五月某日@ウィーン

数日の記憶を適当にまとめることにする。

最近平日休日問わずマイクラで一日を始めることが多い。今は何も作ったりしていないので、できた作物を集めたり孵化したカメから亀のウロコを集めたりしている。一体何をやってるいるんだろうと思いつつ、定住したら植物を育てて世話したい気もする。

六月末の学会で発表するのだが、なんと二十三日までにポスターを出さなければならなかったらしい(聞いていない)。同じような感じで聞いていない人が多かったのか、聞いていたけど提出していない人が多かったのか、締め切りが延長されて三十日までに出せと言われるので急遽ポスターを作る。先生に投げて終了。

夕方、久しぶりに先輩と散歩に行く。私が日本から帰ってきてから初めてなので、もしかしたら三ヶ月ぶりぐらいかもしれない。研究、就職、恋愛の話などをする。先輩がアイスクリームを買おうというので買いに行くが、買ってから食べる用のスプーンにコロナがついてるんじゃないかと言い始め、食べないことにして捨てる。一応スプーンは外に出っ放しものではなくて、後ろからわざわざとってもらったのだが、しかし日本みたいに一つ一つ小包装ではないので確かに誰が触ったかはわからない。とはいえそれで感染する確率は低いように思う。だが確率はゼロではない。

その先輩はもう一回目のワクチンを受けているので、それもあってか昔は絶対にマスクを外さなかったけど、今日会ったら「距離開けたらマスクを外してもいい?」と言われた。私は正直ワクチン前だろうが後だろうが本人が外したければ外せばいいと思っているので全く構わないのだが(なので大人数ではなるべく人と会わない、まぁ会う機会もなかったけど)、先ほどのアイスクリームの件と照らし合わせるとなんだか不思議な気分である。

というのもワクチンを受けたら統計上はコロナに感染する確率が下がるし、コロナにかかっても重症化しにくいらしい(というのが今の私の理解である)。しかし確率的にいってそうなだけで、全く感染しないわけでもないし重症化しない保証もない(別にコロナに限ったことじゃなくて、どんなワクチンでもそうだろう)。そう思うとアイスクリームで感染する確率も相当低い気もするのだが(今ざっと調べたところ食べ物で感染する確率はほぼないと書いてある)、しかしあのスプーンを直接口に入れるというのがリスクが高いと計算されたのかも知れない。

最近認知科学でもベイズ推定が流行ってるので、こういう個人の信念から物事への判断がどう確率計算されているか、そしてその信念というものが新たな情報によってどう更新されるかみたいなことはよく聞くが、コロナの状況ってまさに色んな意味で人間のジレンマがありありと見えて面白いなぁと思う(状況は悲惨なので面白がっている場合ではないが)。

夜は久しぶりに将来のことを考えたり、不妊の体験記を読んだりして気持ち悪くなる(別に今妊活してるわけでもないのだが、不妊の話はきっと誰が読んでも辛い気持ちになると思う)。とはいえ将来のことでちょっと前向きなこともあって、もしかしたら日本に帰るかもなぁと思ったりする。とはいえ色々物事が動くのは来年だと思うのでしっかり知力も体力もつけておきたい。

九月末からイギリスに行くということで研究費の申請を出したが(結果はまだ)、オーストリアでは、先日インドの変異株が流行しているからということで再度イギリスからの飛行機が発着禁止になる。そもそもこの研究費が取れるかわからないし、まだ時間があるのでどうなるかわからないが、変異ウイルスが出続けたらこうやって死ぬまでこんな感じの生活が続くのかなぁと思ったりする。