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⑥人生は何が起こるかわからない、学びたければどんな形でも続けられるよ

旅行会社で私が担当したのはアメリカ東海岸へのインバウンドのお仕事で、日本とは夏時間の場合13時間、冬時間で14時間の時差があり、日本のその日のオフィスアワーが終わると同日ニューヨークが朝開き、ニューヨークが夕方の7時頃になると日本は翌日の朝が始まりスタッフも動き出すので、なんだかんだと仕事は朝から晩までという感じ。

9/11後、ビジネスが復活してからは、とてもじゃないけど、定時の9時15分~6時15分で帰れたことはありません。朝から晩までオフィスにいて、家に帰ってボイトレ後、夜の11時のニュースを見ながら、夕ご飯を食べ、そのままSATCを見て寝て、というような日常が長く続きました。

そんな中でも、プライベートでは時間を見つけては、ワークショップや個人レッスンを受けて自分なりに勉強を続けて、街中のジャムセッションやオープンマイクに参加したり、素晴らしいライブ演奏をどんどん聞きにいったりすることはなんとか続けました。

ジャズモービルという、ジャズを広める組織の無料のジャズのクラスに土曜日通っていた頃、私が歌を見てもらう順番になったら、まるで見計らったかのように、留学生の方のお迎えのガイドさんから連絡が入って、ホストファミリーのところに連れていったんだけど、誰もいないんだけど!と怒りの電話を受け、何でこのタイミング~?と心の中で半べそになりながら、ホームステイ業者に連絡を取るため、クラスを途中で抜けたりすることが何度も起こり、ほんと勘弁して!と叫びたかった。ドリフのコントみたいだった。例えが古すぎる?(苦笑)

大好きな先生たち、メンターとして仰ぐ、マリオンカウィングス先生、マークマーフィー先生、ジェイクレイトン先生、ボビーマクファリン先生とGimme 5の先生方、そしてシーラジョーダン先生、そしていろんな方々と出会い学ぶチャンスがありました。またそれぞれのエピソードもそのうち書いていきますね。

ちなみにシーラジョーダン先生のワークショップを取るチャンスが巡ってきたのは、なんと3年前。無念のシティーカレッジ時代から数えるとなんと18年後!シーラ先生に行きの車での休憩地点で、実はシティーカレッジの時、オーディションに落ちたので今回学べるチャンスがやっときてうれしいです!と言ったところ、

OH!NO!ダーリン、私は学びたいと言ってきたシンガーにNOを言ったことなんて今まで一度もないわ!と。

え?いえ、えーっと、あなたは確かに私に言われましたよ、ダーリン私のところに来る前にまだ学ぶことがあると…。

↓ こちらに書かせていただきました

さすがに御年90を超えたシーラ先生に、いいえ私は言われました!と、言ってもしょうがないわけで、私の18年ずっと抱えていた劣等感はなんだったんだろうと、これもドリフのコントの最後みたいで、トランペットの音がなってみんなずっこけるしかないというか、もう笑うしかないよという状態に。

言われた人はショックを受けていつまでも覚えているけど、言った人はそんなに覚えていないというか、人生そんなもんなんだよね。

それにしてもそう思えるまで本当に長かったな~(笑)

そしてとってもとっても時間はかかったけど、自分の中のジャズベイビーが育って、少しずつ自分の言葉で話せるようになってきたことに気づいた時、やっとシティーカレッジへの劣等感、コンプレックスの呪縛からも抜け出せた気がします。

このジャズという音楽を学ぶため私はここにいるんだ、というこれだけは譲れない信念があったから、どんなつらいことがあっても強くいれた、この音楽があったからこそ、長い間この街にしぶとく居続けることができたのだと。

それなのでこれからは私を支えてくれたこのジャズという音楽に、恩返しをしていきたいなあと思っています。




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