ユーザーとの距離が近いということ

 この記事【17年連続成長 スノーピークのぶれない「自然志向」】を読んで、改めて、『会社のあり方』として、『ユーザーとの距離が近いということ』が決定的に重要だ、という事が再確認できたように思います。と言うのも、この記事の内容は、少し前の日経電子版の記事【働くなんて「余暇活動」でいい ボーナスは同じ】(本稿末尾に添付)を読んで『会社のあり方』というものを考える機会を得た際の結論とほとんど同じに思えたからです。以下はその時のCOMEMOへの投稿からの引用です――

▶第4次産業革命の時代の会社のあり方(1)今の時代の消費者の特徴①『情報発信』・・・消費者は、企業より先に行動して、自ら情報発信し、共感した人のコミュニティーが市場を作る。②『コト消費』・・・消費者は、『モノ』そのものではなく、そのモノによって得られる体験=『コト』の方を重視する。(2)第4次産業革命の時代の産業の特徴 コモディティ化するモノと、IoTとそれを制御するAIを活用したサービスをパッケージにして供給する、『コトづくり』が産業のあり方となる、製造業のサービス化が進行する時代。●プロダクトアウト=UX(ユーザーエクスペリエンス)と直結しない・・・従来の『モノづくり』 『モノづくり』=メカニクス+エレクトロニクス+ソフト●ユーザー参加型=UXと直結・・・『コトづくり』のビジネスモデル 『コトづくり』=メカニクス+エレクトロニクス+ソフト+IoT+AI                 =モノ+サービス(モノとサービスの融合)(3)UXデザインの重要性 今の時代のユーザーは、『モノ』そのものではなく、そのモノによって得られる体験=『コト』の方を重視しますから、どのようなUXをデザインするか、という事がその商品(モノ・サービス)の質、つまり売れ行きに直結すると言えます。(4)『好きなコトで楽しく働く』ことの意義 UXを最大化するような事を思い付くには、働く者自身が、そのモノ・コトが好きで、好きなモノ・コトをトコトン突き詰めることが肝心なのです。働く人が心から楽しんでなくて、本当にユーザーを感動させる体験を提供出来るはずがない……働く人がユーザーと同じ夢を、ユーザーの期待以上の夢を見ることが、会社というものの本来のあり方。

業種やプロダクトの性質によって違いもあるので、特に(4)の『好きなコトで楽しく働く』ことの意義の部分が、スノーピークの事例と対応していると感じました――

▶スノーピークの強み「社員はみな熱心なアウトドア愛好家」=『働く者自身が、そのモノ・コトが好き』       ⇓「本当に欲しいものは自分でつくる」       ⇓「ユーザー目線で仮説と検証を繰り返し、品質を高める」=『好きなモノ・コトをトコトン突き詰める』       ⇓   ユーザーの圧倒的支持

 スノーピークの強みは、広告でも、マーケティング戦略でもなく、直球勝負の『モノづくり』なのです。この場合、直球とは、働く者、社員自身がアウトドア愛好家である、という事ですが、スノーピークの素晴らしい所は、ユーザーとの距離を近付けるために、もう一つの施策、ユーザーとの交流を通して、ユーザーとの絆を作り、親密なコミュニティーを築き上げている点だと思います。プロダクトの課題が一番見える化するのがユーザーのコミュニティーであり、プロダクトの品質を高めるのにコミュニティーの存在は不可欠だからです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35529800Z10C18A9000000/

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO99044530Q6A330C1000000?channel=DF180320167075

https://comemo.io/entries/8811

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