プロフェッショナルたち

 小学校6年生の国語の教科書に、「プロフェッショナルたち」という単元がある。6年担任をされたことがある方ならご存知の方が多いのではないでしょうか。さて、この単元の学習をこれまで3度指導したことがあるが、その度に身の引き締まる思いをしている。なぜか。
 初めてこの単元を指導した際、ある児童が発した言葉がある。「先生は、教えることのプロフェッショナルということですか。」
答えに詰まった挙げ句、こう答えた。「そうあれるように毎日みんなと一緒に努力しています。」
その日の放課後、自分の発言に後悔した。なんと無責任な発言をしたのか。教育実習生が言うならわかる。私は現職の、対価をもらって教壇に立つ教師。恥ずかしさと情けなさで胸がいっぱいになった。家を建てる時、大工さんが、「倒れない家になるように努力します。」と言ったらどう思うだろう。きっと、「この大工さん大丈夫?やばくない?」と思うはず。
 つまりプロとは、完璧な仕事をしなければならない。子ども相手の教師という仕事では、時にそのことが忘れられているように感じる。子ども相手であるからこそ、私たち教師は、ほかの仕事以上に、このことを意識しなければならない。この単元は、子どもたち、そして私たち教師に対して、深い学びを提供してくれる、素晴らしい単元である。

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