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ビジネスを考える

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#ビジネスモデル

《連続投稿500日まであと6日》受託製造から自社製造へのビジネスモデル転換~安定をもたらすAIのポテンシャル~

 日経電子版の記事【魚の雄雌判別機器、被災地の人手不足補う救世主に】では、リーマン・ショックで売り上げが激減した企業が、受託だけでの経営の不安定性に直面し、自社の技術リソース(この場合は画像処理技術)を活用・強化して自社製造(魚の雄雌判別機器・サケの種類、形、サイズ、色合いを選別する機器)に乗り出した経緯がリポートされています。  取引相手に影響、左右される不安定な受託からの脱却は、きわめてプライオリティーの高い経営課題ですが、では、実際にはどうやって自社の技術リソースを活

《連続投稿500日まであと9日!》コロナ禍にどう変化対応するか?

 日経電子版の記事【トルコ伝統香水「コロンヤ」が再評価された意外な理由】では、欧州系の香水の普及などで衰退傾向にあったトルコ伝統の香水「コロンヤ」(自宅・レストランなどを訪れた客の手にバシャバシャと振りかけるおもてなしの文化がある)が、主成分エタノールの消毒効果から見直され、メーカーが生産に追われている様子がリポートされています。  記事には、「「効能が見直されたことで、市場は今後数年も拡大するのではないか」と"復権"を予想する(以上記事より)」とありますが、一般論としては

《連続投稿471日目》ビジネスモデルの王道~ネットフリックスに見るコロナ禍を乗り越える企業とは~

 日経電子版の記事【コロナ禍でみえたネットフリックスの底力】では、4月16日現在、連日で上場来高値を更新するなど、ネットフリックスの好調振りがリポートされています。  巣ごもり需要の恩恵を受ける動画配信、ネットフリックスの好調は、コロナ禍が起きたことによる偶然なのでしょうか?――  それとも、一見偶然のように見えて、実は、もともとのビジネスモデルに、逆境を跳ね除けるだけの優位性があった、必然なのでしょうか?――    記事からは、後者の、ビジネスモデルそのものの強さが

《連続投稿462日目》カラオケボックスに学ぶ「ピンチをチャンスに変える」

 日経電子版の記事【新型コロナで「敬遠」 カラオケ店が仕事場に】は、新型コロナウイルス感染拡大の中、3密の条件が重なり苦境に陥るカラオケボックスが、「ピンチをチャンスに変える」施策に打って出たことをリポートしています。  確かに、用途、ビジネスモデルを一つに絞り込んでいれば、その用途(記事の場合はカラオケ)が使えなくなった時、一気に需要が冷え込んで苦境に陥る事は明らかです。  そこで、その用途にこだわって無理に需要を喚起しようとしたり、諦めて閉店してしまうのではなく、自社

奮戦するローカル線に見る『続ける価値』と『儲かる価値』

 日経電子版の記事【ぬれ煎餅がローカル線救う? 笑いと涙の社長奮戦記 銚子電鉄社長・竹本勝紀さん(人間発見)】は、税理士事務所の代表で、食品製造販売業を手がける銚電社長がいる、というユニークなローカル線に関する物語、タイトルにもある通り文字通りの「笑いと涙の社長奮戦記」です。  この記事を読んで改めて強く感じるのは、世の中には『続ける価値』と『儲かる価値』がある、という事です。そして、この2つの価値は、それぞれ独立した価値観でもって、相関関係とも因果関係とも違う微妙なバラン

『続ける価値』と『儲かる価値』

 日経電子版の記事【東海道新幹線の車内販売、もうからなくても続ける理由】は、儲からなくても続ける東海道新幹線の車内販売に関するリポートです。  まず、記事などから、車内販売縮小の背景と、続ける理由を整理してみると―― ▶続けるか?続けないか?(1)車内販売縮小の背景   ① 駅ナカの商業施設の充実による乗車前購入の機会拡大。   ② 人手不足によるパーサーの採用困難。   ③ 上記等を理由とする採算悪化。 (2)続ける理由   ① 乗車前購入の困難なギリギリ乗車

モノからサービスへのシフトが成長の鍵

 日経電子版の記事【10年前の装置を最新型に ASMLが磨いたサービス力】は、半導体露光装置でシェア9割のオランダ「ASML」のポテンシャルの秘密をそのサービス力にあると読み解くリポートです。  記事では、様々な視点から強さの秘密が解き明かされますが、なかでも、故障対応などの保守点検から、部品交換などによって旧型を最新型のスペックに近付ける改造まで、幅広いサービスを充実させている事がクローズアップされます。  確かに、サービスが充実していれば、需要変動が上向きな時には設備

