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『火の鳥』を読んで思ったこと

「漫画の神様、手塚治虫のライフワーク」
「人生の必読書」
とも言われる『火の鳥』。

これを最初に読んだのは小学校5年生くらいだったと思います。
ぼろっぼろなハードカバーの『火の鳥』が、学級文庫として教室に置いてありました。
当時は『火の鳥』が有名な本とも知らず、なにか不思議な漫画があるな、くらいの気持ちで手に取りました。
面白いので、暇にまかせて何度も何度も読みました。
みんながそうやって読み継いでいったので、その『火の鳥』は本当にぼろぼろでした。
今考えると、これを教室に置いた名も知らぬ先生、えらい!と思います。

『火の鳥』を読むために学校を休んでもいい

探究学舎の宝槻泰伸さんのお父様は、
「『火の鳥』を全巻読むために学校を休んでもいい」
と子供たちに言ったそうです。
最近、そのエピソードを知り、改めて『火の鳥』を読んでみたいと思い、中古で全巻買いました。
思い出のハードカバー版です。

大人になって再読した感想

全巻を読み返して思ったことを正直に言います。

驚いたことに、子供のときに夢中になって読んだ情熱は、蘇りませんでした。
面白いは面白いのですが、子供のころにすごく好きだった場面も、ふーん、くらいで流してしまうのです。
それだけ、子供心にこの作品は衝撃的だったのだと思います。
社会を、歴史を、いろいろなことを知らない子供にとって、『火の鳥』から学んだことは本当に多かったのだと思います。

宝槻泰伸さんのお父様が、学校を休んででも子供のうちに読むべきだと思ったのにも頷けます。

子供と漫画

思えば『火の鳥』に限らず、人生の多くを漫画から学びました。
テレビゲームから学んだことはあまりないように思うのが不思議なのですが。
(もちろんそれは人によると思います)

自分の子どもには、つい活字本を読ませたくなります。
活字でなければ、漫画で描かれた歴史や伝記ものを。
でも、興味の赴くままに彼らが自由に漫画を読めば、大人が想定しているよりずっと広い世界で、子供はいろいろな経験を読書の中でしてくるのでしょう。

『火の鳥』を読んで、漫画が子供に与える影響の大きさを実感するという、ちょっとおかしな感想になってしまいました。

P.S.
それとは別に、『鳳凰編』で仏教どっぷりだったのに『太陽編』では仏教が悪になっている辺り、本当に『火の鳥』は奥が深いと改めて思いました。
特に好きなのは、『未来編』、『乱世編』、『望郷編』、『太陽編』です。


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