”食×チルアウト” 新市場の行方が気になる
チルアウト(chill out)という言葉をご存知ですか?
元々は音楽ジャンル用語で「落ち着く/くつろぐ/リラックスする」といった類いを示す言葉で、近年に人気なアウトドア(特に焚き火)とか、サウナ⇄水風呂の「ととのう」というのも、ある種の「チルアウト消費」だと思っているんです。
”心を落ち着かせること”にお金を使う時代
このチルアウト消費、伸びていくだろうなと思います。
なぜなら、これまで移動することで叶えていた気持ちの切替(仕事はオフィスで自宅ではリラックス/バーで気分を整えて自宅に戻る/週末に自然のある場所にいって気分転換をする)が今は難しいですからね。
・在宅勤務だと終業後も、高揚気分が抜けず落ち着かない
という方も多いのではないでしょうか?
私も在宅勤務10ヶ月で、ずっと自宅にいると業務が単調になってソワソワすることあります。そんな時に気分転換兼ねてカフェに行きたくなるんですけどその時のカフェの選び方が以前と変わりました。
コロナ前の行き慣れたカフェではなく、少し遠くても”落ち着くカフェ(人との距離が保たれている/太陽の光が届く場所/テーブルのサイズが比較的大きい)ところを選んでいて、「私はいまチルアウトしたいのだな‥」と再認識することも。
そんなご経験、今年になって増えていませんか?
コロナ収束後も沈静するための消費というのは、高揚するための消費と同じぐらい注目されるのではないかと思います。
チルアウトとは、何か?
風船の空気がプシューとなる状態
誰かとチルアウトの話をすると
「それってリラックスとかマインドフルネスと同義語?」
と言われます。
辞書的には確かに同義語でもあるし、感覚的にも近い気もするんだけど少し違いがあるような気もしてます。少なくとも私は「これを食べるとリラックスします」と言われるより「これを食べるとチルアウトします」と言われるほうがぐっとそそられます。(これはレモンの塩漬けを塩レモン、と表現したり、ホットケーキをパンケーキと称されるほうが今っぽいということなのかもしれませんが‥)
個人的解釈ですが、
「チルアウト」 =気が張った/高揚した状態 → 沈静状態
「マインドフルネス」 =少し抽象的単語で、はじまりの感情は問わない
「リラックス」 =感情の変化過程はなく、心が落ち着いた状態
ということで、感情に → の変化があるものがチルアウトかな?
まだ完全に整理できてませんが、
簡単にいいますとパンパンに入った風船の空気がシューとなっていく感覚、それがチルアウトだ。ということですかね‥
「チルアウトなら●●●」という決定的商品がまだない
それで、このチルアウトする「飲料・食品」は特別ないな〜と思いました。
気持ちを上げる(元気になる)だと、カフェイン系とか食材だったら大蒜とか、メニューだと辛い熱い系の韓国料理‥など出てきますが、チルアウト商品というと、パッと出てこない。
だからこそ、ここに商機があるのかもなと思って見てしまいます。
ちなみにリラクゼーションサポートドリンクの「チルアウト」は、エンディアンという企業(日本コカ・コーラとI-neが出資)立ち上げていますが、まだまだ全国的には知られていないような気がします。
上記の栄養ドリンク的飲料以外にもこんなものも。
ムーンミルクとは、インドの伝統医学アーユルヴェーダで『不眠解消ドリンク』として飲まれている飲み物です。ホットミルクなどにハーブやスパイスを混ぜて飲むことにより自然な睡眠へと誘います。
そして「日本の規程に沿った、より楽しく、より効果のあるムーンミルクを作ろう」と考えて出来上がったのが "The Moon Milk" 。
小学生時代に不眠に悩まされた時があって、その時確かにホットミルクを母に作ってもらって飲んでいた記憶があります。あとハーブティーとか、おしることか、、そういう飲料も「チルアウト」へ気持ちを移行させる記号的存在になりそう。
あと、お出汁。
確かに「お出汁を飲む」というアクションがチルアウトする時だった起こりそうだと思いました。スープは作っている時からチルアウトしますよね。
「チルアウト×食・飲料」の共通点とは何か?
チルアウトする時の食品や飲料ってどんなものなんだろう、と考えます。
きっと高揚する時に食べるものとは違ってきますよね、
・味わい(五味)
砂糖とか香辛料の辛さは違そう。
・温度
冷たくなく熱すぎない温度
・食感
あまり咀嚼するものではなさそう。口当たりよいもの。
スプーンを使うものなのかも。
・記憶
全く新しいものではなく食べ親しんだもの?
そんな視点でみてみると、スープやお粥、漢方的な商品とか滋味深い味わいのものかもしれません。
これまで「注目されていなかった食材やメニュー」はチルアウトの視点だと光を浴びてくるのではないかなと思ったりします。
落ち着かせる、って習慣的に求められるしサブスクもフィットしやすいカテゴリなのだと思います。
新規市場とも言えるチルアウト×食品。
この市場も引き続き注目していきたいと思います。
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