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『天使の翼』第12章(84)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 「俺には最初から分かっていたぜ。ちょっと年増だけど、どえらい別嬪さんだってな!」
 エリザが、首をもたげるや、その若い男の方を角でどつくようにした。
 若い男は、驚愕して危うく後ろにこけそうになった。
 住人たちがどっと沸いた。
 「おい、ステファン、デビルには人間の言葉が分かるって、ばあ様から聞いてなかったのか!『大年増』は余計だぜ」
 「俺は『大年増』だなんて言ってねえ!熟れ頃の『年増』って言ったんだ!」
 爆笑の渦。
 エリザも、例の首を小刻みに振る仕草をしている。

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