツなどが、何かをきっかけにして一気に拡散していくのだと思います。

 前置きが長くなりましたが、このような実力ではなく、別の方法でコンテンツを拡散する方法が、今回の記事【読者1人獲得に17円、ターゲティング広告出してみた】で紹介されている『ターゲティング広告』です。実力ではなく、言うなれば力業で、お金を払って拡散する訳ですから、記事の表現を借りるなら、「悪意を持った広告主にとっても使いやすい仕組み」なのです。

この記事は、「使いやすい仕組み」という問題点、「誰でも簡単にできる」という事を、最も説得力のある方法、『体験取材』の手法で、私達に提示してくれています。『ターゲティング広告』の利便性であると同時に問題点でもある「誰でも簡単にできる」という事を、『体験取材』よりも明確に提示できる手法があるでしょうか?

 『体験取材』という手法は、記者が読者に成り代わって話題の『コト』を体験し、その状況をつぶさに報告するもので、百万言を費やしても不可能な『迫真力』というパワーを秘めています。『ターゲティング広告』は「悪意を持った広告主にとっても使いやすい仕組み」である、と言うよく知られた、しかし今一つ実感の乏しかった現実を、この記事は、『体験記事』の『迫真力』で私達に訴えかけてきます。『体験取材』という手法は、ジャーナリズムの手法として、卓越したものがあると感じました(最近の記事の中から1本だけ、『体験取材』の実例【おっさん記者、美少女キャラに変身 動画新潮流】を本稿末尾に添付します)。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32962780T10C18A7SHA000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32665260V00C18A7000000/

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