十二月一日・二日@ブダペスト

十二月一日

土曜日なのでゆっくり寝ようと思ってたが、三度寝ぐらいして気づいたら11時だった。冬になってから寒すぎて走れないので、起きるモチベーションも少し落ちる。ご飯を食べて掃き掃除をする。

土曜日は市場の日なので、市場にいって食材を仕入れる。ちょっと前から250g(negyed kilo)、500g(fél kilo)を覚えたので、最近は指差しでお肉も買えるようになった。いつも卵を買うおばちゃんは私の顔を見るなり「卵10個ね」というようになった。

前から気になっていた、市場内にできたちょっと小洒落たカフェ?ができたのでいってみるが、店主はすごく地元のおじさんという感じであった。それもまたいい。ラテマキアートが市内中心地の半額ぐらいの値段で売られている。携帯も何も持ってきていなかったので、ぼーっと人間観察をする。ただ座っているだけの東欧のおばあちゃんがたくさんいて可愛い。

家に帰って豚を塩漬けにして冷蔵庫に入れる。とにかく気分が悪かったので、喫茶で本を読むことにする。お隣さんがやってる喫茶店に行って、本の虫の本の続きを読む。書店で働いていたことが、こんなに懐かしくて愛おしくて、キラキラした日々だったことを思い出して涙が出そうになる(当時は忙しすぎてキラキラのかけらも感じられなかったけど)。

適当に夜ご飯を済ませて、実験に使うためのインストラクションをまとめにかかるが、このところRMarkdownを使い始めたので、ちょっとした表記でわからないところがあったりして時間がかかる。PDFの出力(LaTeXの形式で書き出し)時になんだか指定したところに図が入っていなかったりしてイライラする。もともと同期がLaTeXでレポートを書いてるのを見せてもらって、文章(および研究)の再現性(e.g., Why write reproducible papers? in RMarkdown for writing reproducible scientific papers)のことなど興味があったので、自分もWord系からいつか脱却したいな〜と思いつつなあなあにしていたのだが、なかなかLaTeXで一から書くというのは(いくらテンプレがあるとはいえ)骨が折れるので、RMarkdownから始めることにしたのである。論文などだと、解析の結果をそのまま使えるのが何より良い。

時間がないから時間がある時にやって、今はとりあえず今まで通りやればいいんだけど、そう言ってるとずっとまたWord系から抜け出せないので、やると決めたからにはやるが、まあ時間がかかる。でもこれで自在に論文かけたらでも、そのあとはずっとずっと楽そうだ。

夕方ごろ、学部の代表(有志)で1ヶ月ほど渡って作り上げた、学生からのステートメント(要望、心配事)などがついに学長に送られる。私は一学部の人として学部のことを話しただけだが、文章を考えて最後まで取りまとめたHistory & Medieval Studiesの代表の人々には感謝しても仕切れない。今日はハンガリー政府が私の大学の運営を許可する署名への締切日。ついに大学はハンガリーから出て行くことになった。

十一月二日

朝早く起きて今日は冬服の買い物をすることにした。イギリスにいた頃から履き続けて穴が空いた日本のユニクロのジーパンを、繕いながら履き続けるもついに六月のイタリアキャンプ中に捨ててから、冬にまともに履けるものがなかったので新しいものを見に行くことに。

ブダペスト西駅の近くのショッピングモールに行ってまず薄手のニットを二枚買う。その次に電気屋さんに行って加湿器を見る。どれがいいかよくわからないので後日また来ることにする。

お昼ご飯にお気に入りのフォー屋さんで久しぶりに贅沢するかと思うが、日曜日でしまっていた。そこからお気に入りの小さなデザイナーズショップで二枚ボトムスを手に入れる。歩いて近くのカフェに行ってSNSを見つつ、ベーグルサンドを食べる。さらにその隣に昔からあったが全然行けてなかったコーヒー焙煎屋さんでカフェラテをいただき、本の虫の本の続きを読む。

そこから大学に行こうと思ったが、やっぱり鬱々としていたので靴を買いに行く。冬に履けるまともな靴がなかった。去年日本に一時的に帰ったとはいえ、これだけ防寒着がなくてよく耐えたと思う。もっとも、今年は例年より寒い冬になるらしいが。

家に帰ってご飯を食べ、キャンドルをたき、リラックスする曲をSpotifyで流しながら本を読むも、不安に耐えきれずいよいよ長らく放置していたデータ分析のスクリプトを書き始める。今まで単純な反応時間の計測など、簡単な実験しかしたことがなかったので、音楽のデータ分析は考えるだけでもゾっとするものであった。と行ってもMIDIデータなので基本的には反応時間のデータと何一つ変わらないのだが、データポイントが多すぎてどう処理しようか悩んでいた。

夜、プログラムをし始めるとそれはそれで止まらず、とにかくMaxで得たデータを全てまとめて綺麗にし、参加者ごとに分けて出力するというところまで書いた。Rも全く初心者というわけではないが、すぐスラスラ思いつかないので、こんな簡単なことでもあっという間に二時間がぐらいすぎる。Rのスクリプトを書きながら、MaxをなんとかPythonを使ってもっと心理実験にあったようなスクリプトを書けないんだろうか…と思ってまた余計なことを調べてしまう。MaxはPythonも使えるようだ。