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PMO(ピー・エム・オー)シリーズ 〜導入編〜 vol.1

はじめに

PMOという言葉をご存知でしょうか?
先日「最近PMOという言葉をよく聞く」と話題になったので、過去の経験を踏まえて整理していきたいと思います。

まずは定義

今回は導入編ということで一般的な定義をおさらいしていきます。

PMOとは
Project Management Officer(プロジェクト・マネジメント・オフィサー)の略です。
プロジェクトをマネジメントする組織または人の総称です。

もう少し要素分解していきます。

プロジェクト
何らかの目標を達成するための計画
マネジメント
組織の目標を設定し、その目標を達成するために組織の経営資源を効率的に活用したり、リスク管理などを実施すること
オフィサー
PM(プロジェクト・マネジャー)というプロジェクトの最高責任者を支援する組織や人のこと

CXOなどで使われるオフィサーは、最高責任者の意を表すことが多いですが、プロジェクト・マネジメントでは一般的にPMが最高責任者であるため、PMOのオフィサーはプロジェクトの最高責任者ではありません。

なぜプロジェクト・マネジメントが必要?

プロジェクト・マネジメントという言葉は、IT・システム業界でよく耳にしますが、考え方そのものはIT・システム業界が発端ではありません。
古くは冷戦期の米国防省と言われ、軍事プロジェクトのプロセスをスピードアップするためにプロセスを体系化し整理したことが始まりだと言われています。
それまでは、有識者の経験に基づいて属人的プロジェクトが進められていたことから、プロセスを体系化することでスケジュールやコストの妥当性や人員の体力、コストなどを管理しやすくなったと言えます。
また建設業界では古くからプロジェクト・マネジメントの手法は活用されていました。

なぜIT・システム業界でプロジェクト・マネジメントが話題になるのでしょうか。
それはIT・システム業界のプロジェクト成功率の低さだと言われています。
プロジェクト成功率は下記のように推移しています。

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参考:プロジェクト失敗の理由、15年前から変わらず

※2003年、2008年は情報システム部門へのアンケートであり、2018年は情報システム部門は6割程度でその他部門も対象にしており一概に比較できません。

10年以上前は成功しているプロジェクトは3割程度、直近の2018年でも半数程度なんです。プロジェクトはかなりの確率で失敗しているということです。

プロジェクトの成功・失敗とは

パッと見うまくいっているようなプロジェクトでも失敗と判断される場合があります。何を以ってプロジェクトが成功・失敗としているかですが、QCD(Quallity(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の3点すべてが計画通り順守できたプロジェクトを成功と定義しています。

この定義でプロジェクトを成功させるのは難易度が高いのでは?成功率が低いのは当然では?と考える方もいると思います。
プロジェクトのKGIをQCDに設定し、各プロセスのKPIを設定、そして各プロセスの計画に基づいて実行し、その成果を評価しているため、QCDのどれが欠けても成功したとは言えないのは明白です。

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だからこそ、プロジェクト・マネジメントすなわち目標を達成するための計画を正しく実行することがが必要です。

おわりに

PMOは、従来型のウォーターフォール型のプロジェクトに適用するものと印象を持った方もいるかもしれません。
昨今のアジャイル開発、リーン、デザインスプリントなど、昨今よくあるプロジェクトにはハマらないものでしょうか?
個人的所見では”No”です。リーンやデザインスプリントだからこそPMOが必要になると考えます。
プロジェクト・マネジメントの体系化された手法は、さまざまなプロジェクトに共通する概念です。
次回以降、徐々にその理由や考え方を紹介できればと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

ATSUMI@CPMO

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