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『天使の翼』第12章(90)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

  その道は、人の通う山道にしては、
   幅広く、
  さりとて、これが獣道なら、
   いかなる巨獣なるやと思う
  しばし思案するも、他に道なく、
  足踏み入れるに、
   雑草に隠れた思わぬ穴ぼこがある
  段々に道の中央が平坦なるを学び、
   そこを歩みて進む
  道は九十九折となり、いつしか、
   巨木の森へと入っていた
    星空は高き梢に塞がれ、
    風もなく、しんと静まり返る
  さらに行くと、突然、道が二つに分かれ、
  その一方、短き方は、
   岩壁に突き当たっている
  そこに、漆黒の口を開ける洞窟があった

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