八月二十三日・二十四日@ブダペスト

八月二十三日

日曜日だから特に何もないが、先週ずっと休んでいたので何かした方がいいなと思いつつ、またボーッとSNSしたり麻雀したりする。最近そういえば歩く以外は運動とかストレッチとかしてないなと思う。前は毎日ヨガとかしてたけど最近なんだかんだ移動が多くてすっかり忘れていることが多い。身体が固まってる気がするが気のせいかもしれない。

今度の土曜日に輪読会で巻き寿司を持っていくことになったので、昨日練習で作った。適当に三合分ぐらい炊いたら大量に寿司ができたので数日は寿司を食べることになりそうである。今日も朝から寿司を食べる。

夕方は友達とヴィシェグラード(Visegrád)という街に行くことになった。ブダペストから40分ほど電車で行ったところにあるお城のある小さな観光地である。西駅で待ち合わせしていたが十分以上遅れるというので適当に待っていたら思ったより早くきて、当然電車を乗り過ごす予定だった私はいきなり「もう電車乗るけど」というメッセージに驚き、一本乗り過ごす。その子は乗り過ごしたことに不満そうだったが(元はと言えば彼女が遅れたわけだが)、まぁなんだかんだ次の電車で目的地に到着。

現地では船に乗って対岸に渡らなければいけない。チケットを買って、時間までコーヒーを飲みながら待つ。対岸にきたら、そこに前にもした国のハイキング道(országos kéktúra)があって、軽く登山して城にたどり着く。普段私以上に運動しない友達はかなりきつそうであった(それか気づかない間に私の体力がかなりついているのか、そんなことはないと思う)。

城自体も綺麗だが、城からみるドナウ川はまた格別だった。夕方に行ったのもよかったと思う。

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帰りは違う道を通って帰ったが若干迷ったりした。下に降りたら次はバスに乗って郊外電車を乗り継ぎブダペストに帰ってくる。友達はハンガリー発行の学生証があるので学割でチケットが変えたが、私は諸々の理由で(昔どっかに書いているはずである)その学生証がもらえないので、同じ博士課程でEU市民じゃない留学生だけど三倍以上の金を払う。とはいえ違う場面では国籍のおかげで得をしていることはたくさんあるのだが。

八月二十四日

朝は洗濯物などをしてゆっくり過ごす。また寿司を食べる。同居人が今日引っ越すという。いつも引越し当日に出ていくことを知るのでまたびっくりするが、これで四人ぐらい見送ったので慣れてきた。私も時期に引越しする身である。

久しぶりに大学にいって、いつものコーヒー屋さんでアイスコーヒーをテイクアウトしてオフィスに行く。夏休みだからほとんど人はいないのだが、少し前に比べると人が戻ってきているような気もする。

先生から、次のセメスターの輪読会のリーダーをやってくれと頼まれる。そろそろそんな学年(大概四年生以上がやる)になったんだなぁと思い嬉しいような、いや悲しい気持ちになった。やりたくないけど快く引き受ける。同期は六人いるから全員やらなくてもいいわけだがなぜ私はこういうことに選ばれてしまうのだろうか(多分Noと言わなさそうだから)。

改めて分析をやり直すことになったので、一からコードを書き直す作業に入る。大体構造は一緒だから本当にゼロから書くわけではないが、一つ一つの機能の実装など、今見るともっと短い行数で書けるところなどもわかるので綺麗にしていく。少し作業しただけで疲れる。

夜になったら今度の大家さんからメッセージが来る。今週の日曜にウィーンに移動して、火曜日に入居予定だったのだが、日曜までにコロナのPCR検査の結果(多分陰性結果)を提出してくれないと家を貸せないと言い始める。

元々契約書にサインをした時はコロナの検査を受けるとかそんな文言は全く入っておらず、私も検査する予定など全くなかった(症状がない限りは)。八月頭になって急に大家さんからPCR検査を受けた方がいいと思うという「おすすめ」の連絡がきて、表面上は私が国境で検査がないと引っかかって入れないとかそんなことを言っていたが、要はこのアジア人がコロナ陽性でないかどうかが知りたいという旨だと理解した。実際私は先週ウィーンに行ったが、今のルールだったら日本人でもハンガリーの居住者だからEU市民と同じルールが適応されるので、入国のために検査結果など出す必要は一ミリもない。

そのようなことを説明したがまあ確かにこの状況だし検査を受けて欲しい気持ちもわかるので、入国後に検査を受けて結果を伝えようかとは思っていた(どちらかというとこちらの好意である。だってそんなこと契約書に書いてないんだから)。

日曜までってことは今からいきなりハンガリーで検査を受けなければならないし、検査結果は陽性だったらすぐ連絡が来るけど陰性の場合は郵送されるから遅かったら結果をもらうまでに四日ぐらいかかる。四日は普通だとそんなに時間がかかってない方だが、明日検査を受けたらもう四日後に受け取れるかどうか怪しい(土曜日だし多分無理)。

検査を受けるのはいいが、まさか検査結果が入居の可否に影響すると思っていなかったので、もし検査が陽性だったらどうするんですかと聞いたら全然返信が返ってこない。相手は弁護士だし私なんか丸め込んでしまおうと思ってるのかどうかわからないが、信頼度合いがかなり減っている。

この大家さんは例えば私ではなくて他のEU市民の人が借りるときにでも検査の陰性結果を出せというのだろうか?こういうときにやっぱりアジア人だからかなぁという気持ちになるのは、なんだか少しわかってきた(シンガポール人の先輩がいつもこういう状況になるとアジア人だからと言っていて、私はそんなのわからないじゃん…と思っていたが、なんとなく感覚的にそう感じる時も少なくなってきた)。

そりゃ部屋を貸す側からしたら、ウイルス保菌者がきたらリスクなのでそうじゃないことを確かめておきたいのはわかるし全然結構だが、それならそうと契約書に書いておいて欲しい。特に検査を受けるだけでなくて、その結果が入居に関わるなら絶対書くべきだろう。私は何かおかしなことを言ってるのか?

そんなわけで早速信用が減ったので、今から部屋を探すのは金もストレスもかかるがデポジットで払った家賃一ヶ月分を返してくれるなら、いいお部屋だが喜んで手放して良い気持ちである。たとえ住むことになっても、元々六ヶ月ぐらいは住むつもりだったが、最低の二ヶ月で引越ししてもいいなという気持ちにすらなっている。海外にいるのはしんどい。