PMMが新プロダクト立ち上げで学んだ、スケールアップにつながる「フィードバックの活かし方」
株式会社SmartHRでプロダクトマーケティングマネージャー(以下PMM)をしている里井(@Satoa22)です。
私は2023年春頃から新機能「キャリア台帳」の企画を担当し、初期構想からリリースまで一貫して携わりました。「キャリア台帳」の誕生秘話はこちらのnoteをご覧ください。
さて、「キャリア台帳」はリリースまでにお客さまや社内のメンバーから数多くのフィードバックをいただき生まれました。
新プロダクト立ち上げは不確実性の塊です。「本当にこれで売れるのか…?」という迷いや不安は幾度となく訪れましたが、それらを解消してくれたのは周囲からの忌憚なきフィードバックでした。
そして、リリース前に実施したスコープ大見直し大会でフィードバックをくれたPMから、私はコーチャビリティが高いとのコメントをもらいました。
このnoteでは、「キャリア台帳」の立ち上げにあたって私が体得(?)したフィードバックを行動に活かすまでの流れをつらつらと書きます。
プロダクトの企画・立ち上げを担う方や、シンプルに「もっと成長したい!」という方の参考になれば幸いです。
結論:フィードバックのループを形成する
結論から書くと、フィードバックを ①受け止める②解釈する③実行する④感想を言う のループ形成が肝です。
以降はこちらのループの解説をします。
①受け止める
フィードバックを「受け止める」ステップでのポイントは2つと考えています。
1.「ショートカットできてラッキー!」と受け止める
完全に私見なのですが、経験上フィードバックは結構な確率で当たっていると思っています。これは、フィードバックとは、くれた人の経験・専門性・暗黙知に基づくものだからかなと。
なので、フィードバックをもらった際には「え!時間をかけて試行錯誤して正解に至る過程をショートカットしていいんですか!?」と受け止めています。このように認知することでネガティブな感情になりにくい実感があります。
2.時間を空ける
とはいえ、もらったフィードバックをその場ですぐに受け止められない時もあるかと思います。そんな時のオススメは「フィードバックを記録しておき、時間を空けてもう一度読み返す」方法です。
「キャリア台帳」の立ち上げ時だと、スコープ大見直し大会がまさにこれでした。
最初は「これ以上機能を削ったらさすがに売れないだろ…」と思っていたのですが、徐々にリリースを遅らせることによる開発コスト・機会損失に気づき始め、気がついたら自然と受け止められていました。
②解釈する
受け止めたフィードバックを「解釈する」ステップでのポイントは、レイヤーを上げることだと考えています。
レイヤーを上げることで、1つのフィードバックを適用できる範囲を増やせ、この後の「実行する」ステップでの実行機会・回数が圧倒的に増えるメリットがあります。
具体例でお話しします。
スコープ大見直し大会でのフィードバックは「A.キャリア台帳のこの機能は本当にリリース時に必要か?削れないか?」
受け止めた私は、キャリア台帳に限らず新規プロダクトなら同じでは?と思い、「B.新規プロダクト立ち上げ時は、早期リリースを優先し必要なアイテムを絞る」と解釈
さらに一歩深めると
プロダクトに限らず、新しいことをする際全般で同じでは?
早期リリースを優先する理由は、なるべくコストをかけずに人がほしいものを作れているか確認するためでは?
となると、人がほしいものだったか確認できないとダメでは?
最後は「C.新しいことをする際は、人がほしいものの早期提供と、人がほしいものだったかの検証がポイント」と解釈
A→B→Cとだんだん適用できそうな範囲が増えます。Cまでレイヤーを上げると、プロダクトに限らずコンテンツ作成やキャンペーン実施などマーケティング活動にも適用できます。
実際、キャリア台帳はリリース前に検証項目・方法を整理し、リリース後は1ヶ月ほどでビジネス全体の振り返りをしました。凡事徹底ですが、自分でフィードバックを解釈したからこそやる意義を自身が1番わかっていたのは大きかったです。
③実行する
解釈したフィードバックを「実行する」ステップです。ここのポイントは超シンプルで、とりあえずやることです。
実行のハードルが大きくなさそうなものは、とりあえずやってみましょう。「解釈する」ステップでレイヤーを上げておくと、実行機会も多くなっているはず…!
もちろん失敗のリスクはありますが、私は「少しやってうまくいかなかったら、以降はやらなければいい」くらいの気持ちで臨んでます。
④感想を言う
ループの最後がフィードバックを実行した「感想を言う」ステップです。
このステップのポイントは、周囲に無邪気に発信することだと考えています。
周囲に発信するメリットは2つあると考えています。
1つ目は、自分自身に対してフィードバックのループを構築しやすい点です。感想を発信することで、フィードバックをくれた人は「この人はちゃんとフィードバックを聞いてやってくれたんだ!また言ってみようかな」と感じます。こうすることで、フィードバックのループが自然と生まれ、次の成長機会が舞い込んできます。
2つ目は、組織に対しての還元です。私の場合はキャリア台帳のリリースで得た経験をもとに新プロダクト立ち上げ時のノウハウをまとめ社内wikiにて公開しました。PMM内や他グループでも読まれ、立ち上げに伴う業務フローが一部改善され始めたりと組織への還元が少しずつ進んでいるように感じています。
気をつける点は、「感想を言う」ステップは組織文化に大きく左右されることです。私自身が無邪気に感想を言う中で、心理的安全性の高い組織づくりの重要性にも改めて気付きました。
今のSmartHR、おもしろいぞ
以上が私なりのフィードバックの活かし方でした。
今のSmartHRは、規模拡大と急成長が合わさった「スケールアップ企業」と呼べるフェーズです。
組織の変化も激しいスケールアップ企業では、フィードバックを活かせる機会も多く、自分次第で成長機会はいくらでもつかめます。
私も入社してから1年半ほどで、既存プロダクトのグロース、リリース前の新プロダクトを引き継ぎリリース、新プロダクトの初期構想から企画しリリースと経験してきました。
私の所属するPMMチームは「新たな価値を生み出し続ける」をテーマに、お互いが模索しフィードバックし合いながら、日々お客さまのほしいものと向き合っています。
SmartHRで自身も、組織も、社会も、もっとよくしたい。
そんな野心のある方のご応募をぜひお待ちしております!(TwitterのDMなどでもWelcome!)