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高熱から微熱へ、それから

雨に打たれて濡れたからだが、空気に触れてじわじわ体温が下がっていく。
熱くなっていたせいか、その落差に心臓が早鐘を打つような、脳がずしんと重くなるような感覚。

私の対人関係はいつも、熱しやすく、そして冷めにくい。
ただ、永遠に下がらない訳でもないから、体温調節が苦手な私はいつも
下がりそうになる体温に焦って、どこかで無理をしてしまう。
失うことが怖くて、捨てられることが怖くて、
誰かから、大事な相手から、「もういいよ」と突き放されることばかり考えてしまう。
最初から考えていたらね、そうなっても「やっぱりね」で済ませられるような気がして。

恋愛体質だなぁと自覚してから何年も、自分から手を離すことが多かった。
色々な理由があったけれど、共通して思うことは
一緒にこの先何年も、何十年も一緒にいる未来が見えなくなってしまうと、私は頑張れなくなってしまうこと。

私だけが頑張っていたわけじゃない
相手もきっと、私と生きるために色々頑張って、考えてくれていたと思う。
それでも私には、見えている世界が全てだったから
心の奥底の気持ちまで想像して、全てを飲み込むことはできなかった。

私にとって許せない何かをされてしまうと
目にしてしまうと、聞いてしまうともうだめで
普段は能天気で、馬鹿みたいに明るいくせに
急にシリアスになってしまって、後ろ向きになって
散々悩んだり吐いたりしながら、ある時ふっとどうでも良くなってまた笑えてしまう。
でも、そうやって笑う私の心は風船よりも軽く、地に足を付けられないままどこかへ飛んでいってしまう。

涙の雨が干上がっても、濡れたからだから体温がどんどん抜けおちていく。
それは自分ではどうしようもできないもので
泣くほど君のことが好きなのに
冷たい目が忘れられなくて、触れることさえ怖くなる。

どうしたらいいのか、の内訳が
どうしたら傷つかないか、とか
どうしたら傷つけないか、とか
そういうことばかり。

今はね、何も考えず、ただ眠っていたい。

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