滞在許可、ロックダウン2、インターネット回線

滞在許可

前の日記で色々悩んでいた滞在許可の話だったが、水曜日に移民局に行き追加書類を提出したら(既にもうメールで送ったのに何故か印刷して持ってこいと言われた)、20ユーロ払って出来上がったカードを受け取ることができた。申請してから約一ヶ月だから結果的にはとても早いのである。

とはいえ他人(日本人)のブログなど見てると人によっては一週間で発行されたと書いていたりして、私は特別早くもないと思っていたのだが(むしろ書類に不備がないのだから遅いとさえ感じた)、他国籍の学生の話を聞いたりしていると一ヶ月で滞在許可が下りるなんて異例に早いようである。こういう(おそらく)「日本人だから」というだけで物事がスムーズに進むのはとてもありがたいが、同時に申し訳なくなる(日本人であることは私の個人の能力とは何も関係がない)。

とはいえ滞在許可が出るまではもしかしたら国外に一旦移動しないと行けないのではないかとずっと考えていたのでそれなりに不安はあり、ハンガリーに移動する可能性、日本に移動する可能性を考え、今の国境のルールや航空券、滞在先などを調べていた。調べれば調べるほどすぐに決断するような話でもない気がしてきて、結局「滞在許可の申請済みだし、退去せよと通告が来るまでは移動しない(将来出入り禁止になっても知らない)」と決めてからもう考えないようにしていたので楽になったものの、やっぱり一人で海外にいると誰も守ってくれる人がいないなぁと実感する。

本当は大学が保証人のような感じで守ってくれるとありがたいのだが、うちの大学は不運にも国外追放されたばかりでまだオーストリアとの政治的つながりもできておらず、事務の人も親切だが、親切なのは表面上の対応だけで実際知らないことや聞かれたくないことを聞かれたら無視するという、まぁそれなりによくない対応をとっているのが気に食わない(私も無視されたし、他にも無視されている学生はたくさんいる)。

ともあれ自分の話だけをすれば滞在許可が出て来年の十月末までオーストリアにいることができるようだ。通常アカデミックイヤーの終わりまでしか滞在許可が降りないことが多いのだが、何故か(日本人だからか?)十月末という夏を超えてまでの滞在許可が出てホッとしている。いつもなら「これで夏に滞在許可を気にしなくて日本に帰れる」と嬉しい気持ちになるが、そもそも次いつ日本に帰れるかよくわからない。

ロックダウン2

ハンガリーにいるときにロックダウンを一度経験したが、次はオーストリアに移ってきて二ヶ月ほどしたらここでもまたロックダウンになった。最初軽いロックダウンをしていたが全然感染者が減らないので、この前の火曜日から必要なお店以外は全て閉まり、できる限りホームオフィスを推奨するという生活に切り替わる。当然の如く私は自宅軟禁状態になる(ちなみに本当に必要なら大学に行くこともできる。他大学で授業するときなど安定したネット回線が必要な時は行こうと思うが、しかしそれ以外は行かないつもりだ)。

日本は憲法?法律?的に人の権利を尊重しているか何かでこんなロックダウンみたいな仕打ちはできないらしいが、こっちでは所定のルールを守らなかったら(最悪)罰金というような状況である。日本はそういうことをしなくても社会の目が厳しいのでそれで皆自重するのかもしれないが、なんとなくヨーロッパではルール外のことは個人の意思決定として尊重されてしまうので、余計に決まりが厳しくなっているような気はする。

ロックダウンも最初は私もみんなも料理や運動に精を出して、「人間としての原点に立ち返ろう」みたいな意識の高さと妙なエネルギーがあったが、今やだらだらと半ロックダウンの状態が何ヶ月も続き、クリスマス前に完全にロックダウンになって、疲れ果てて何もしない(冬だし余計に鬱っぽくなる)。なんというか動くのが億劫である。動かないと本当に心身ともに調子が悪くなるので、水を飲んで適度に運動はしたいとは思っているのだが。

今日本がどんな状況なのか、感染者の数字など以外は何もわからないが、ヨーロッパはスーパー・薬局等の必要なもの以外は全てが閉まっているのでなんというか不気味である。最初のロックダウンの時も不気味であったが、「緊急事態」という感じで一時的でいつか解消される不気味さであった。今はこれが「日常の一部」と化しているのが不気味である。ワクチンの開発が進んでいるのも知っているが、しかしもしかしたら今まで生きてきたみたいな普通の生活に戻るのに数年か数十年かかるのかと考えると悍しい。

インターネット回線

ロックダウンになったがロックダウンになる前から家にいることが推奨され、実験がない時はなるべく家にいる様にしていたので、家のネットを使うことが多くなった。普段は大学に行っていて、それなりに安定して速い回線を使っていたので、家の回線がそんなによくなかろうと特に不便を感じたこともなかった。

しかし今の家もそうだし、この家に来る前に住んでいたところもそうだが、インターネット回線が妙に遅い。というのも一つには家の構造のせいもあって、私が使っている部屋がルーターから遠いのが原因なのだが、そうじゃないもっと電波状況がいいところで使っても遅い。どんなプランを契約しているのか知らないが、多分そもそもの回線が早くない。

私の主な用途はメールと調べ物で、週に何回かズームミーティングがある。あとはマイクラぐらいだろうか。そこまで大量にデータを使う作業でもないと思うのだが、同居人は私よりもっと使わないので遅さは気にならない模様。モバイル回線の方が安定しているので、今はSIMカードを二枚買って80GBぐらいまで使える様にした(通話も入ってるからデータだけではないけどこれで大体40ユーロ弱)。

この値段がまた微妙で、オーストリアはそれなりにデータ通信が安いので80GBぐらいまでしか使わないのであれば新しくWiFiを契約するより安い。何より私はここに長く住むわけでもないし、大学が再開したらそんなにいらないのだからと考えるとこの短期的な契約が一番良い気がしてとりあえずその場しのぎでやっている。しかし結局どういう形がいいのかよくわからない。

たまたまだと思うがオーストリアに来てからやたらネット回線の問題があり、私だけでなくて数人の知り合いの状況も良くなさそうなので、オーストリア(いわゆる先進国)にいるのになんか変な感じである。前に受けていたドイツ語の授業の時も、先生がたまたま旅行中で授業の最初の方はエクアドルから接続していたのだが、そこでの通信はものすごく安定して一切切れることがなかった一方、先生がオーストリアに帰国して自宅から接続している時は遅れがあるわ切断されるわで、なかなか授業が進まなかったこともあった。世の中なんだかよくわからない。

日本はというと最近はマシとはいえ、ヨーロッパの感覚したら無料で使える公共のWiFiがやけに少ない印象である。そこら辺もオリンピックに向けて(特に東京付近は)改善していっていたのだろうが、そういえばオリンピックはどうなるのだろうか…。