カラオケルーム✖ライブ配信=これはイノベーションかも知れない

 日経電子版の記事【カラオケルームで「フェス」満喫 ライブ映像を配信】は、通信カラオケ大手エクシングの、カラオケルームに音楽などのライブ映像を配信するというサービスについてのリポートです。     イノベーションとは何か、最も分かり易いのが、今までになかった異質なもの同士の結合で生まれる新しい体験価値です。  その意味で、『カラオケルーム✖ライブ配信』という試みは、一般論として卓越したもの、ポテンシャルを感じずにはおれません。  例えば―― ① 大画面・高精細・高音

『学校』付きのプロダクト

 日経電子版の記事【栃木・小山で「プロの為のラーメン学校」】は、プロのためのラーメン学校を運営する厨房設備設計・施行・調理器具販売の会社が、そのシナジー効果により十数年で売上を4倍にしたというリポートです。  この記事の事例のように、自社のプロダクト(モノ・サービス)を販売するのに、ユーザーがそのプロダクトを使いこなせるような教育の場『学校』というサービスをセットで提供するというメソッドは、特にプロを目指す事業者を顧客とするような企業にとって、卓越したビジネスモデルである、

コト消費への対応を迫られるネット通販~プロシューマーの時代のネット通販~

 日経電子版の記事【米ネット直販、アマゾンも揺るがす SNS駆使で台頭】は、①SNSを通じて消費者とコ・クリエーション(価値共創)しながら、②自社で企画・製造(ファブレスも)したプロダクトを、③中間流通をなくした自社サイトで直販する(販売価格を抑えられる)『D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)』に関するリポートです。  そもそも、消費者一人ひとりが各々の体験価値を追求するコト消費の時代に、細分化されるスモールマスな市場を見極め、ユーザーのインサイトに肉薄したイノベーテ

TaaM(テクノロジー・アズ・ア・モノ)からTaaS(テクノロジー・アズ・ア・サービス)への跳躍

 日経電子版の記事【市場が暴く技術大国の陰】は、自然科学系ノーベル賞の受賞者数が、今世紀に入って18人と米国に次ぐ世界第2位のノーベル賞大国でありながら、『株価純資産倍率(PBR)』が1倍を下回っている「1倍割れ企業」が、今年9月末時点で全上場企業の50%という日本の現状に関するリポートです。  確かに、『PBR』が1倍に届かないという事は、数字の上からだけでは、資産を売り払って解散した方が、このまま経営を続けるよりマシ、という事で、何のために資金を募って経営しているのか分

『コネクテッド・スタディー』、教習でも自習でもない第3の道

 日経電子版の記事【米国で新フィットネス 鏡やゴーグル、ネットにつなぐ】は、クラウドと繋がったスマートミラーを活用した『コネクテッド・フィットネス』に関する興味深いリポートです。  一般論として、ディスプレー・カメラ・マイク・スピーカーが搭載されたスマートミラー、さらには脈拍などをモニターできるスマートウォッチを組み合わせて、ユーザーがサブスクでクラウド経由のレッスンを受けられるようにしたビジネスモデルには卓越したものがあると思います。――ユーザーは、スマートミラーに映った

『カゴ落ち』分析でレコメンドの精度UP

 日経電子版の記事【会員倍増オイシックス 「買わない」分析し好み把握】は、食材を定期的に届けるサブスクリプション型のビジネスモデルに関するリポートです。このビジネスモデルのどこに、レコメンドの精度を向上させる仕掛けがあるのでしょうか?  一体どうやったらレコメンドの精度を上げることが出来るのか?AIなどのシステムに任せっ放しでいいのか?レコメンドの精度が上がるような仕掛けを作れないだろうか?――この記事は、そんな期待に応える仕組みを教えてくれているように思います。  さっ

顧客が先か?ビジネスモデルが先か?

 日経電子版の記事【孤高の成長企業、業界なんていらない】は、業界とは一線を画して成長する企業を追ったリポートです。    確かに、業界という存在が、既存のビジネスモデルのスキームに縛られてしまっているとしたら、変化の激しいコト消費の時代に顧客のニーズを吸い上げていく事は難しいかも知れません。  顧客の欲しているプロダクト(モノ・サービス)を提供するには、顧客のニーズを把握しなくてはならず、顧客を起点としてそのニーズに応えられるようなコンセプトを打ち立てる必要があります。