六月九日・十日・十一日@ブダペスト

六月九日

五月末に一年で一番大きな提出物の締め切りがあり、それからは気が抜けるというよりかは早く次の実験をしないとと思い続けている。去年は進級試験があり、自分のキャパ以上に頑張りすぎたため、その後バーンアウトというか、数ヶ月何もできないような時期があった。今年は全く終わった感じがせず、ずっと永遠に続く道を歩き続けているようである。

朝ご飯を食べて部屋の掃除や洗濯を済ませてから、大学にいって実験室でプログラムを書く。基本的に前に書いたものをベースに改良するだけなのだが、やっぱり昔の自分が書いたコードなので不安のため、全て一から書き直すことにする。もちろん昔のコードを参考にするのだが、コピペをして必要なところだけを変えるということが怖すぎてできない。チェックしながら書いているので思ったよりも時間がかかる。

ひたすら頑張って直すが、まだ半分も終わらない。最近は三十度を超す暑さで、作業の途中にアイスカフェラテを買いに行く。午前中がんばると午後はいまいち集中できない。

夕方、ピアノの練習をする。今はラヴェルの水の戯れを弾いているが、さらにショパンの黒鍵のエチュードをすることになった。

かっこいいが、弾けるようになるまで何年経つのやらという気持ちである。

夕方は久しぶりにピラティスのクラス。今回から先生が若干プログラムを変えたので、慣れないポーズや動きなどが難しかった。

夜に帰って続きをしようと思うが、結局何をしていたのか思い出せない。

六月十日

気づかなかったが今日はペンテコストというキリスト教の休みなので、月曜だが大学はお休み。実験室に行こうと思っていたが、一応特別な祝日でビルが閉まってることになっているのでやめておく。

朝は久しぶりにお米を炊いて、日本食みたいなものを作る。SNSに載せたらご飯と汁物の位置がおかしいと言われ、そういえばお作法はからっきし分からないなと思った。

ご飯の後は、来週の学部での全体発表(PhD全員の必修発表会)のためのスライドを先生のコメントを元に直す。

十二時からスピニングのクラスに行く。もう外が暑いからなのか、私の体力が落ちたからか(ジム一週間ほど休んでいた)、あんまり漕げなかったし疲れた。

そのあとプログラムを書こうと思ったが、スピニングのせいかお昼ご飯を食べてものすごく眠たくなり、一時間ほど寝てしまう。SNSをしたり、家事の続きなどをしているとあっとゆう間に夕方。

今日は早めの夕食で、同じ研究室のシンガポール人の先輩と香港料理を食べに行く。料理は辛かったがおいしかった(特に餃子とほうれん草のにんにく炒め)。

食事中、先輩が最近移民局であった話を教えてくれる。私も外国人だから気をつけたほうがいいということ。確かにそうだが、私の場合はまだ自分の見にまだ悪いこと(差別など)が起こったことがない、あるいは気づいていないので、気をつけるにもどう気をつけたらいいのか分からない。

夜は作業すべきだったけど、結局頭の中に言葉がたくさん湧いてきて、いろんな人と喋ったりし続けていたら深夜になっていた。

六月十一日

朝はスピニングに行くが、インストラクターの人が来ない。忘れているようで、結局誰も来なかった。四十五分適当に漕いで、そのあとランニングマシンを初めていじってみる。YouTubeやNetflixを見ながら歩いたり走ったりできるようであった。

朝ごはんにグラノーラバーのようなものを買って、食べながら作業を始める。まだ先だが七月の学会のポスターを作るために、Mike Morissonという人が考えたテンプレートが気になったので、使ってみたいと思っていた。ということを既にここで書いたような気もするが探すのも面倒くさいのでもう一度書く。

要は研究者って学会に行ってポスター(研究成果をまとめた大きな紙)を貼って交流し、意見交換さらには共同研究の場所にもなるんだけど、よくあるポスターって文字だらけで何が言いたいのかわかんないし、人が多すぎて遠目でみるとメッセージが何も伝わらんぞということ。

私はまだ一度も学会でポスター発表したことはないのだが、参加者としては言ったことがあるので、状況は想像できる。確かにそうだなぁと思う。

ただあまりにもシンプルすぎるという気もしたので、この話を前のミーティングで先生に相談したところ、学会の種類によって使い分けたらいいんじゃないということ。例えば自分の分野のところだったら、簡素すぎると話も弾まないし、それはそれで受けが悪いとのこと。もっと一般的な大きな大会とかであれば、これでもいいと思うということであった。

ということで、次の学会は内輪の学会なので、これをベースにもう少し細かく書くようにしようと思う。そのために、すでに開発されているLaTeXのテンプレートがあったので、それを使おうと思って、ファイルをダウンロードしてLaTeXの設定をいじり始めると、色々気になることがあり、パッケージ関係の整理をし始めたのが最後、それで一日が終わることになる(というか次の日までかかった)。

前にブログで書いたが、今年からはRmarkdownで論文を書くことにして、そのためにR用にLaTeXの環境を整えていた。しかも当時LaTeXのことを今よりももっと知らない状態だったので、インストール時に出るエラーの意味もわからず、解決法をググってその場その場で対処していたので、自分のLaTeXの状態がどうなっているかわからないままであった。

五月末の提出が最優先だったので、そのRのためのLaTeX設定(大まかにいうとTinyTexを使う)で作業していたが、Rと関係ないところでLaTeXを使うと頻繁にエラーが出たり、pandocの変換がうまく行かないということがあった。それを幸いにも(あるいは不幸にも)、原因に気づくきっかけがあったので、改善しようということである。

試行錯誤したが結局やったことは、TinyTeXや古いTeXファイルを削除して2019年版のBasicTeXをインストールする。そして足りないパッケージを手動でひたすらインストールする(これをpipみたいに一括にできるやり方がないのだろうか、あるんだろうがわからなかった)。

今はとりあえず落ち着いて、とりあえずLaTeXも前にエラーが出たpandocなども普通に動くにようになって満足である。しかしこれで一日ほどが潰れたかと思うと、また本業とは関係ないところばかりで時間を費やして嫌になる。

夜はインド人の滞在研究者(学生)が滞在期間を終えて戻るというので、ポスドクの先輩の家でご飯を食べる。ワインを飲んでほろ酔いになり、インドの踊りを踊ったりした。家に帰っても、一人で寂しいと思った。