「vol.11 職人さん100人数珠つなぎ」/ 野村守(Mamoru Nomura)さん/ 螺鈿ジュエリー”MAMORI”ブランドファウンダー
京漆器(平安時代初期に始まり千二百年以上の歴史を持つ漆器の産地@京都府)
京都で唯一、漆を塗る所から貝殻を用いた螺鈿装飾、漆で絵を描く蒔絵装飾、そして販売まで行う野村守さん。
今では娘さん、息子さんも螺鈿職人として働き、親子2代で活躍されています。
工房では螺鈿と蒔絵の体験を実施し、海外の観光客から修学旅行生といった若い世代まで幅広いお客様に向けて京漆器の魅力を発信しています。
1: 経営理念//心が穏やかになるものを作る //
「手に取ってもらい、心が穏やかになる時間をお客様に提供したいと思い理念を定めました。この気持ちは代が変わっても引き継いでもらいたいです。」と語る野村さん。誠心誠意お客様の立場に立って提案することを大切にされています。野村さんが立ち上げた螺鈿ジュエリーブランドは素材にこだわり、技術、そして手間暇を惜しまないものづくりによるもの。今では大学生や20代、30代のお客様がSNSで発信し、口コミが口コミを呼ぶ好循環により若い世代にも人気が広がっています。理念を大切に、そしてお客様に誠実に接していると、このコロナ禍においても大丈夫なんだと改めて感じたそうです。
2: ものづくりに対する姿勢//寛大な心で向き合う//
漆の伝統工芸は1ヶ月、2ヶ月でできるものではなく、手間暇のかかるもの。だから寛大でないと良いものづくりはできないのです。すぐに成果を求められますが、私は、2年後、3年後を見て気長にゆっくりしたことをやっています。」日本だけではなく、海外のデザイナーとも積極的にコラボレーションし、これまでにない商品を生み出し続ける野村さん。企画から完成までに時間と技巧と職人の想いがたっぷり詰まったものづくりは、寛大な心なくしてはできないのだと思いました。
/野村 守さんの会社情報//
嵯峨螺鈿 野村
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